ヘルプデスクの求人を探しているあなたも、このような疑問を持っているのではないでしょうか。
IT系のキャリアを目指す際、ヘルプデスクを足がかりにするという選択があります。
ヘルプデスクの求人は人材派遣会社が多数を占めます。
転職の際に手っ取り早いのはもちろん、IT系求人でヘルプデスクが最も「未経験可」の求人が多いことも一因でしょう。
大手派遣求人サイトのリクナビ派遣で、「ヘルプデスク 未経験」のキーワードを検索にかけると東京23区のみで3,000件超(2020年1月現在)ヒットします。
未経験からヘルプデスクを目指す場合、この相当数の求人情報から、応募の要件(必要なスキルや経験)を確認し、最適な条件(希望の勤務地や時給)を絞っていかなければなりません。
なかなか骨の折れる仕事です。
そこで今回は、以下の内容について解説しますので、あなたに合ったヘルプデスクのお仕事を探す参考にして下さい。
- ヘルプデスク求人の「未経験」とはどんな意味か
- ヘルプデスクの求人で未経験可の割合
- ヘルプデスク未経験の場合の時給
- ヘルプデスク未経験からの求人の探し方
タップできる目次
ヘルプデスクの求人の「未経験」とは?
ヘルプデスクの求人情報に現れる「未経験可」の意味は2種類あります。
- 業界未経験可
- ヘルプデスク未経験可
それぞれ個々にみていきましょう。
業界未経験可
「業界未経験可」は、勤務先の企業自体の業界経験は未経験でもよいが、ヘルプデスクの知識や経験は必要です、ということを意味します。
業界知識やシステムについては、研修やマニュアルが用意されているものの、企業は即戦力を求めます。
おのずとヘルプデスク経験を必須としている求人は多くなります。
ですが、実際人材確保が思う様にいかない昨今、門戸を広げる意味で業界未経験可で、さらにヘルプデスクの経験も不問のケースも少なからず見受けられます。
求人情報を見る際はヘルプデスクの経験を必要としているかどうか必ず確認しましょう。
ヘルプデスクの求人は、一般的にIT・システム系の企業が多数を占めているという印象がありますが、実際に求人サイトをみると多種多様な業界でヘルプデスクが求められています。
一例をあげます。
- 金融
- 外資系総合商社
- 大手通信会社
- 住宅メーカー
- ステンレス製品老舗メーカー
- セミナー業
- 電力小売事業
- 不動産・建設
- 旅行代理店
- アパレル業
- ペット保険会社
・・・等々、枚挙にいとまがありません。
あなたが過去に経験している業界で、ヘルプデスク経験不問で募集をかけている場合はチャンスといえます。
採用の可能性は高くなります。
求人サイトを利用する際、フリーワード欄に該当の業界名や企業名、業界用語などを入力して検索してみましょう。
あなたにとってベストな求人情報に出会えるかもしれません。
ヘルプデスク未経験可
「ヘルプデスク未経験可」は、文字通り「ヘルプデスクの経験は問わない」ということになります。
ですがこちらも注意が必要です。
「ヘルプデスク未経験可」のフレーズと共に併記されるひとことがあります。
「ヘルプデスクの経験がある方は歓迎します」
やはり、経験者が望ましいという企業の本音が垣間見えます。
当然、ヘルプデスク経験者が採用の際に優先されることは意識しないといけないでしょう。
また、経験とは別に下記のような資格や技能を求められることもあります。
- TOEIC800点レベルの英語力
- 日商簿記3級の資格をお持ちの方歓迎
- ビジネス電話・ビジネスメールの対応経験がある方
こういった条件が併記されている求人については、これらの資格や技能を持たない場合、ヘルプデスク未経験可でもハードルの高い転職先になりそうです。
業界、ヘルプデスクともに未経験可
業界未経験可、ヘルプデスク未経験可の求人についてそれぞれ解説してきました。
実は、業界やヘルプデスクが未経験でも、転職のチャンスが存在するところがヘルプデスクの利点です!
