IT社会といわれる昨今、システムエンジニアへの転職を考える人が増えています。
未経験でもSEになれるのは新卒だけ?
そんな悩みをもつあなたのために、この記事では未経験からSEに転職する方法と転職前後の注意点を解説します。
未経験からSEに転職できる?
IT技術を駆使してクライアントの課題解決を手掛けるシステムエンジニア。
専門職であり、ITの知識・技術は必須のスキルといえます。
そのため「未経験でSEに転職は難しいのかな?」と思われがちですが、そんなことはありません。
IT知識がゼロでも、SEに転職できるんです。その方法をご説明します。
IT知識は転職前にも身に付けられる
IT知識を身に付けられるのは、大学や会社の新人研修だけではありません。
社会人になってからでもプログラミングなどを学ぶ方法はあります。
働きながらIT知識を身に付ける主な方法は以下の通りです。
- プログラミングスクールに通う
- IT関連書籍を購入して勉強する
それぞれ詳しく解説します。
プログラミングスクールに通う
働きながらIT知識を身に付けたいなら、社会人向けのプログラミングスクールに通う方法があります。
IT業界で働いている人がスキルアップの為に通うケースもありますが、未経験の人向けに開講されたスクールも数多くあります。
プログラミングとは、「プログラム言語」という言葉を使って処理を記述し、機械に実行させることです。
人間の言語と同じで、プログラム言語にも数多くの種類があり、それぞれ文法やルールがあります。
なにかひとつのプログラム言語を習得すれば、その言語を使っている開発現場ならどこでも通用するのです。
スクールで扱っている言語の種類やそれぞれの言語の特徴は、パンフレットやガイダンスなどで知ることができます。
カウンセリングをして受講プランを提案してくれるスクールもあるので、何から学べばいいかわからなくても問題ありません。
受講の仕方もスクールによって様々です。
学校の授業のように教室で受講するタイプだけでなく、マンツーマンで指導を受けられるタイプもあります。
また、インターネット上で授業を受けられるオンラインスクールもあり、自分の都合に合わせて学習を進めることができます。
なお通学型は、後述しております「転職保証(支援)型のプログラミングスクール」がおすすめです。
おすすめのプログラミングスクールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさって下さい。

IT関連書籍を購入して勉強する
IT知識やプログラミングの技術について、現在では様々な教則本やハウツー本が出版されています。
プログラミングスクールに通う時間がないなら、それらの書籍を利用して自分で勉強するのも一つの選択肢です。
IT業界に興味があるなら、まずは書店でプログラミング言語などの本を一冊買ってみましょう。
大抵は開発環境の構築の仕方も書かれていますので、自分のパソコンでテストプログラミングを行うことも簡単です。
また、IT業界は常に新しい技術が生まれる業界ですので、転職できてからも自発的に勉強する姿勢が求められます。
ITについて独学で学んだ経験があれば、新しい知識・技術を自分の力で向上させる能力があることのアピールになり、より転職先が見つかりやすくなるでしょう。
なおプログラミングの勉強におすすめの本について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

IT知識ゼロのままでも転職できる
転職前にIT知識を身に付けなくても、知識ゼロのままで転職することもできます。
中規模・大規模のSIerでは、自社の研修制度が充実していて、未経験でも積極的に採用を行っている場合があります。
いわゆる「ポテンシャル採用」と呼ばれるものです。
私は転職ではなく新卒入社でしたが、面接や説明会でも「IT知識は入社してから身に付けてくれればいいから」というスタンスの会社が多い印象でした。
むしろ「何も知らない状態だけどゼロから学びたい」という前向きな姿勢を評価されることがありました。
あなたの年齢がまだ20代であれば、未経験でもポテンシャル採用で転職できる可能性は高いといえます。
では30代以上でIT知識ゼロのままの転職は難しいのかというと、そうとは限りません。
前職での経験をうまくアピールできれば、転職の可能性は十分にあります。
システムエンジニアの仕事は「BtoB」、顧客となるのは一般企業や行政などです。
顧客の業務知識を持っていることもSEにとっては重要なポイントとなります。
