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社内SEの大変なこと10選|ベテラン社内SEが洗いざらい暴露!

社内SEって楽という話も聞くけど、ほんとうは大変ですか?

あなたもこのような疑問をお持ちかもしれませんね。
ITエンジニアのなかでも残業が少なくホワイトな職業として人気がありますが、実際のところどうなんでしょうか?

今回は、社内SEのどんなところが大変なのかを具体的に10例挙げて解説いたします。

現役で社内SE16年の私が、社内SEの内部事情を隅から隅まで洗いざらい暴露しますのでどうぞご期待ください。

社内SEの大変なこと10選

私自身の経験を踏まえて、社内SEは大変と思われるところを具体的に10例リストアップしてみました。

社内SEの大変なところ
  • 問い合わせ対応
  • マニュアル作成
  • トラブルシューティング
  • セキュリティ対策
  • クレーム・要望対応
  • 調整・根回し
  • 立場の弱さ
  • ITへの期待感
  • 過小評価

こうして並べてみると、つくづく社内のITのなんでも屋で、社内SEの業務内容の守備範囲が広すぎるから大変なんだなと気づかされました。

野球の守備に例えると、ピッチャー、キャッチャー、内野手、外野手を社内SEがそれぞれ全部1人でやっているようなイメージでしょうか。

一人でいくつも守備範囲を抱えているので、常に気を張っていて精神的に忙しくなってしまうのですね。

問い合わせ対応

社内システムに関する社員からのあらゆる問い合わせが、電話・メール・チャット・直接訪問で毎日、時間帯に関係なく、問い合わせ・質問が来ます。
いわゆるヘルプデスク業務です。

例えば、「パスワードを忘れてしまった」といった些細な問い合わせが多く、ユーザーからすると年に数回あるかどうかなのですが、社員数が多いと結構な頻度となります。

社員の中にはITにあまり詳しくない・得意でない人もいますので、画面操作や設定など、電話やテキストだけでは伝わらない場面も多く、結局ノートパソコン持参してもらって対面で対応という場面が多々あります。

ヘルプデスク業務は、「塵も積もれば山となる」で、累積で見るとかなり時間を消費しています

途中まで作業していた仕事を中断して対応するので、面倒に感じることも多いのですが、問い合わせ対応をいい加減にすると社内での評判や評価が下がりレッテル貼りされるので、常に親切・丁寧を心がける必要があります。

マニュアル作成

マニュアルをユーザーにちゃんと読んでもらうには、わかりやすく・簡潔で・記載漏れがなく・内容が古くない、シンプルで・洗練されてされているのが理想的ですが、当然ながら丁寧につくれば作るほど手間と時間がかかります

システムの操作マニュアルを丁寧に・わかりやすく書こうするすると、1つ1つ画面のスクリーンショット図を入れたりしますが、こうするとページ数が増えて分厚くなりがちです。

ユーザーから問い合わせをが来ることを想定して注意書きやトラブルの解決策をマニュアルに盛り込むと、記述量が多くなり、全体の流れや要点が分かりにくい、どこに何が書いてあるかわからないと言われます。

「簡潔で・詳しいマニュアル」を要求するというのは矛盾しております

適度な分量に抑えつつ、いかなる状況に対応できる万能なマニュアルを作るのは、理想的には正しいですが、現実的には困難ですね。

私は別途システム毎にQ&AやFAQの専用ページを用意して、なんでもかんでも1つのマニュアルの中に詰め込むのはやめました。
長年やってきた結論としましては、以下のようなシステムを用意するのがベストだということです。

  • マニュアルがなくても使える
  • 単純明快
  • 直感的
  • シンプル

そしてマニュアルに関しては、結局以下の結論にたどり着きます。

  • マニュアルは薄ければ薄いほど良い
  • マニュアルが無くて済むのであれば、なお望ましい

トラブルシューティング

ユーザー個人の以下のようなトラブルシューティングは問い合わせの範疇なので当然対応します。

  • 「パソコンが起動しなくなった」
  • 「ファイルサーバのデータを誤って消去してしまったので復元して欲しい」
  • 「社内システムの入力内容を間違えたので訂正したい」

しかし社内SEにとって、ほんとうの意味でのトラブルシューティングは、主にサーバ側の話です。
以下のようなトラブルシューティングを行います。

  • 「サーバ障害でサービス停止しまった」
  • 「不具合で社内システムが動かなくなってしまった」
  • 「エラーメッセージが出て先に進めない」

トラブルシューティング中はシステムが使えない=業務ができない・進まないという状況でもあるので、かなり冷や汗をかく瞬間です。

特に復旧対応は迅速性と確実性が求められるので大変です。

情報セキュリティ対策

どこの会社の情報システム部門でも一番力を入れるのが情報セキュリティ対策です。

たった一人の社員の過失事故によって、個人情報や機密情報が情報漏えいしたら、会社全体の損害になりますし、事故レベルによっては会社の存続も危うくなります。

日頃から情報セキュリティに関する社員教育や啓蒙といった草の根的な活動が必要になるのですが、中途社員の採用が増えており、社員全員に教育が行き届かないといった課題があります。

