就職活動を控えた多くの大学生の頭を悩ませる、「ガクチカ」や「自己PR」。
長期インターンが主流になる中、そういったものに参加できなかった学生もいるでしょう。
就活を意識した学生生活を送っていない、今から何ができるだろう…と焦って何かを始めようとしているあなた。
自分の経験を振り返ってみてください。
…塾のチューターの経験がある?
学生の中ではメジャーなアルバイトですが、その経験は就活で生かすことができますよ。
すでに塾チューターの経験がある第二新卒、既卒のあなたは強力な武器となりますので自信を持って就活して下さい。
今回は、直近で就活を終えた私が、塾チューターの経験を就活に生かす方法とES(エントリーシート)や面接での注意点を解説します。
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塾チューターの経験を就活に生かす方法
なぜ就活でチューターの経験が生かせるのかというと、就活において強みとなる要素3つはチューターの経験で身につけられるものだからです。
就活における3つの強みとは、以下の通りです。
- 説得力のある志望動機
- 課題解決をした経験
- 説明力(コミュニケーション力)
1つずつ詳しく解説していきましょう。
チューターの経験&やりたい仕事で最強の志望動機に
チューターの仕事である、生徒の悩みを聞いて解決することと、多くの仕事の本質的なところには、重なる部分があります。
これは就活においてかなり有利なことです。
自分の経験とやりたい仕事を結びつけることで、説得力を感じさせる志望動機が作れるからです。
「塾でこういう経験をしてやりがいを感じた。だから御社のこのような仕事でその経験を生かしたいと思った」というように。
「この仕事がやりたい」と言っているだけで、使えるかわからない学生は企業にとって魅力的ではないのです。
もちろん、即戦力になることを期待する企業は特に日系大手では少ないかもしれません。
しかし、企業の未来を握る採用活動において「うちで活躍できそうだ」と思わせることは、周りと差をつける上で非常に重要なポイントになってきます。
就職活動にあまり踏み出せていない学生は、生徒の悩みを聞いて解決することと仕事の本質が似ているなんて想像がつかないですよね。
なぜ私がそのように感じたのか、1つ例を挙げてみましょう。
例えば私は銀行にインターンに行きました。
銀行といえば企業にお金を貸すイメージですよね。
しかし、とある銀行のインターンでは貸付先の企業が抱えている課題を分析し、その解決に向けた提案をしようという趣旨のワークをしました。
他には、メーカーなど他の業界のインターンにも参加しましたが、どこの企業もそういった課題解決型のワークばかりでした。
1dayインターンは特にそういったものが多いので、何度か参加するうちに「ああまたこういうワークね」とがっかりしてしまうことも少なくないのですが…。
インターンのワークは企業が学生に見てもらいたい仕事像と言っていいものでしょう。
規模感は違えども、課題解決型のインターンワークはまさしく生徒の悩みに対して解決策を考え、合格に向けてサポートするチューターの仕事に重なるのではないでしょうか。
課題解決の経験を効果的にアピールしよう
上記のように、多くの仕事では課題解決を求められます。
企業側はあなたがその課題解決に対してどのように取り組むのかを知る必要があるため、「ガクチカ」にはそうした経験を盛り込む必要があるのです。
「ガクチカ」とは、就活で最もスタンダードな「学生時代に一番力を入れたことはなんですか」という質問に対する答えのことです。
チューターのメインの業務は、生徒の悩み(=課題)を聞いて解決し、合格へ導くこと。
課題解決そのものですよね。
これを生かさない手はありません。
さらに経験を効果的にアピールするために、課題に対してあなたが何を考え、どのように解決してきたのか、を伝えましょう。
そのためには以下の4つの要素が必要です。
- あなたが直面した課題
- それに対する行動
- その行動の結果
- 自分の行動に対する評価/反省
短い時間で、企業側はあなたという人物がどのように仕事で活躍するのかを、ESや面接で使うエピソードを基に想像します。
「チューターとしてこんなことをやりました、あんなこともやりました」というだけでは「あなた」という人物がどういう人物か伝わりません。
私自身、生徒からの質問対応や課題管理をする以外にも、使用教材の校正やチラシ配りなど幅広い仕事をチューターのアルバイトで経験してきました。
どれも楽しんでこなしていた仕事でしたから、全てアピールできるものならアピールしたい…!そんな気持ちでした。
しかし上記の理由から、私もやってきたこと全てを伝えたい気持ちを抑え、エピソードを絞って面接に挑みました。
「生徒をサポートし、〇〇大学に貢献した」というエピソードにするのであれば、その生徒がうまくいかない障壁は何なのかを分析した過程、それに対して起こした行動、その行動に対する結果と反省を盛り込みましょう。
それだけでオリジナリティがぐっと増します。
ただ、欲をいえば「生徒の合格に貢献した」は少々物足りません。
私も就活を始めたばかりの大学3年次は、面倒を見ていた生徒が合格したエピソードをガクチカに盛り込もうとしていました。
1つ上の内定者に相談したところ、「生徒を合格させるために努力するのは当たり前のことでしょ?それじゃ相手には響かないよ」とぶった切られて、何も言い返せなかった思い出があります。
