プログラミングを始めてみようと決意したものの、初心者がつまづきやすいのはプログラミングができる環境やツールを自分で準備するところです。
あなたがプログラミング初心者でしたら、最初に何を用意して何をすればよいのか右も左もわからないのではないでしょうか?
そこで本記事では、初心者でも挫折しないプログラミングの環境構築方法について詳しく解説します。
また具体的な例として、Windowsのローカル環境で『Python』を環境構築する方法についてご紹介します。
Contents
プログラミングの環境構築とは?

プログラミングの開発環境を用意することを環境構築と呼びます。
一般的に、環境構築は、プログラミングのソースコードを書くテキストエディタとIDE(統合開発環境)を用意し、セットアップする作業となります。
IDE(統合開発環境)とは、ソースコードを読み込んで編集するエディタ、ソースコードからプログラムを生成するコンパイラ、コードの不正を発見・修正するデバッガなどを統合・統一化した開発環境のことです。
環境構築には以下の2種類があります。
- 自分のPC上に環境構築したものをローカル環境
- クラウドなどオンライン上に環境構築したものをリモート環境
ローカル環境では、インターネットに繋がっていなくても、自分のPCさえあればいつでもどこでもプログラムを開発することが可能です。
環境構築の事前準備

環境構築する前の事前準備を行います。
実際のところ、事前準備ができていれば環境構築の8割達成できています。
逆に、事前準備の条件が整っていない、または不完全のまま「まあ、なんとかなるだろう」と思って先に進んでしまうと、途中で不都合が生じてしまい、先に進めなくなってしまうことが多いです。
パソコンとOS
プログラミングをするにはパソコンが必要です。
デスクトップパソコンでも良いですが、ノートパソコンであれば、どこでもプログラミングができます。
プログラミングスクールに通ったり、勉強会に参加したりすることを考えているなら、持ち運びができるノートパソコンを準備ください。
スペックについては、マシンの性能によって処理が難しくなる場合もあるので、高性能のパソコンであることに越したことはありません。
パソコンは用意せず、スマホやタブレットだけでプログラミングを済まそうと考える方もいますが、すぐに限界がきますのでその考えは捨てましょう。
パソコンのOSはWindowsでもMacでもどちらでも構いませんが、パソコンのスペックとしては実用性を考慮して下記以上のものを選ぶようにしてください。
メモリ | 最低8GB以上 |
CPU | Core i5以上 |
ストレージ | 最低256GB |
GPU | ※ディープラーニングや機械学習の計算をする場合 |
画面サイズ | 13インチ以上 ※大きい方が作業しやすい |
重さ | 1.5kg以下 ※重いと持ち歩かなくなります |
Macであれば13インチのMacBook Proがおすすめです。
Macbook Pro |
1.4GHz クアッドコア Intel Core i5 プロセッサ (Turbo Boost使用時 最大3.9GHz) 8GB 3,733MHz LPDDR4Xメモリ 256GB SSDストレージ |
上記のスペックは月日が経つと陳腐化してしまいますので、目安として認識ください。
古い型式の中古パソコンを使うのは何かと制約が多くなってしまうので、パソコンの知識に自信の無い方はできるだけ避けましょう。
ネット環境
自宅にWiFiなどインターネット環境が整っていることも、プログラミング学習の前提となります。
調べ物やエラー処理するときなど、Google検索して解決策やヒントを探すことになりますし、プログラミング学習のWebサービスを活用することもありますよね。
また、できるだけ回線速度も高速である方が、ストレスもなく、プログラミング以外のところで悩む必要が無くなります。
家でもスマートフォンしか使っていない、外出が多く一人暮らしで自宅にWiFiが無い人もいるかと思いますが、これからプログラミングを本格的に行うのであれば、ポケットWi-Fi等でも良いのでネットに常時接続できる環境はあった方が良いです。
レンタルは簡単に始められて便利ですよ↓
Webブラウザ
Webブラウザは世界シェア60%の「Google Chrome」を使うのを前提としておけば間違いがないです。
テキストエディタ
プログラミング用のエディタは、機能的にはOS付属のものでもテキストが編集・保存できるものであれば何でも良いのですが、機能や評判に関係なく、あなたにとって使いやすい、無理せずに使えるものを選んでください。
私はシンプルで軽快なエディタが好きですが、プログラミングの効率性を考えて、プログラミングスクール等で一般的にオススメしているのは下記のエディタです。
Mac版もWindows版も両方あり、無料で使えるので、プログラミングを教えられる側にとっても、教える側にとっても都合が良かったりします。
- Visual Studio Code:https://code.visualstudio.com/
- Sublime Text:https://www.sublimetext.com/
- atom:https://atom.io/
バージョン管理システム
また、ここでは詳細について解説しませんが、プログラミングがスキルアップしてきたらプログラム(ソースコード)のバージョン管理を(世代管理)したくなると思いますので、必要になったときに環境構築してください。
バージョン管理システムとは、ファイル単位に誰が・いつ・何を変更したかといった情報を記録することで、過去のある時点の状態を復元したり変更内容の差分を表示できるようにするシステムのことです。
バージョン管理システムは、複数人での分散開発が可能な「Git」がスタンダードになりつつあります。
- 分散管理型
- Git:https://git-scm.com/
- Mercurial:https://www.mercurial-scm.org/
- 集中管理型
- Subversion:http://subversion.apache.org/
- CVS:https://www.nongnu.org/cvs/
プログラミング言語「Python」の環境構築