特にメールは常にインターネットからの流入に対してオープンになっておりますので、標的型攻撃といったなりすましメールによるウイルス感染が起こらないか、監視だけでは防げないので毎日冷や冷やしております。

また、スマートフォンやノートPCといったモバイル端末を外出時に持ち歩くことが普通になってしまったため、紛失・盗難も、情報漏えいの火種になるので冷や冷やさせられます。

いくら過失事故を起こした社員が責任を取ったところで、失ってしまった信用は取り戻すことができません。失うものの方が遥かに大きいです。

精神的に気が安まることがないという意味では、セキュリティ対策が一番大変かもしれません。

クレーム・要望対応

システムの機能変更やシステム環境の変更に関するクレーム・要望というのは、本当に尽きることがありません。

「前の方が良かった」「前のシステムでは○○ができたのに・・・」はユーザーの常套句で、新しいシステム環境に慣れるまでの間ずっと続きます。

ユーザー側の主な視点は、以下の通りです。

  • 画面が「使いやすい」「使いにくい」か?
  • 機能が「便利」「不便」か?

詰まるところ、常に時間短縮を求めているということが分かります。

時間=お金なので、ユーザーは「前に使っていたシステムより手間暇がかかるようでは本末転倒だ」という論調になりやすいです。

それが例えセキュリティレベルを上げるためだったとしてもです。
安全性と利便性はトレードオフになりやすい関係ですが、頭では把握しているつもりでも、なかなか理解してもらえません。

昨今はクラウドシステムの導入が進んできておりますので、「システムを仕事のやり方に合わせる」というアプローチも徐々に浸透してきておりますが、そういうシステムでなければ、改善・改良を求められます。

往々にして、ユーザーは被害者意識が強く、一方的な正義感、無茶振り、わがまま、好き・嫌いで話をしてきます。
真面目な社内SEほど、これに応えようとしますが、要求が更にヒートアップして止まらなくなり、途中で対応するのが疲れてきます。

ユーザーの要求にすべて応えていたらキリが無いです。対応してやるべきことと、やらなくてもよいことを論理立ててユーザーを説得し、線を引くのも社内SEの仕事になります。

調整・根回し

日本の会社特有なのかもしれませんが、システムの新規導入や改修にあたっては、会議や打ち合わせ以外に調整・根回しが必要です。

欧米の会社や外資系の会社では会議や打ち合わせの場で意思決定をしますが、典型的な日本の会社では会議や打ち合わせは資料内容を確認したり結果報告して了解を得るだけの、予定調和の形式的な儀式の場だったりします。

方向性や方針について、関係者と事前に調整・根回ししておかないと、会議や打ち合わせで課題や宿題ばかりが提示されて持ち帰りになりますね。

日本人の国民性なのかもしれませんが、どうも会議の場で、自分の意見・アイデアで決定したという痕跡を残したくない人が多いようです。
心理的には恐らく「失敗したときに責任を取りたくない」からでしょうか。

意思決定する際には個人の意見やアイデアではなく、以下のようなロジックの積み上げによって意思決定するアプローチを求めてきます。

  • 客観的な根拠や理由はあるか?
  • データや調査結果から選定理由を導き出せているか?

このアプローチは客観性を持って冷静に判断できるという意味では良い面もあるのですが、調査・準備に時間がかかります

ビジネスで必要な即断即決のスピード感は一切なく、何のために意思決定者がいるのか理解できないと思うこともあります。
些細なことでもコスト度外視で意思決定に時間をかけるのが何かと大変です。

立場の弱さ

社内SEがいる情報システム部門は管理部門(間接部門)です。
直接、売上を上げたり、利益を生み出している部所ではないので、立場が弱い部所になっていることが多いです。

管理部門なのに、総務部並にユーザーにサービスをしているので、ITのなんでも屋になってしまうのも要因かと思います。

立場が弱いと発言力も弱くなってしまうのが大変です。
社内政治的には立場上、不利ですね。

予算不足

日本では、一般的にIT予算投資額は「売上高の1%」と言われています。
欧米では「売上高の3.6%」というデータもあるようです。

特に決まっている訳ではないのですが、会社の売上が伸びていなければ予算は横ばいになってしまいます。
社内のシステムは増え続ける一方なのに、予算は横ばいだと、都合が悪いですよね。