そのため、塾全体や校舎に目を向けて行動した経験があればそちらを優先して書くことをお勧めしたいです。
もし1〜3年生でまだ就活本番までに時間があり、そういう経験をしていないというのであれば、ぜひ自分で課題を分析し、行動してみてください。
塾における課題として考えられることをいくつか挙げてみたいと思います。
- 生徒の登校率が低い
- チューター間での連携が取れていない
- 生徒数が少ない
私が実際にアピールしていた経験も挙げておきます。
- 課題:生徒からの質問数が少なく、効率的な勉強方法がわかっていない。
- 行動:生徒全員とチューターが個別に話す時間を設けた。(チューターを有意義に感じてもらうには、実際に話すことでわかってもらうしかないと考えたから)
- 結果:質問の数が平均して〇〇件増えた(=効率的に勉強する生徒が増えた)ことで合格者数の数も去年より〇〇人増えた。
- 反省:話す機会を一度しか設けなかったため、手厚いサポートまではできなかった。
ここで気をつけたいのが、あくまでも塾の目的は「生徒の合格率や顧客満足度を上げることで、売り上げにつなげる」ということです。
その目的を見失わないようにしましょう。
例えば、「飲み会や会議を定期的に企画し、チューター同士で仲良くなった」では課題解決になっていないので注意です。
チューターが仲良くなることで、生徒にどんなメリットが生まれたのか?または塾への評価がどう上がったのか?というところまで言及してください。
面接での受け答えを的確にできるよう準備は抜かりなく
面接官は、あなたが「チューターとして勉強を教えている立場だ」ということを聞けば、「この子は説明力があるはずだ」というイメージを持つでしょう。
このイメージを裏切らないためにも、ぜひ面接の準備は抜かりなく行ってください。
この、「説明力がある」という前提は良い影響も悪い影響も与えかねないからです。
もし、わかりやすく自分の経験が説明できていれば、「この子の説明がうまいのはチューターをやっているからだな」と面接官は納得してくれます。
しかし質問の意図を掴めず、わかりやすく説明できなければ、「本当にチューターをしているの?」と眉をひそめられることになります。
私は、インターン選考の面接に苦手を感じていたことから、就活アプリなどを通じて10人以上の社会人の方に模擬面接をしてもらいました。
練習を乗り越え、だいぶ慣れてきた頃にお会いした方に言われたのが、「チューターをしているのもあって話がわかりやすいね」ということでした。
あなたはチューターという経験を通して、他の学生よりも説明するという機会に恵まれてきているはずです。
ポテンシャルは十分にあるでしょう。
チューターという経験で勝負をするのであれば、ぜひこれはマイナスではなくプラスに作用させて欲しいものです。
そのためにも、少しでも自信がなければ納得いくまで他の人と実践的な練習を積み重ねていってください。
なお以下の就活サイトでは、就活アドバイザーが受かるESの書き方や面接のノウハウについて無料でアドバイスしてくれます。
プロの目で見てもらい、あなたに合った面接対策をしてもらいましょう。
【塾チューターの就活】ESや面接での注意点3選
以上のことを踏まえると、就活においてチューターの経験が有利に働くと思えてきませんか?
ここからは、チューターの経験をアピールするための注意点について解説していきます。
チューターの役割を面接官に的確に伝える
チューターとしてどういった課題解決の経験があるかを書くor語る前に、そもそもチューターはどんな役割なのか触れておきましょう。
企業側には「チューター」の具体的なイメージが持てていない人が多いからです。
文字数や時間に制限があるので、ESに書く場合や「ガクチカを1分で教えて」というように面接で聞かれた場合はごく簡潔にして問題ないです。
もちろん、「チューター」を指す適当な言葉は他にないので、使ってはいけないというわけではありません。
チューターという言葉を使ったら始めにどんな役割なのかを補足しましょう。
実際に私が「学生時代に力を入れていたことについて書いてください」という問いに対して書いたESの冒頭をご紹介します。
私は塾のチューターのアルバイトに力を入れました。主な役割は生徒の質問に答えることです。…
またESを書き終えたら、必ずチューターのコミュニティ外の人に見てもらうようにしましょう。
状況理解のある人たちでは、いくら気をつけていても企業側がイメージできない部分を見落としてしまうことが多いからです。
私は、就活解禁前(3年生の2月)に就活サービスを提供している企業の社員の方にスカイプを通じた面談をしてもらい、ガクチカを固めました。
アプリやサイトの登録をすればそういった機会を得ることもできますし、大学のキャリアセンターでもアドバイスをもらうこともできます。
なお、あなたが今置かれている立場に応じた就活サービスを利用することで効率よく就職活動をすることができます。
おすすめの就活サービスについては、以下の記事をご覧になって下さい。
経験は数字で具体的に伝えよう
ESや面接では数字を盛り込むようにしておきましょう。
出来るだけ、客観的な事実を加えることであなたの経験がより具体的に、ストレートに伝わるからです。
以下の例を見てください。
- 「生徒の成績を上げ、合格に貢献した」
- 「生徒の成績を偏差値50から60に上げ、合格に貢献した」
下の例の方があなたの貢献度が確かなものになっていると思いませんか?
