J.S.A.ソムリエ呼称資格認定試験
最後の関門は「3次試験(サービス実技)」です。
J.S.A.では試験の内容しか発表されないので、実際の雰囲気がわからず不安ですよね。
私が受験した時も、具体的な流れや雰囲気がわからずとても緊張しました。
「普段は販売しかしてないからサービスは自信無い…」
「実技の参考動画は見るけど、実際の雰囲気ってどんな感じ?」
「ちょっとでもミスしたら失格?!」
そんなあなたの不安を少しでも減らせるよう、ソムリエ試験に合格した私が3次試験の対策として、試験当日の流れと体験&失敗したことを振り返りながら、評価及び練習のポイントをお伝えします。
ぜひ私の失敗から学んでソムリエ3次試験に見事合格してくださいね!
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【ソムリエ3次試験対策】練習のポイント
まず3次試験を受けるにあたり、私が気をつけていた練習のポイントをお伝えします。
あなたの苦手を発見し、克服しましょう。
時間を計りながら練習する
3次試験では特に、時間を意識しながら練習することが大切です。
7分間という短い時間で道具を用意し、お客様とコミュニケーションをとりながらサービスを行う。
これは何度も繰り返し練習し、慣れないと流れるようにできません。
時間を意識することで、あなたの苦手な部分がわかります。
私の場合は抜栓に時間が掛かっていましたので、そこを重点的に練習しました。
ボトルに残すワインの量
私が苦戦したのは、デカンタージュしたときに、ボトルに3cmほどワインが残ってしまっていたことです。
これは残し過ぎです…。
3次試験では結局「ワインを開かせるため」と注ぎきってしまいました。
ですが本当に古いワインだったら、ワインを無駄にしないよう、澱のギリギリまで注がなければいけません。
「ボトル残り1cmの感覚」は、ひたすら沢山練習して掴みました。
イメージトレーニング
道具を使わず、頭のなかでサービスを行います。
実技練習で体に覚えさせることは大切ですが、頭で意味と手順をしっかり理解することも重要です。
それに、イメージトレーニングであれば「いつでもどこでも練習ができる」のでおすすめです。
ソムリエ3次試験で評価されるためのポイント
キャップシールがうまくとれなかったり、抜栓時にワインをこぼしたりと失敗はありましたが、私は3次試験に合格することができました!
ここでは3次試験に挑むあなたへ、サービス実技で評価されるためのポイントをお伝えします。
3次試験の採点には、2次試験の論述問題が加味されます。
論述問題の出来がよくなかった場合は、3次試験がよくできていても、合格の保証はありません。
大きなポイントは気配りと態度
3次試験ではデカンタージュの技術はもちろん、お客様への対応も評価されます。
- お客様への言葉遣い
- お客様への確認や心遣い
- 道具を大切に扱っているか
- ガチャガチャと音をたてていないか
上記のポイントはソムリエとして、サービスマンとして当たり前のことです。
一緒に試験を受けている方への配慮も忘れないように気を付けます。
試験を行うスペースは、隣の人との距離も近いです。
道具を広げすぎないように気を付けましょう。
すべての動作をおおげさに!
グラスのチェックや、注ぎ口を拭く動作など、普段サッと済ませる動作も丁寧に行いましょう。
J.S.A.の参考動画と同じ手順を踏み、試験官にあなたの動作がちゃんと見えるよう、おおげさにやることが大切です。
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ソムリエ3次試験への事前準備と当日の持ち物
必ず当日までにメモの用意や身だしなみのチェックをしましょう。
試験に着用していく制服は汚れていませんか?
準備のポイントは2つ
ソムリエ3次試験、事前準備のポイントは2つです。
サービス手順をまとめたメモを作る
3次試験の当日は、控え室に入ったら携帯は触れません。
私はサービスの手順や自分がやりやすい道具の配置図をメモして持って行きました。
メモは試験の必需品ではありませんが、おかげで待ち時間を有効活用できましたし、試験直前の復習にとても役立ちました!
試験で着用する制服はきれいに!
制服の洗濯・アイロンがけをします。
汚れが残っていませんか?
お店から持って帰ったときにくしゃくしゃになっていませんか?