新しい仕組みを導入しようにも、予算がちゃんと取れてないと身動きが取れなくなります。
そもそも業界として、ソリューションとなるサービスや商品の料金設定が高めで費用対効果に見合わないものも多いです。

改善や効率化を進めたいのに、こんな条件でブロックされて前進できないのはもどかしいですね。

ITへの期待感

これからすべての業界・業種にITが関わってきますので、会社の経営者からの期待感が非常に高いです。

人工知能(AI)やら、モノのインターネット(IoT)やら、活用や導入を検討しつづけなくてはなりません。

そういう意味では社内SEも面白い職種になってきたのかもしれませんが、この分野に果敢に挑戦しなければ職を追われるような状況にもなりかねません。

IT業界の世界ではドッグイヤーと言われるように、技術革新のスピードがとにかく速いです。

5年前と同じような仕事ができなくなってきました。常に変化と成長が求められているので、プレッシャーなってきます。

過小評価

社内SEという仕事は、成果や効果が定量化しにくく、貢献度が評価されにくいです。
本来トラブルが無い方が優れているはずなのですが、トラブル対応している方が頑張っているように見えてしまいます。

システムの仕様や機能が気に入らなくて、社内の嫌われ者になってしまうこともありますし、管理職や部所そのものがスケープゴートにされてしまうことも何度かありました。

途中、私の勤務先でも離職した者がおりましたが、過小評価により燃え尽き症候群になっておりました。
日々頑張ってきたのに、努力が報われないと虚しいですし、評価されなくなるとモチベーションは下がりますよね。

せっかく社内SEとして育ってきたのに、こんな要因でで人材流出してしまうのが実にもったいないです。

社内SEは大変だが社内では唯一無二の存在

業界によっては事情も条件も変わってきますが、大変そうだけど「社内SEを自分もやってみたい!」と思われたでしょうか?

「やっぱりSEの方がいいや」と思われたでしょうか?
社内SEは社内のIT環境を支えているため、唯一無二のポジションを自ら構築することができます。

また、その広い業務範囲ゆえに、長く続ければ多くのスキルを身につけることも可能です。

IT技術だけでなくコミュニケーションスキルも習得できますし、それらをスキルアップしたい人には向いている業種なのは間違いありません。

なお社内SEになる方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

社内SEになる定番ルート3つを解説【未経験ならコツが要ります】昨今は社内SEへの転職が人気で、年々競争率が高くなっています。 「それにしてもたやすく社内SEになれるのだろうか?」 そんな不安や疑...

社内SEの大変なことのまとめ

社内SEの仕事の大変なところについて、現場の視点で書いてみましたが、どう思われたでしょうか?
最後に、上述の社内SEの仕事の大変なところについてまとめてみました。

まとめ
  • 社内SEの仕事は職務の守備範囲が広いので、精神的に忙しくなりやすい
  • 問い合わせ対応は、社内の評判・評価の軸になるので、親切・丁寧に行った方が良い
  • マニュアルは可能なら無いに越したことはない
  • トラブルシューティングは緊急性が高く、他の作業は全て中断しないといけない
  • セキュリティ対策はユーザー教育でいたちごっこ
  • クレーム・要望対応は真面目に全て対応していると歯止めが効かなくなる
  • 事前に調整・根回ししておかないと仕事がスムーズに進まない
  • 社内インフラの管理者なのに、立場が弱い
  • ITへの期待感が大きくプレッシャーになる
  • 情報システム部門はスケープゴートにされやすく、頑張っても過小評価を受けやすい
  • ITへの過度の期待に応えるのがプレッシャーになる
  • 耐えきれなくなった場合は転職も視野に入れてみる

現場の生々しい話を沢山書いてしまいましたが、転職して「こんなはずではなかった」とならないよう、ご参考になれば幸いです。

社内SEは色々と大変ですが、プライベートの時間を確保する余裕は結構ある職種だと思います。
あなたにとって一番大事なことは何でしょうか?

あなたは何を望んでいるのでしょうか?
一度、自問自答してみると答えが見つかるかもしれません。

なお社内SEに本当に必要なスキルについて、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

社内SEに本当に必要なスキルとは?【ヒント:情シス不要論】 そんな疑問にお答えします。 本記事では、主に以下の内容を解説いたします。 今現在、社内SEに求められている...
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こばちゃん
理系(工学系)の大学院卒。 都内の民間企業の情報システム部門に所属。現役の社内SE。 情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験合格 食べ歩きが好きな食いしん坊です。
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