ESを提出する段階では特に、あなたのことはESでしか伝えられませんから、文字数が限られていても数字は絶対に削らないようにしましょう。
私はチューターの数や質問に来ていた生徒の数、合格者の増加率をESに書いたところ、面接官の方に「数字があってとてもいいESだと思った。普段からこういうこと意識してるの?」と聞かれたことがあります。
それを踏まえると、数字はESを書く上で重要、ということは一般的に言われることではあるものの、意外とできていない就活生が多いのでしょう。
ぜひ周りと差をつけるためにも数字はできるだけ書いておきたいところです。
また、必ずしもESに盛り込む必要はありませんが、塾の校舎数や勤務校舎の生徒数も確認しておくべきです。
名の通った塾であれば、校舎数は聞かれないかもしれませんが「生徒って何人くらいいるものなの?」という質問は飛んでくる可能性が高いです。
私自身、全国に校舎がどれくらいあるか、ということは聞かれたことがないのですが、チューターの先輩で聞かれたことがあるという人がいました。
その先輩は把握しておらず、「次の面接で答えられるようにします」と答えたそうです。
私の先輩のように、わからないことには無理やり答えないというのが鉄則ですが、想定される質問には備えて焦らないようにしたいですよね。
様々な角度からの質問に備えよう
自己分析を兼ねて、アルバイト中のあなたの振る舞いや意識していたことも振り返っておきましょう。
ガクチカで話したこと以外にも、チューターに関する質問が面接官から投げかけられることがあるからです。
私が実際に受けた質問を以下に挙げておきます。
- チューターをしている中で困ったことはあったか
- いい経験になったと思ったことはあるか
- 印象に残ったことは何か
- 生徒を対応している中で工夫していることは何か
- 1年生からチューターをやり直すとしたら何をしたいか
- チューターで身についたスキルは何か、またそれをどこで生かしているのか
- 他のチューターにはどのように思われていたと思うか
こういった質問に対しても、さらに、「なぜそういう行動をとったのか」「なぜそのように思うのか」と深掘りされるケースが多々あります。
理由を聞くことであなたの人柄をもっと知りたいと面接官は考えています。
私は一度、面接官に「いい話を聞けたよ、ありがとう」と言われたことがあります。
やる気のない生徒や伸び悩む生徒との関わり方に関する、ガクチカから派生した話が全体の大半を占めていた面接でのことです。
特別なことを話したわけではなかったのですが、3年半のチューター経験で培った自分なりの考えを正直に話したことで面接官に届いたのではないかと考えています。
目標に向かって、人を1年間マネジメントするという経験はどこにでも転がっているわけではありません。
その中であなたが工夫したこと、仕事につながるようなことはあなたという人物を表現する上でとても重要なものです。
ただし、面接官も人なので、想定される質問全てをここで準備することはできません。
用意していなかった質問が来る可能性もありますが、その際は「少し考えさせてください」と言って頭をフル回転させるしかないでしょう。
いくら準備万端にしてもそういった場面が訪れるかもしれないことは頭に置いておいてほしいです。
すぐに答えを出さなければいけない、ということはありません。
ただ、考えもしなかった質問に対する答えはすぐに思いつくものではないんですよね。
私は1回1回の面接の反省を次に生かしていかなければ、と思っていたため面接が終わったらすぐに何を聞かれたのかメモを取るようにしていました。
その上で、どう答えたらよかったかを考えるようにしたのです。
正直、「こう答えればよかった、なんで思いつかなかったんだろう」と反省することも。
しかし、その面接に対して反省ばかりしていても何も変わらない、と思うようにしていました。
その代わり、反省は次に生かしてこそ意味があると考えたのです。
落ち込むこともありましたが、このようにして面接の数をこなせばこなすほど、自分の言いたいこと、表現したい人間像がよりはっきりと見えてくるようになっていきましたよ。
塾チューターの就活まとめ
何か特別な、もしくは輝かしい経験を持っていないと、就活では不利になってしまうというイメージを持っているあなた。
私も就活を始める前はそんなイメージを持っていました。
でも、紹介したポイントを押さえておけばチューターの経験も、面接官に響くものとなります。
自分を信じて、チューターとして経験してきたことをぶつけて欲しいです。
チューターの経験談を通じて、素直で全力な「あなた」を受け止め、「採用したい」と思う企業であれば、入社後もイキイキと働くことができるでしょう。
内定を得るという目先のことだけに捉われず、自分に合った企業で働くんだ、ということを忘れないでください。
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