最近のIT就職サイトには「SE未経験者募集」をよく見かけるようになりました。
ですが、何才でも未経験からSEになれるわけではありません。
もしもあなたが未経験でSEになりたいと考えているなら詳しく知りたいところですよね。
今回は未経験でSEになれる年齢の限界についてご説明します。
また未経験からSEになれる年齢別の可能性と対策についても解説していきます。
どうぞご参考になさってください。
Contents
未経験でSEになれる年齢は32才が限界

採用する企業によって未経験を受け入れる年齢は異なりますが、あくまでSE歴25年の私の経験で申しますと32才が限界と考えます。
前職の職歴・経歴よりも年齢重視
SEとはシステム開発の職人であり技術職です。
ですから、IT関係以外の職歴や経歴はあまり重要ではありません。
未経験者に対しては職歴・経歴よりも年齢が重視され、年齢が若ければSEとして採用する側にもされる側にも有利になります。
- 採用する側
- 一人前のSEになるまで数年かかるため、若いうちに育てたい
- 30代になれば即戦力として活躍してほしい
- 採用される側
- 若い方が頭が柔らかく知識や技術を柔軟に吸収できる
SEになれる可能性は年齢で変わる
SEになれる可能性は年齢によって違います。
では、未経験からSEになれる可能性を年齢別に見てみましょう。
未経験でSEに就職できる可能性 | 評価 | |
---|---|---|
~26才まで |
◎
|
新卒枠での就職活動が可能な年齢。 |
27才~29才まで |
〇
|
意欲が高いと評価されることが必要。できれば自己学習をしておくこと。 |
30才~32才まで |
△
|
自己学習は必要。意欲を評価されれば採用されるかもしれない。 |
33才~ |
×
|
ITの自己学習をしていても採用はかなり厳しい。 |
この表からもわかるように、未経験でSEになるには、できるだけ早くIT企業への就職活動をした方が良いです。
もちろん年齢は重要ですが、自己学習をすることやSEになりたいという意欲を示すことも、採用してもらうためのポイントになりますよ。
企業が32才より上の未経験者を避ける理由
企業は30代SEには即戦力として活躍してほしいと考えています。
ですが、SEとして一人前になるまでには約5年、プロジェクトマネージャーへキャリアアップさせるにはさらに約3年かかるため、30代で活躍できる期間が少なくなってしまいます。
33才で採用すると、33+5+3=41才となり、即戦力として働ける期間を望めません。
一人前のSEとして育てるのには時間がかかりますから、企業側としては若いうちに早くから育てたいと考えるのは当然です。
- 20代
- SEとしての教育期間として、実戦経験を積みながらスキルアップさせていく
- 30代
- SEの即戦力として活躍を期待している
- 40代~
- マネージャークラスでプロジェクト管理や若手の育成など、即戦力に加えて管理職としての活躍を期待している
若いうちは頭も柔らかいので理解するのも早く吸収できます。
5年かからずに一人前になる人もいるでしょう。
ですが、残念な事に年齢が高くなるにつれ吸収率は衰えていく傾向にありますから、一人前になるまでに想定しているよりも時間がかかることもあるでしょう。
また、年下のSEが教育担当になる可能性が高く、未経験者の立場として年下に教わることを覚悟していても、教える側としてはやりにくいと感じてしまう場合がよくあります。
教える立場と教わる立場の年齢が逆転しまう事で、職場環境がぎくしゃくしてしまうことを懸念する企業もあるのです。
【経験談】SE未経験者が開発の職場で感じた年齢のリスク
入社した大手SIer企業ではSE未経験者の教育プログラムがしっかりしていた為、SEの仕事について勉強することができ、職場に配属されても問題なく仕事を進めることがてきました。
また、しっかりと自己学習をしていたことで、仕事に対する不安も軽減できたのだと思います。
大手SIer企業は上流工程の中でも要件定義をする事が多く、プログラムや開発環境を熟知していなくてもSEの仕事ができましたので、30才未経験でもSEに入りやすい環境であったと感じます。
プログラムや開発環境については、自己学習だけではスキル不足を補うには足らない為、仕事をこなしながらも勉強に励みました。
しかし年齢からくるリスクは感じました。
先輩SEはほとんどが年下なので、仕事でわからない事を聞きくときに「この年になってこんなことも知らないのか、って思われるのでは」と考えてしまい、聞きずらかったです。
幸い職場の方々から支えられそんな思いも乗り越え仕事を続けることができました。
入社した会社は大手SIer企業の下請け会社で、SEは全員開発の職場に出向していました。
SEとしての教育は自社での教育プログラムはなく、開発の職場に出向し、実際の業務をこなして覚えるという「現場叩き上げ」でした。
多少の自己学習はしていたものの実際のSEの仕事となると勝手が違い、「もう少し若ければ頭が柔らかくて吸収できるのにな」と感じるほど、システムというものを覚えるのに時間がかかりました。
一担当としてSEの仕事をこなすことは繰り返し作業をしているうちにできるようにはなりましたが、システムを理解できているのではなく、ただ作業に追われているだけの日々だったのです。
SEを2年続けましたが仕事に自分の将来が見えず、辞めることを決めました。
AさんもBさんも「年齢」からくるリスクというものを、実際の開発職場で感じていました。
やはり、年齢が高くなればなるほどリスクは大きくなるといえます。
それから、もう一つ重要なポイントがあります。
AさんはSEを続けることができ、BさんはSEを辞めたことです。
AさんがSEを続けることができた理由は、未経験と年齢のリスクに対応してもらえる教育環境が整っていた大手SIer企業に入社したことにあります。
それに比べBさんは、大手SIer企業の下請け会社は「現場叩き上げ」という教育方法であったため、未経験と年齢のリスクに対して耐え切れずにSEを辞めてしまったです。
未経験者を採用するIT企業側に「未経験者に対する教育環境」が整っているかどうかで、年齢のリスクも軽減されるのです。
【年齢別】未経験でSEに採用されるポイント

