MOS(Microsoft Office Specialist)とは、Microsoft社が公認しているOfficeの知識が示せる資格です。
そのMOSを履歴書に書くべきかどうか、インターネット上ではさまざまな賛否両論の意見が飛び交っています。
その中でこのような疑問の声もよく目にします。
アピールできるかは別としてとりあえず書いてもいいんじゃない?
そもそも正式な書き方を教えて欲しいです。
実際のところどうなんでしょうか。
そんな疑問に応えるために、この記事では以下の内容を解説いたします。
- MOS資格を履歴書に書くと有効な場合と正式な書き方
- 古いMOS資格を履歴書に書く是非とアピールの仕方
- MOS資格勉強中の履歴書への書き方
MOS資格を履歴書に書くと有利か
結論から申し上げますとおおむね有利です。
私は2010年の在学中にExcelを取得し、卒業後2012年に就職が決まりました。
ハローワークでも就業支援としてMOSのスクールが開かれているほどですから、職に繋がりやすい資格であるといえますよね。
おおむねと濁したのは、どの企業でもそれが当てはまるとは言い難いからです。
では、どのような求人に対してMOSは有利にはたらくのでしょうか。
事項で解説していきます。
必要とされている人材による
私が就職に成功した理由は、単純に、面接先がExcelを使える人材を求めていたからです。
このように即戦力の事務員を求めている場合などは、かなり有効に働くでしょう。
事務員は特別な技術がなくても仕事をすることが可能なので、競争相手が多いです。
その中で差別化できるMOSは非常に強力な武器になります。
加えて、もしあなたがある程度の年齢であるならば、絶対に書いたほうがいいでしょう。
新卒ならまだしも、ある程度の年齢でOfficeが使えないのは事務員には致命的です。
私より年上の人にOfficeの基本的な使い方を1から10まで教えたことがありますが、煩わしいです。
他に覚えることは山ほどあるので、このような時間はできるだけ省略したいと、採用先も考えるでしょう。
単純な向上心や学習意欲を表せる
企業はスキルだけを見ているわけではありません。一緒に仕事がしたいと思えるような人を探しています。向上心や学習意欲などは、長く仕事をしていくには重要な心構えの一つであるといえるでしょう。
最悪、スキルは後から身に付けることができます。
しかし性格や心構えなどの精神面を変えるのは、なかなか難しいです。
特に年齢が若い場合は、スキルよりも精神面を重視する傾向が多いように感じます。
実際に私の知り合いには、技術面では未熟であったものの、精神面を評価され採用に至った人がいます。
MOS資格の履歴書への正式な書き方
正式名称で書くことが基本です。
正式名称と言うのは(Microsoft Office Specialist)+(科目名)+(バージョン)+(レベル)です。
ただしスペシャリスト(一般)レベルの場合はレベル表記は不要です。
MOSと略すのが正式でないということではありませんが、より丁寧な表記を心がけたほうが印象が良いので、略さない英語やカタカナで書きましょう。
一目見てどんな資格か分かることも重要です。
私は見慣れている英語表記をお勧めします。
科目名(Excel,Wordなど)とバージョンも忘れずに書きましょう。
エキスパート(上級)レベルの場合はレベル表記も必要です。
以下に正式な書き方の例を挙げます。
スペシャリスト(一般)レベルの場合は、最後にレベル表記をせずに「合格」と記載します。
エキスパート(上級)レベルの場合は、最後に「Expert 取得」と記載します。
- MOS 2016 Word スペシャリスト(一般)レベルに合格の場合
⇒「Microsoft Office Specialist Word 2016 合格」 - MOS 2016 Excel エキスパート(上級)レベルに合格の場合
⇒「Microsoft Office Specialist Excel 2016 Expert 取得」
この資格は何?と面接で聞かれる可能性もあります。
受け答えができるように心構えをしておくことも大切です。
「Microsoft社が提供するExcelの技術を証明する資格です」などと答えればいいでしょう。
具体的にどのような作業ができるかも併せて言うと、面接官へのアピールに繋がります。
なお履歴書や職務経歴書をパソコンで作成する場合、それぞれの単語間のスペースの全角、半角は以下の通りです。
(全)は全角、(半)は半角の略です。
- Microsoft(半)Office(半)Specialist(全)Excel(半)2016(半)Expert(全)取得
「そんな細かいことまで気にしなくても」と思われるかもしれませんが、甲乙つけ難い応募者がいたら採用担当者は細部にわたり履歴書を点検します。
事務や経理のお仕事なら尚更細かい配慮が必要です。
こんなところでも「正確な作業ができます」とアピールすべきなのです。
なおMOS資格の取り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
古いMOS資格は履歴書に書くべきか
基本的には書いてよいです。
慎重に対策をするのであれば、下記の項目を観点に、書く・書かないを判断しましょう。
- 自分の年齢
- 希望職種
- 面接先の企業の規模
- 選考方法
- 求人倍率
- 取得している資格の数
どのバージョンが古いか
そもそも、古いMOSの定義は何でしょうか。
手っ取り早く言うのならば、主流のバージョン以外です。
現在は2016が主流で最新は2019です。しかしこれは、中小企業には当てはまりません。まだ古いバージョンを使っている企業もあるからです。
広義に解釈するならば、MOS資格が受験できるかどうかともいえるでしょう。
2019年12月現在、MOS資格が用意されているOfficeのバージョンは2010、2013、2016、365&2019です。この4点以外が、古いに該当するといえるでしょう。
例を挙げるのならば2003、2007などがあります。
MOSとか秘書検定とか色々資格持ってるけど、気づいたら資格取得から10年も経ってる💦
実務経験がほぼ無いから、全然使える自信無いわぁ…やっぱり一度、ビジネススクールとか通ってみないとかなぁ?