例えば金融系のシステム開発を多く手掛けている会社の場合、銀行や証券会社などの金融系企業で働いていた経験があれば、その経験を評価してもらえる可能性があるというわけです。
業務知識以外でも、文章力やコミュニケーション能力、ビジネススキルなどを前職の経験を踏まえてアピールできれば、IT知識ゼロでも採用につながるでしょう。
私が以前働いていた現場にも、IT知識ゼロで他業種から転職してきた人が何人もいました。
自衛隊や警察署で働いていた人もいれば、元トラックの運転手という人もいました。
大切なのはIT知識に関わらず「戦力になるかどうか」です。
自分のこれまでの経験を整理して、それらを「武器」としてアピールできれば、未経験でも転職の可能性は高まるにちがいありません。
未経験でSEに転職する前の注意点
次に、未経験でSEに転職するまえに気をつけたい注意点を解説します。
スムーズに転職先を見つけ、確実に採用されるためには、ポイントをおさえておく必要があります。
転職活動を少しでも有利に進められるよう、できる準備をしておきましょう。
会社の選び方に注意する
まず注意したいのが、転職先となる会社の選び方です。
以下に会社を選ぶ際のポイントをまとめます。
- 入社後の研修制度が明確に提示されている
- 入社後のキャリアアップが描ける
入社後の研修制度が明確に提示されている
未経験から転職するなら、社員への教育に力を入れている会社を選びましょう。
教育をしっかり行っているということは、人を大切にしているということだからです。
特に、研修などの内容が明確に提示されている会社のほうがより良いでしょう。
逆に研修の内容をはっきり教えてくれない会社は怪しむべきです。
「充実した社内研修」を謳っていながら、実際は書籍を貸し出しているだけ、という話も耳にします。
具体的にどのような研修制度があるのか採用担当者に質問し、内容まで確認することをおすすめします。
入社後のキャリアアップが描ける
SEとしてのキャリアアッププランが描けるかどうかも会社選びのポイントです。
システム開発の工程には下流工程、上流工程があります。
上流工程の方が難易度が高く、その分報酬も良くなります。
一次請けの会社が上流工程を担当し、下請けが下流工程を担うのが一般的です。
つまり、一次請けでプロジェクトを請け負っていないと上流工程に携わることができないのです。
一次請けか、せめて二次請けの案件の割合が大きい会社を選びましょう。
三次請け以下の案件ばかりだと、何年経っても下流工程にしか携われず、給料もあがりません。
「入社してどれくらいの期間で上流工程にも携われるようになるのか」
「ITスペシャリストやシステムコンサルタントなど、どのような選択肢があるのか」
これらの質問を投げかけ、自分の理想のキャリアアップができる会社なのかどうか確かめましょう。
自己アピールを工夫する
転職先の候補が見つかったら、次に気を付けたいのが自己アピールの仕方です。
未経験での転職の場合、即戦力となるような知識・技術は持っていませんから、自己アピールにも工夫が必要です。
以下の点に注意すれば、採用試験をスムーズに通過できるはずです。
- SEになる目的・志望動機が明確
- IT知識以外のスキルをアピール
SEになる目的・志望動機が明確
「IT業界に興味があるから」「プログラミングをやってみて楽しかったから」
このような理由でSEを志望する人もいます。
新卒入社の場合は、この程度の志望動機でも問題ないかもしれませんが、転職の場合はそうはいきません。
採用担当者は、目的意識と向上心をもって自発的に業務に取り組める人材を求めています。
「なぜ、前職を辞めてまでSEになりたいのか?」
「自分がSEとして活躍できると思う根拠はなにか?」
上記のような内容を具体的に示すことが大切です。
IT知識以外のスキルをアピール
未経験の場合、IT知識を独学で学んだとしても、それを自分の強みとしてアピールするには限界があります。
その代わり、前職で得た知識やスキルを持っていることが、新卒にはない強みとなります。
例えば、前職の業務に関して専門的な知識や資格を持っていればそれをアピールしましょう。
また、前職で培ったビジネススキルも、具体的なエピソードと合わせて伝えられると良いです。
「チームワークを活かしてプロジェクトを成功させた」
「複数のタスクを自分なりの方法でうまく管理していた」
このような実体験はSEの業務にも応用させることができます。
具体的なエピソードがあることで、あなたの仕事に対する取り組み方や姿勢も採用担当者に伝わるでしょう。
【未経験でSEへ】転職先の探し方
転職活動を進める上での注意点をお伝えしました。
では、転職先となる会社を探すには具体的にどのようにすれば良いのでしょうか?