未経験からSEに採用されるためのポイント(対策)を年齢別に挙げてみました。
年代 | 採用されるためのポイント(対策) |
---|---|
~26才 | 自己学習していなくとも、SEになりたいという意欲が評価されれはSEになれるでしょう。 自己学習していれば、可能性はグンと上がります。 |
27~29才 | SEになりたいという意欲だけでなく、自己学習は採用の評価で必要になります。 どういうSEになりたいのか、というような具体的な将来性も評価のポイントになります。 |
30~32才 | SEになりたいという意欲だけでは採用は厳しいですから、自己学習は必須です。 「本を読んだ」という程度の学習ではでなく、「簡単なプログラムを作った」というぐらいの学習した結果は必要です。 学歴・職歴によっては、管理職で採用される可能性はあります。 |
33才~ | 採用は難しいでしょう。 企業によっては33才以上でも採用してもらえるところはありますが、職場に配属されてから辛い思いをする可能性が大きいのでお薦めしません。 |
未経験というリスクがある以上、自己学習でシステムの知識を学んでおくことが、SEになりたいという意欲の評価につながります。
年齢が高くなるにつれリスクは大きくなりますから、事前に学習しておくことはSEになるうえでの当然の心構えといえるのです。
ブラック企業に注意
未経験で33才以上でも採用する企業はありますが、ブラック企業である可能性がありますから、甘い誘惑には気を付けましょう。
なおITパスポートと基本情報技術者について、以下の記事で詳しく解説しています。
IT系の資格をとっておきたいと思われたら、どうぞご参考になさってください。

未経験でSEに転職する方法
未経験でSEになるのは、やはり経験者と比較するとハンデがあります。
上述した年齢による対策を十分にしながら、転職対策を行う必要があります。
あなたは独りで転職活動をするのではなく、転職サポートのプロとタッグを組んで進めるのが賢明です。
それには転職エージェント(サイト)を上手に利用しましょう。
転職エージェントのキャリアアドバイザーにあなたの状況や希望を伝え、二人三脚でSEへの転職を目指してください。
キャリアアドバイザーはあなたに転職してもらうのが仕事です。
一生懸命相談に乗ってくれるはずです。
転職エージェント(サイト)の利用法も含め、未経験でSEに転職する方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

未経験でSEになれる年齢まとめ

未経験でSEになるときの年齢の影響についてまとめました。
- 未経験でSEになれる年齢の限界は32才
- 未経験のSEの採用には前職の職歴・経歴よりも年齢重視
- SEになれる可能性は年齢で変わる
- 32才を過ぎると30代で即戦力SEとして活躍できる期間が少ない
- 未経験でSEとして採用されるには、自己学習は重要ポイント
- 未経験でSEに転職するには転職エージェント(サイト)を利用する
IT企業ではSE不足という状況が続き、未経験者の受入れ枠を広げています。
SEになりたりたい人にとってはチャンスです。
若いうちに早ければ早いほどSEになれる可能性は大きくなります。
是非、SEという新しいキャリアをスタートさせてください。
なお未経験からプログラマーになる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