身だしなみは基本です!
当日の持ち物
3次試験当日の持ち物は以下の5つです。
当日に慌てなくていいよう持ち物はできるだけ前日までに揃えておきましょう。
ソムリエ3次試験当日の持ち物
- 受験票
- 制服
- ソムリエナイフ
- リトー1枚
- サービス手順をまとめたメモ
準備のポイントでも前述いたしましたが、5つ目の「サービス手順をまとめたメモ」は必需品ではありません。
ですが、待ち時間にサービス手順を確認できるものがあると安心感が違いますよ!
制服がない?いつもの仕事着で大丈夫!
3次試験での服装は「普段仕事で着ている制服」という指定です。
しかしカジュアルダイニングや酒屋さんでは、ジーンズなどのカジュアルな服装で働いている場合もありますよね。
その場合は就業中のカジュアルな仕事着で大丈夫です。
実際私が行った3試験会場には、ジーンズの方もたくさんいらっしゃいました。
仕事着はいわば勝負服!あなたにとって普段通りの動きができる服がベストです。
カジュアルな服装のときは、ソムリエナイフとリトーが入るポケットが付いてるエプロンもあると良いですね。
ジーンズのおしりポケットからリトーを出すのは、気持ちのいいものではありません。
ソムリエ試験会場に着いてやることと控室での注意点
試験会場に着きました。
最初に掲示板を確認しに行きましょう。
試験会場に着いたらやること
3次試験会場に着いたら
- 掲示板を確認
- 更衣室で着替え
- 控え室へ移動
まず掲示板で試験の流れを確認します。
控え室と更衣室の場所も、掲示板に書いてあるので確認します。
更衣室で着替えてから、控え室に移動します。
CAさんや、かっこいい制服を着た人がいっぱい…。
着替えが終わったら控え室へ
3次試験控え室での注意点
- 座席表と注意書きをチェック
- 携帯電話の電源を切る
- 腕時計を外す
- 私語厳禁
控え室の前にも座席表と注意書きがあるのでチェックします。
携帯は電源オフ、私語も厳禁です。
腕時計は控え室に入った時点で外すことをおすすめします。
試験中は腕時計をしてはいけません。
順番によっては結構待ち時間があります。
そわそわしてしまうかもしれませんが、イメージトレーニングをして待ちましょう。
私もドキドキしながら控え室に入り、まだかまだかとそわそわしてました。
ここは落ち着くためにJ.S.A.から配布された注意書きを熟読。
私は作ってきた手書きのメモを見ながら、ひたすら試験の流れをイメージトレーニングしました。
いよいよソムリエ3次試験の会場へ
あなたの順番が来たら呼ばれますので、控え室から試験場へ移動します。
控え室には戻りませんので、荷物は全部持っていきましょう。
試験場の前で全員が揃うまで待機です。
試験場の雰囲気とセッティング
私が行った試験場では、コの字型にセットされたテーブルの後ろに、ワインや道具を載せたバックヤードテーブルがありました。
コの字型テーブルの前には試験官用のテーブルがあり、これらのセットが広い試験場にズラーっと並んでいました。
自分のブースに着くまでに、バックヤードのテーブルの上がどのような配置になっているか素早く確認します。
実技試験中に慌てなくていいように、まず何がどこにあるのかしっかりと把握すること!
試験は何人で受けるの?
私が3次試験を受けた時は、コの字型テーブルに受験生が6人。
1つのテーブルに2人ずつ配置され、6人同時に試験を行いました。
試験官は3人おり、試験官1人あたり2人の受験者がチェックされる体制です。
1人ずつ順番に受験番号と名前を言い、確認をします。
私は受験番号がうろ覚えで危うかったです…。
受験番号を覚えていなかった場合は、受験票を見ても大丈夫です。
【ソムリエ3次試験】当日の流れと私の失敗
いよいよアナウンスが入ります。
サービス実技の内容は「ワインの開栓およびデカンタージュ」です。
「お客様がシャトー○○、××年を注文されました。リンスの必要はありません」
「聞き取れなかった場合、挙手をしてテーブルの試験官に申し出てください」
上記のようにアナウンスを聞き逃した場合は、もう一度確認できるようになっていますので、安心してくださいね。
全員がサービス実技の課題を理解したところで、試験開始のアナウンスです。
「サービスを開始してください」
試験中はひとり芝居と思え!