未経験からSEとしての転職先を探すおすすめの方法を解説します。
未経験OKの転職エージェントに相談し正社員を目指す
正社員を目指すなら、転職エージェントに相談するのが堅実な方法です。
転職エージェントに依頼すると、キャリアアドバイザーがあなたに合った転職先を紹介してくれます。
さらに多くの転職エージェントでは、IT転職のノウハウや選考時のアドバイスもしてくれます。
転職エージェントには、様々な業種を総合的に扱う大手エージェントや、IT業界に特化したエージェントもあります。
大手エージェントは取引企業数が圧倒的に多いのが特徴です。
IT専門エージェントは大手と比べると取引企業数は劣りますが、より専門的なアドバイスを受けられるという利点があります。
いくつかのエージェントの特徴を比較し、自分の理想とする転職をサポートしてくれるエージェントを選びましょう。
おすすめの転職エージェントについては、以下の記事をご覧になって下さい。

転職保証(支援)のプログラミングスクールを受講する
働きながらIT技術を学ぶにはプログラミングスクールに通うという方法があることをご説明しました。
スクールによっては、受講後の転職保証(支援)がついたコースが用意されているものもあります。
転職保証とは、受講後に転職先が決まらなければ受講料を返金してくれるというものです。
最近ではオンラインで好きな時間に受講できるプログラミングスクールも増えています。
プログラミングの指導だけでなく面接練習などの転職支援をしてくれるスクールもあります。
また、転職後も数年間はキャリアカウンセリングを受けられるなど、スクール毎に独自のサポートプランが設けられています。
オンライン授業が無料で受けられるスクールもありますが、多くのスクールは数十万円の受講料がかかります。
指導内容、サポート内容と受講料を事前に良く調べ、納得できるスクールを選ぶようにしましょう。
オンライン型で代表的なプログラミングスクールのテックアカデミーでは転職保証コースがあります。
テックアカデミーの評判・口コミについては、以下の記事をご覧になって下さい。

また転職成功率98%のプログラミングスクール、DMM WEBCAMPでも転職保証が有ります。
DMM WEBCAMPの評判・口コミについては、以下の記事をご覧になって下さい。

プログラマーとして実務を積みSEを目指す
システム開発の工程の中で、開発工程(いわゆる「プログラミング」)のみを担当する人をプログラマーといいます。
未経験でSEを目指す場合、まずはプログラマーとして1~2年実務を積んでからキャリアアップするという選択肢もあります。
SEが担当するのは、要件定義や設計といったシステム開発の上流工程です。
下流工程のみを担当するプログラマーに比べ、求められるスキルの幅が広くなります。
「SEになりたいけど、今の自分には武器になるスキルが足りないかも」
「SEになるからには、時間をかけてでも良い条件で採用されたい!」
そう感じるあなたは、まずプログラマーを目指してみてはいかがでしょうか。
IT社会といわれる昨今、プログラマーは必須の人材であり、人手不足で悩んでいる会社も少なくありません。
私が以前働いていた現場でも、プログラマーの人手不足により中国やベトナムの会社にプログラミングを外注しているケースがあったほどです。
プログラマーであれば、未経験からでも研修制度をもうけて積極的に採用している会社は多くあります。
まずはそのような会社を探してみるのも一つの選択肢です。
未経験からSEに転職後の注意点
無事に転職先が見つかったら、いよいよSEとしてのキャリアがスタートします。
もちろん、転職できればそれで良しというわけではありません。
SEとして活躍するために転職後に気を付けたいポイントを解説します。
先輩SEから吸収する
SEとして働き始めたら、まずはお手本となる先輩SEを見つけましょう。
「この人と同じレベルで仕事ができるようになるには?」
このように考え、その先輩を徹底的に真似してください。理由をご説明します。
SEは技術職であると同時に高いビジネススキルも求められる職種です。
未経験の場合、ITの知識・技術を身に付ける努力はもちろん、それ以外のビジネススキルも伸ばしていく必要があります。
「タスク管理や一日の時間管理を効率的に行えるか?」
「クライアントや上司と円滑なコミュニケーションが取れるか?」
これらのスキルは個人差が大きく、評価基準も曖昧なので具体的な目標設定が難しいですよね。
そこで、先輩SEの真似をすることが役に立ちます。
具体的な目標設定が難しければ、できる先輩SEを見つけ、その人自体を目標にしてしまえばいいのです。