私自身、社会保険システムのユーザーサポートに応募した時点でヘルプデスク未経験で社会保険の知識もゼロでした。
法改正に関わる関係企業や行政機関の求人
年末に理不尽な理由で失業した私に同情してくれた派遣会社が紹介したのがこの仕事でした。
特記事項に「ヘルプデスク未経験可」「業界未経験可」とあり、年明け早々に採用面接があるとのことですぐに飛びつきました。
実はその企業は4月から施行される法改正に伴い、大がかりなシステム変更のために、早急にユーザーサポートの増員を必要としていました。
年末になっても応募人数の10名がそろわず、おそらく最終手段として「ヘルプデスク未経験可」「業界未経験可」での募集になったのだと思います。
社会保険分野によらず、こういった法改正のタイミングで関係企業や行政機関などから出されるヘルプデスク求人は、複数人募集になることがあります。
大規模システム変更でユーザーサポートが間に合わないケースが考えられるからです。
このような求人は、ヘルプデスクへの転職を希望するあなたにとって、チャンスと言えます。
急募の欠員補充
蛇足ですが、ヘルプデスクの複数人募集には欠員補充というパターンもあります。
ヘルプデスクは20~30代の女性が多い職場なので、同じタイミングで複数の女性社員の産休が重なることがあるからです。
産休の申請がぎりぎりだと企業としては早急に補充が必要なことも少なくありません。
欠員補充の場合、企業は切羽詰まってますから時給が相場より若干高い傾向があります。
しかし一方で時給がよい分研修期間が短く、期待値が高いことは覚悟する必要があるでしょう。
私も1週間で社会保険の基礎知識とシステムの操作方法を叩き込まれ、翌週から電話対応と訪問指導に入りました。
当時7名の同期でスタートラインに立ちましたが研修の1週間が終ると1名が脱落しました。
サービス業からユーザーサポートに応募した方だったかと思います。
研修わずか1週間で、顧客に出向いての訪問指導が負担だったと記憶しています。
とはいえ残った6名で同じスタートラインに立てたことは心強かったです。
協力しあったり、愚痴を言いあったりできるのは複数採用の精神衛生上のメリットです。
ですがそれ以上に、複数採用のメリットが実はあります。
それは同期採用が複数人いると、あなたの評価が相対評価になるという点です。
どういうことかというと、あなたがある種の資格や特技といった履歴書に書ける武器を持っていれば別ですが、そうした履歴書に書ける武器を持たない場合に別の武器が必要になります。
仕事というのは努力がなかなか評価につながらないものです。
人は比べる対象がないと、単体で見ている限り、それが秀でているのかそうでないのかが分からないからです。
同じスタートラインの同期がいれば、相対値での判断が可能です。
同期の中で誰よりも電話応対がうまいであるとか、誰よりもクレームに強いであるとか、誰よりも処理能力が高いとか。
単に明るいとか、話しやすい人柄とか、いつも一番に電話を受けるというだけでも構わないのです。
それらは周囲の人の目が判断する相対値評価でしか明らかになりません。
こういった相対値で得た評価が、履歴書に現れないあなたの武器になるのです。
わたしもただひとつ持っていた武器は、人と話すことが好きということでした。
未知の相手とのやりとりで苦痛をともなわないのは、ヘルプデスクにとって有利な資質だったと言えます。
不勉強で10年の間に何らの資格も取得しませんでしたが、一か所で長くヘルプデスクとして重宝された理由はそれ以外思い当たりません。
月並みではありますがヘルプデスク未経験者に求められる、唯一最大の能力は、コミュニケーション力です。
どれほど技術的な知識を深めても、コミュニケーションがうまくとれなければ、困りごとを抱えた相手から疑問の本質を聞き取ることはできません。
正しい答えを導き出して、それを筋道立てて伝えることもできません。
つまり求人する企業は、ヘルプデスク未経験可・業界未経験可でも、コミュニケーション力は必ず求めています。
その点だけは確実におさえておく必要があると考えてよいでしょう。
- ヘルプデスク未経験・求人企業の業界未経験でもコミュニケーション力は必須
ヘルプデスクの求人で未経験可の割合
リクナビ派遣のサイトで、「ヘルプデスク 未経験可」の検索条件で主要都市の求人件数を調査しました。
ヘルプデスク求人総件数 | ヘルプデスク未経験可件数 | 未経験可の割合 | |
---|---|---|---|
東京23区 | 3,245 件 | 1,996 件 | 62% |
横浜市 | 367 件 | 284 件 | 77% |
大阪市 | 858 件 | 646 件 | 75% |
札幌市 | 346 件 | 312 件 | 90% |
福岡市 | 320 件 | 263 件 | 82% |
名古屋市 | 270 件 | 191 件 | 71% |
※2020年1月6日現在の検索結果です。
「未経験可」には「業界未経験可(ヘルプデスク経験あり)」を含みます。