試験開始です。
担当試験官(お客様役)に対して
「シャトー○○、××年ですね。ただいまご用意いたします」
と言い、バックヤードのテーブルに向かいます。
この発声から、同じグループの他の受験者と声がかぶります。
ですのでなるべく声は大きく!
話しかけた時、リアクションをとってくれる試験官と、そうでない試験官がいます。
ちなみに私の担当試験官は、幸いなことに優しく応えてくれるタイプの方でした。
「担当試験官がリアクションをくれない方で返事を待つべきか迷ってしまった」
という受験者がいましたが、そんな場合でも迷わずサービスを進めてください!
リアクションはもらえないものと思い、ひとり芝居でやりきりましょう。
サービスの準備
次に、サービスの準備をします。
ワインを取りに行く
バックヤードに向かい、ワインをそっとパニエに入れ、自分の立ち位置に戻ります。
エチケットを試験官に見せながら
「こちらシャトー○○、××年でございます」
と、オーダーしたワインであることを確認します。
「若いワインですので、ワインを開かせるためにデカンタージュしても宜しいですか?…ありがとうございます。ご準備いたします」
デカンタージュをしてよいか確認し、準備にはいります。
デカンタージュの準備
もう一度バックヤードに戻ります。
サービストレイを手に取り、道具を乗せます。
サービストレイに乗せる道具
- 紙ナプキン2枚
- 皿3枚(コルク用、ボトル用、デカンター用)
- グラス2脚(試験官用とテイスティング用)→汚れていないか確認
- ライト→ちゃんと点灯するか確認
立ち位置に戻り、下図のように道具を並べてデカンタージュのセットをします。
キャップシールを取る
キャップシールを取る手順は以下の通りです。
キャップシールを取る手順
- ボトルをパニエに入れたまま抜栓する
キャップシールを切ったら、ポケットに入れるか綺麗にまとめて、お客様から見えにくい所に置きます。 - 瓶口を紙ナプキンで拭く
瓶口を拭いた紙ナプキンは畳んで手前に置きます。
ここでの私の失敗は、新しく使い慣れないソムリエナイフで試験に挑んでしまったことです。
何度も何度も切れ込みを入れたため、キャップシールは細かく千切れ、無惨な姿に…。
バラバラになってしまったキャップシールは、綺麗にまとめてポケットへ隠しました。
3次試験本番には、必ず使い慣れた道具を持っていきましょう。
抜栓
スクリューがコルクを突き抜けないように、気をつけてワインを開けます。
私の時は最後にコルクが勢い良く抜けてしまい、ワインがこぼれました。
結構こぼれてしまって焦りましたが、紙ナプキンをかけてシミを隠しました…。
コルクを抜いたらコルクのにおいを嗅ぎ、
「コルクは大変良い状態です」
と伝えて皿(1枚目)の上に置き、試験官寄りに置きます。
コルクを抜いたあとの瓶口も、もう1枚の紙ナプキンで拭きます。
テイスティング
「お味見をしても宜しいでしょうか」
と試験官(お客様役)に確認をします。
ボトルをパニエに入れたまま、テイスティング用のグラスに一口軽く含む量を注ぎます。
後ろを向いて香りを確認し、全部飲み切るようにテイスティングしたら
「ワインは大変すばらしい状態です」
と伝えます。
デカンタージュ
ライトを手元に置き、電源をつけます。
パニエからボトルをそっと出し、ライトにボトルを透かしながらデカンタージュします。
「ワインを開かせるため」のデカンタージュなので、ワインを残さず注ぎ切ります。
デカンタージュの理由をあらかじめ「澱があるため」と伝えていた場合は、ボトルを立てた時にワインの残りが1cmになるように注ぎます。
たくさん残ると「お客様のワインを無駄にしている」と捉えられてしまいます。
ボトルは皿(2枚目)の上に置き、ラベルが試験官に見えるように置きます。
デカンタージュを終えたら、ライトを消します。
ホストテイスティング
試験官に近い所にグラスをセットし、ワインを自分の量より少し多く注ぎ
「お味見をお願い致します」
とホストテイスティングをお願いします。
ワインを注ぐ時は片手にリトーを持ち、ワインが垂れないように気をつけましょう。
テイスティングをお願いしても、もちろん試験官は飲みませんので、返答をもらったものとして続けます。
「ありがとうございます」
と言い、試験官のグラスに適量まで注ぎ足します。
注ぎ終わったらデカンターを皿(3枚目)の上に置き、
「ごゆっくりどうぞ」
と一礼します。
片付け
サービストレイを持ち、パニエ、ライト、紙ナプキン、テイスティングしたグラスをのせます。
最後にコルクをのせた皿もトレイにのせますが、この時に
「コルクをおさげします」
と断ります。
道具をバックヤードの元の場所に戻したら、立ち位置に戻り
「終了しました」
と宣言します。
デカンタージュの理由はどうする?