この記事では、Pythonの環境構築として、Pythonディストリビューションの定番「Anaconda」を使います。
通常Pythonの環境構築を行うには、Python本体をインストールした後に、必要なライブラリ(パッケージ)を追加インストールするため複数手順が必要ですが、「Anaconda」はPython本体とPythonでよく利用されるライブラリ(パッケージ)が最初からまとめて入っているので、Anacondaのインストールのみで環境構築が完了します。
簡単・確実なので、プログラミング初心者の方には「Anaconda」をオススメします。
なお、テキストで勉強される場合は、こちらを参考にしてください。
「Anaconda」のダウンロード
「Anaconda」の公式サイトを開き、[ Download ] ボタンをクリックします。
https://www.anaconda.com/distribution/

Anaconda Installersの画面が表示されたら、「Python 3.x」 のバージョンのPythonをクリックしてください。

PCのローカルのどこか(デスクトップなど)に保存先を指定し、[ 保存 ] ボタンをクリックするとダウンロードが開始します。

「Anaconda」のインストール
ダウンロードしたファイル(Anaconda3-2020.XX-Windows-x86_64)をダブルクリックするとインストールが始まります。
「Anaconda」のインストーラーは英語版しかなく、日本語対応しておりませんが、以下の手順通り進めていただければインストールできます。
[ Next ] をクリックします。

[ I Agree ] をクリックします。

”Just Me (recommnended)” を選択し、[ Next ] をクリックします。

Anacondaのインストール先を確認し、[ Next ] をクリックします。

最初のチェックボックスは、AnacondaのPATHを設定するものですが、スタートメニューから起動するのでここではチェックしません。
次のチェックボックスは、Anacondaを標準のPythonとして起動するように設定するためのものですが、チェックしてもしなくてもどちらでも構いません。
[ Install ] をクリックすると、インストールが開始します。
それなりに時間がかかりますが、パソコンで他の作業はせず、インストールだけ行って下さい。

インストールが終わると次のような表示になります。

これがインストール完了画面です。
[ Finish ] をクリックします。

動作確認
Anacondaのインストールが完了すると、Windowsのスタートメニューに「Anaconda3」項目が追加され、ここからPythonを起動できます。

動作確認として、Anaconda Powershell Promptをクリックします。
python と入力し、下図のようにPythonが起動したら動作確認OKです!

プログラミングの環境構築でつまづいてしまったら

環境構築でつまいづいてしまった、環境構築はできたけどこの先の道のりが長そうだと感じしてしまったあなた、割り切ってプログラミングスクールに入るのもオススメです。
プログラミングスクールでは短期間で業務レベルのプログラミングスキルを身に付けることができますし、転職を実現したいのであればプログラミングスクールに通うのが近道です。
独学ではエラーでつまずいたり、モチベーションが継続できなかったりと、さまざまな壁にぶつかってしまいやすく、プログラミングスクールよりも挫折する可能性が高いです。
この記事ではPythonの環境設定を紹介しましたが、やりたいことの目的によっては他のプログラミング言語の方が適しています。
あなたのプログラミングスキルを身に着けたい目的や目標を明確にして、まずどのようなプログラミング技術を身につけたいのか?考えてみましょう。
どのプログラミング言語を学べばいいのか悩んでいる方は、次を参考下さい。
- AI・機械学習:Python
- Web系:HTML、PHP、Javascript、Python、Java、Ruby
- ゲーム・VR:Unity
- iPhoneアプリ:Swift
- Androidアプリ:Java(Kotlin)
- システム系:Java、C言語
なお、おすすめのプログラミングスクールを以下の記事にまとめました。
あなたが目指すエンジニア別に選び方を解説していますので、ご参考になさって下さい。

プログラミングの環境構築のまとめ

最後にまとめとして、プログラミングの環境構築についてポイントをまとめてみました。
- プログラミングの開発環境を用意することを環境構築という
- プログラミング用のパソコンは高性能のノートパソコンが何かと便利
- スマホやタブレットだけでプログラミングしようとしない、パソコンを用意する
- 環境構築はWindowsでもMacでも好きな方でよい
- 自分のPC上に環境構築したものをローカル環境という
- ローカル環境は自分のPCさえあればいつでもどこでもプログラムを開発することが可能。
- Pythonの環境構築は「Anaconda」が初心者にはオススメ
- 環境構築につまいづいてしまった場合はプログラミングスクールの活用も検討してみる
独学にこだわる理由がなければ、環境構築も含めてプログラミングスクールを利用するのが確実です。
是非将来のためにプログラミング学習に取り組んでみてください!
なおプログラミングの独学について、以下の記事で詳しく解説しています。
こちらもどうぞご参考になさって下さい。