また、システム開発では現場ごとに独自のルールや言葉遣い、暗黙の了解になってることなどが多くあります。
先輩SEの真似をしてこれらの「お決まりごと」をいち早く身に付けることができれば、あなたの転職先での評価はぐっと高まるはずです。
未経験であることのデメリットを補うために、「先輩SEから仕事を盗む」ことをぜひ実践してみてください。
現場のキーパーソンを見極める
システム開発の現場に配属されたら、その現場のキーパーソンとなっている人物を見極めることも大切です。
どのような人物がキーパーソンで、なぜキーパーソンを見極めることが大切なのかご説明します。
システム開発はチームで行う仕事です。
自分たちのチームだけでなく、他の会社のチームと連携したり、クライアント側のチームともコミュニケーションを取りながら仕事を進めます。
どのチームにも、リーダーが必ずいます。最終的なものごとの決定権を持っている人です。
ただ私がお伝えしたい「キーパーソン」とは、実はリーダーのことではありません。
例えば、私がSEになって初めて現場に配属されたとき、私の教育担当だった先輩がこういいました。
「○○会社のSさんは仕事ができるから、うちの社員よりSさんを見習ったほうがいいよ」
Sさんの会社は私たちの会社の下請けで、立場上は私たちがSさんを雇っている形になっていました。
しかしSさんはその現場での実務経験が長く、クライアントからも一目置かれていました。
上の立場に忖度することなく意見や指摘をすることのできる人で、私の先輩もSさんと絶えず議論をしながら仕事を進めていました。
結果的に、その現場ではSさんがノーといえばノー、実質的な決定権をSさんが持っているようなものだったのです。
私自身、クライアントに初めてプログラムの納品をする時に、自社の先輩だけでなくSさんにも内容をチェックしてもらいました。
「Sさんのチェックを通っている」ということが、クライアントからの信用にもつながるというわけです。
このように、どの現場にも立場や役割とは関係なくキーパーソンとなる人物がいるものです。
そのような人物を見極め、積極的にいい人間関係を築く努力をすることで、未経験でもスムーズに仕事を進められるようになります。
未経験からSEへの転職まとめ
未経験からシステムエンジニアに転職する際のポイントをまとめます。
- 未経験でSEに転職するには
- プログラミングスクールに通う
- IT関連書籍で勉強する
- 未経験でSEに転職するまえに気を付けること
- 研修制度がある会社を探す
- IT知識以外のスキルもアピールする
- 正社員を目指すなら未経験OKの転職エージェントが堅実
リクルートエージェント ※求人数がダントツに多い。説明不要の優良エージェント(全国対応)
- マイナビエージェント
※首都圏・関西圏の20代~30代の転職に強みがある
就職Shop ※希望する職種が未経験OK。18~30歳。フリーター、既卒、高卒、第二新卒、中退、ニート、社会人経験なしもOK
- 転職保証つきのプログラミングスクールもある
- テックキャンプ
※無料カウンセリングあり。無理な勧誘は一切ないとのこと。マコなり社長のスクール。エンジニア転職できなければ受講料を全額返金
- GEEK JOBキャンプ
※受講・体験・就職支援すべて無料。オンライン、通学どちらも可。高校卒業から29歳まで。東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県
- DMM WEBCAMP
※転職、就職できなければ全額返金。カウンセリング無料。未経験でも最短3か月でエンジニアになれる
- まずプログラマーとして実務を積む選択肢も
- SEに転職したあとに気を付けること
- 仕事は先輩SEから盗むべし
- 現場のキーパーソンを見極めるべし
SEは様々なキャリアアッププランの描ける職種でもあります。
キャリアアップに必要なものはIT技術だけではありません。
どんな知識や経験が役に立つか、それは描くキャリアによって異なるのです。
未経験から転職するということは、新卒入社の社員にはない知識や経験をもちながらSEのキャリアをスタートできるということでもあります。
その経験は、必ずあなたのシステムエンジニアとしての道のりを助けてくれるはずです。
新しいスキルを身に付けると同時にこれまでの経験も最大限活かし、SEとしてのキャリアをスタートさせましょう。
なお未経験で社内SEになる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