J.S.A.の参考動画では「澱がある」という理由でデカンタージュしています。
ですが指定されたヴィンテージが若い、または澱が出ないと思うワインだったらどうしますか?
例えば私が受けた年、私の周りでは、デカンタージュの理由を「澱がある」とした人も「ワインを開かせる」とした人も合格していました。
また、受験後のみ見られる採点表にも、デカンタージュの理由に関する項目はありませんでした。
このことから、デカンタージュの理由が合否に大きく影響することはないと考えられます。
デカンタージュの理由よりも、むしろワインを残しすぎることが減点の対象となっています。
なので、デカンタージュの際はボトルにワインを残しすぎないことを重点的に練習することをおすすめします。
もちろんあなたが受験する年に、J.S.A.からデカンタージュの理由に指定があった場合は、そちらに従いましょう。
サービス実技はマイペースでやりきる!
同じグループの複数名で試験を受けていると、中には結構早く終わる受験者もいます。
それを見ると、焦るんですよね。
私は抜栓で時間がかかったので、尚更でした…。
それでも焦らず、自分のペースでやりきることが大事です。
人のやり方も気になりますが、時間制限がある以上、集中するのみです。
無事にソムリエの3次試験が終了したら
全員の試験が終わったら、アナウンスが入ります。
その後は試験官の指示に従い、デカンターのワインをボトルに戻します。
紙袋も用意してくださっているので、それにボトルを入れて持って帰ります。
試験官に挨拶をして、準備ができた人から退出します。
着替えが必要な人は、更衣室へ。
このまま3次試験は自由解散となります。
ソムリエ3次試験の対策まとめ
ソムリエ3次試験の進行は、イメージできたでしょうか?
普段販売中心に働いている人や、ワインをサーブする機会の少ない人は、この記事を読んでしっかりイメージしてくださいね。
それでは最後に、ソムリエ3次試験の対策や当日の流れと評価・練習のポイントをまとめます。
【試験対策】練習のポイント
- 制限時間7分を常に意識
- デカンタージュ後のボトル残量に注意
- おすすめはイメージトレーニング
評価されるポイント
- お客様への言葉遣いや態度
- 同席した受験者への配慮
- サービスの動作は普段より大きく
- J.S.A.の参考動画通りの動作をマスター
- 道具を大切に扱う
当日までの準備
- サービス手順をまとめた復習メモを作る
- 制服をきれいに整えておく
- 制服がない場合はいつもの仕事着でOK
3次試験場での流れ
- 受験番号と名前を言う
- サービスの開始
- ワインのプレゼンテーション
- キャップシールを取りコルクを抜く
- 自分がテイスティング
- デカンタージュ
- ホストテイスティング
- 適量のサービス
- 片付け
2次試験が終わった後でサービス実技の練習に取り組んでも、決して遅くはありません!
ソムリエ試験に合格することができれば、資格手当ても付きますし、バッジもつけられます。
なにより試験を乗り切ったという達成感と自信は、何にも代えがたい人生経験となります!
ソムリエ資格獲得まで、あと一息です。
あなたもぜひ私と一緒に、喜びの祝杯をあげましょう!
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