MOSは自力で勉強しても受かる気しないなぁ…😂— すみか@専業主婦ママ (@sumica_nya) December 27, 2019
10年前というと、私と同じ時期ですね。
2007からはメニューがリボンという形式になるなど、大きくデザインが変更されました。現在はリボンが当たり前になっていますが、当時は慣れるのに時間がかかりました。
それなりに苦労して取得したMOS Excel2007ですが、求職中の現在、履歴書に書いていません。理由を次から説明していきます。
私の場合:書かない
私がMOS資格を履歴書に書かない理由は、現在志望している職種が、事務員ではなくプログラマーだからです。
プログラマーは業界の都合上、知識をコンスタントに更新していくことが要求されます。その人物像と資格がマッチしないので、あえて書かないことで、不利になりそうな要素を取り払っています。
2つ目の理由に、Excelの知識は別の場所で示せるからです。私は情報科の高校出身ですので、学歴だけである程度のOfficeの知識があることが示せます。
書かない場合でも、必要に応じて口で言えばよいのです。
Officeの技能を求めている企業なら、Officeはどれくらい使える?と真っ先に聞いてきます。
例えば、先日行った面接では、フロントエンドエンジニアの求人でした。
私は履歴書に書きませんでしたが、マクロの技術があるかどうか問われたので、できます、古いですがMOSも持っています。と、口頭で答えました。
すると、MOSも持っているなら……と話が展開して、結果アピールにつなげることができました。
勿論、書いたほうが良いケースもあります。
はじめに述べたように、志望職種が事務員の場合は、古くても書くべきです。何故ならアップデートされたとしても、せいぜい配置が変わる程度で、主要の機能が削除されることは少ないからです。
資格が少ない場合も同様です。空欄が多いのは第一印象からもよくありません。
また、倍率が高い求人の場合は、書類選考で落とされる可能性があります。ライバルとの差別化を図るためにも、書いておいたほうがいい場合もあります。
むやみやたら書くのではなく、求められている人物像を意識したうえで、書く・書かないの判断をするのが最も適切だと私は考えます。
書くなら面接官へのアピール方法を工夫する
「うちで使っているOfficeは2016だけど大丈夫?」と聞かれるかもしれません。
その時は、こう答えてください。Excelを例にします。
「慣れるのに少し時間がかかるかもしれませんが、(Vlookup関数やフィルタ、ピボットテーブル)などを使える知識がありますので問題ありません。」
(括弧内は適当な機能名に変えてください。PPTだったら自動アニメーションなど。)
何を面接官に伝えるべきか。
それは、古いバージョンのMOSの知識があれば、新しいバージョンのOfficeでもある程度は使いこなせるという1点に尽きます。
- バージョンアップ時は配置などUIの変更が大きく、慣れるのに多少の時間が必要
- 新しい機能は新しく覚える必要があるが、旧機能が削除されることは少ない
MOS資格勉強中の場合履歴書に書くべきか
資格欄の一番下の行に書きます。検定日が分かる場合は併せて記述しましょう。
たとえ合格しなかったとしても、勉強している時点で、取得していない人より有利です。
もし資格欄に入らない場合は、自己PRに書いてもよいですよ。
その場合は、向上心があるなど、自分の強みと併せて書きましょう。
MOS資格の履歴書への書き方まとめ
MOSは必ずしも就職に有利であるとは言えません。何の資格でも言えることです。
面接先の企業がどういった人材を求めているかです。
単純にOfficeを使える人材を求めているのならばとても有効に働きます。
そうでなくても、勉強熱心な人材を求めていれば、評価するでしょう。
ケースバイケースとはいえ、書いて悪く働くことはそうそうありません。
資格欄に書く資格が他にない、少ない場合は勿論、倍率が高い求人の応募や、事務系の公募なら積極的に書くことをお勧めします。
希望通りの就職が決まるといいですね。お互いに頑張りましょう。
なお、MOSも含め履歴書については、転職エージェントを利用するとキャリアアドバイザーが添削をしてくれます。
転職エージェントについては、以下の記事をご覧になってください。