総件数を見れば、東京23区が圧倒的に多いものの、「未経験可の割合」をみると、東京23区以外の地域の方が高い数値を示しています。
とりわけ地方都市では顕著に「未経験可の割合」が多いといえそうです。
もし東京23区内での勤務にこだわらないのであれば、勤務地を東京23区以外にすることも選択肢に入れてみましょう。
【ヘルプデスクの求人】未経験の場合の時給
ヘルプデスク未経験可の時給の相場は実際どうなのか。
厚労省の労働者派遣法改正に向けての 基本的な考え方(サマリー)内にある日本人材派遣協会2012「派遣スタッフWebアンケート」結果(速報値)よりによると、「OAインストラクター(ユーザーサポート・ヘルプデスクを含む)」の時給は1,630円とあります。
実際にリクナビ派遣のサイトの「希望条件を入れて一発検索 平均時給チェック」でヘルプデスク経験を必須とする求人の平均時給と、ヘルプデスク未経験可の求人の平均時給をチェックすると以下の様な結果となりました。
東京23区の場合
- ヘルプデスク経験必須の求人の平均時給 1,957円
- ヘルプデスク未経験可の求人の平均時給 1,775円
※2020年1月16日現在の比較です。
時期やタイミング、勤務地によって当然幅はあるものの、首都圏のヘルプデスクは時給1,600円~1,800円前後が相場の様です。
ただし業界のニーズや、景気動向の変化によって時給相場の変動は起こりうるでしょう。
個々の求人情報をあたる前に、最新の平均時給の相場を確認して、より条件のよい求人情報を掘り起こしましょう。
ヘルプデスク未経験からの求人の探し方
ヘルプデスク未経験OKの求人情報を手っ取り早く得るために、あなたも派遣求人サイトを複数利用しようと思うのではないでしょうか。
派遣求人サイトによってフォームは多種多様でも、検索画面で入力する項目はほぼ下記の5項目に集約されます。
- 勤務地
- 職種
- 時給
- こだわり
- フリーワード
ヘルプデスクを目指すあなたなら、まずは職種の中から「ヘルプデスク」或いは、「ユーザーサポート・ヘルプデスク」、或いは「テクニカルサポート・ヘルプデスク」を選んでいませんか?
ところがちょっとしたコツでヒットした求人件数がかなり違うんです!
ちょっとしたコツとは、なんのことはない、職種欄から「ヘルプデスク」を選ぶのではなく、
職種欄はブランクにして、フリーワード欄に「ヘルプデスク」とテキスト入力して検索するんです。
下記に、大手の派遣サイトで実際に検索した結果をまとめました。
リクナビ派遣に関していえば4倍以上の差が出てくるのです!
この差には非常に驚いたので、実際にリクナビ派遣に問い合わせて、この差がどういう理由で生じるのか確認しました。
ご質問の件ですが、検索条件によりましては、検索結果が異なります。
ご不便をおかけする仕様となっておりますが、
なにとぞご理解いただきますようお願いいたします。
なお、いただいたご指摘につきましては、社内関係者に共有のうえ、
今後のサイト運営に役立てて参ります。
貴重なご指摘をお寄せいただきありがとうございました。
との回答が得られました。
具体的な理由は書かれていませんでしたが、検索条件を工夫することでより多くの情報が得られるといえそうです。
それは言い換えれば、検索方法によっては、出会えるべき求人情報に出会えないということがありうるともいえます。
なかなか思うような求人情報に出会えない場合は、フリーワード欄を活用してみてください。
ヘルプデスク未経験の求人まとめ
あなたにとって好条件の求人情報を獲得するためには、まずはヘルプデスクの求人で未経験可の募集の現状を知ることです。
そして派遣求人サイトの特性を知って活用することです。
以下に要点をまとめました。
- ヘルプデスク求人情報に現れる「未経験可」には「業界未経験可」も
- 経験している業界や企業があれば強みになるのでフリーワード検索を
- ヘルプデスク未経験OKでもコミュニケーション力は求められる
- 東京23区以外で「未経験可の割合」が多いので勤務地の選択肢を広げる手も
- 有利な時給条件を得るには事前に最新の平均時給の相場を確認する
- 求人検索の際フリーワード欄に「ヘルプデスク」と入力を
私はヘルプデスク未経験から約10年、社会保険システムのヘルプデスクとして勤めました。
その後イレギュラーかもしれませんがIT系キャリアの道へ進まずに、社会保険業界に転職しました。
業界の方から見ると、該当のシステムに強く、業界知識も身につけているということで、重宝だったようです。
非常にいい条件で転職が叶いました。
「サーバー」という言葉も知らず、特段の資格も持たない私ですが、ヘルプデスクの世界で得たものは大きかったです。
あなたがもし今ヘルプデスクの世界に飛び込む自信がなくても、人と話しをすることさえ苦にならず、謙虚に学ぶ努力を惜しまなければ全く問題ありません!
ぜひ前述のコツを駆使してあなたにぴったりのお仕事を見つけて、ヘルプデスク、やってみてください!
なお未経験からヘルプデスクで働く方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

