子供が大好きだから楽しく仕事をする。
その希望を叶えてくれる職業の一つが子供英会話講師。
机に座って教える塾と、ワイワイ遊びながら教える塾の2タイプが主流です。
私が勤めたのは、床に座ってゲームをしながら英会話を教える塾。
私自身も毎日楽しく仕事が出来ました。
ところで「英会話講師として働きたいけれど、子供対象の英会話講師って大変なんじゃない?」
あなたはそんな疑問を持っているんじゃないでしょうか。
今回は10数年、子供英会話講師を勤めた私が「子供英会話講師がなぜ大変なのか」その理由を5つご紹介します。
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子供英会話講師が大変な理由5選
塾にって、入塾してくる子供たちの年齢はさまざまです。
0歳〇ヶ月~という塾もあれば、就学児童からという塾も。
私が勤めた塾は幼稚園児から中学生を主に対象としていました。
1レッスン50分で、一日4時間から6時間レッスン。
生徒は1限ごとに入れ替わりますから、教える内容も方法も変わります。
では、子供英会話講師がなぜ大変なのか、その理由をこれから5つご紹介します。
レッスン準備
私がいた塾では、年齢ごとにクラスが分かれていました。
幼稚園年少クラス、年長クラス、小学校低学年クラスといった感じです。
クラスに合わせて、リスニングに使う教科書もあります。
何の単語や会話を教えるかは、その教科書に合わせて必然的に決まります。
年少クラスであれば、教科書に合わせて色、果物、フルーツと1月ごとに単語と文章が決まります。
大変なのは、ここから!レッスンプラン準備です。
“ゲームをしながら楽しく学べる”とうたっている以上、楽しくするのが鉄則。
そのために50分を分単位で区切り、レッスンの流れ(計画表)を作ります。
- 0分~10分 Warming up
- 10分~15分 Greeting & Attendance
- 15分~30分 New Words
- 30分~35分 Listening (textbook)
- 35分~45分 Review
- 45分~50分 Farewell
この骨組みを作ったら、それをどう教えるか、1つ1つ事細かに練り上げます。
例えば… Review
- T:What’s this? (カードを見せながら)
- S:It’s a rabbit/hippo/lion/tiger/zebra/snake/monkey/bear… (T:カードをめくってく)
- T:OK, now let’s play game using these words. (フルーツバスケット)
- Oni:It’s a lion.
子供の足元に動物カードを置き、立ってもらう。
最初は先生が鬼(Oni)で、生徒が全員で”what’s this?”と聞く
lionのカードの前にいる子は場所を変わる。
先生と生徒のセリフ全て、使うゲーム、教える単語と会話文を事細かに書きます。
新人の頃は、クラスごとに1か月プランを作るので、この作業だけで一大事。
レッスンに使うカードや小道具も作ります。
流行りのキャラクターを使うと、子供の注意を抜群にひきつけます。
かごめかごめ、だるまさんがころんだなど、ゲームも研究しました。
助かったのは、先生ごとに教えている教科書のチャプターが違ったので、貸し借りできたことです。
年齢があがり、中学生対象のクラスになると、宿題の質問も。
文法も説明できるように知っている必要がありました。
初めは大変だった準備ですが、慣れると数日で書けます。
工作も得意になり、他の先生が真似ることも。
生徒の「先生、また来るで!」が、励みになります。
楽しい行事の裏側
行事と言えば、イースター、ハロウィン、クリスマス…
英会話を教えているのですから、季節の行事にも触れます。
行事の大変さは、普段のレッスンとはまた違います。
デコレーション
行事ごとに教室の飾りを変えます。
雰囲気が変われば、気分も変わる。
教室に踏み込んだだけで、別世界になるように所狭しと飾り付けます。
今は、パソコンで出して専用の機械でラミネートして。
昔は、写し絵して、梱包の透明テープで手動ラミネート。
行事では、クラス写真も撮るので、写真の注文と焼き増しにも苦労しました。
卵に、仮装に、プレゼント
メインイベント、3大行事です。
- ゆで卵を生徒に持ってきてもらい、オシャレに変身させます
- 食紅やろうそくを使って卵に絵をかいたり、模様をつけたり
- 予備のゆで卵と毎レッスンで使う食紅水を作りました
大変なのは、レッスンの後。
食紅水に卵をつけて色を付けるので、辺り一面水浸し…
色も赤のあとに、青につけてと混ざりあい、翌日作り直しでした。
- 生徒に「仮装してきてね」とお願いしている以上、私も仮装します
- 私が講師をしていた頃は、今のようにハロウィンが浸透していませんでした
- 仮装の衣装も、100均でなんとかなる時代ではなかった…
生徒の中には、親が工作や裁縫で作ってくれるところも。
つまり、先生は手抜きができない。
幼稚園児、魔女等々、裁縫して、先生同士の衣装交換は必須です。
- お父さん、お母さん宛にクリスマスカードを作りました
- 小学校中学年のクラス以上では、ラップランドのサンタクロースに手紙も送ってみました
住所を調べて、切手の額を確認して、返事が来なかった子のは、こっそり翌年出し直しました。
プレゼント交換もするので、クラスごとに忘れた子用の予備プレゼントも準備します。
いつものレッスンとは違う一面が見られて、私が一番楽しんでいたかもしれません。
子どもを飽きさせない授業
子供は素直です。
時として、その素直さが無言の圧となり、この仕事の大変さを実感します。
あなたも学生時代に経験がありませんか?
- 好きな先生、面白い先生の話は聞く
- 嫌いな先生、つまらない先生の話は寝る
ある程度大きくなると、やらなければならないと分かるので、嫌いでも勉強します。
でも小さな子は違います。
しかも塾は義務教育では、ありません。
子供は親に”つまらない”、”行きたくない”といった時点で辞めます。
月曜日のクラスでウケたゲームが水曜日のクラスでウケるとは、限らないのです。
同じ単語や会話を教えるでもクラスごとの雰囲気で、教え方(ゲーム)を変える必要があります。
それは、年齢があがっても同じです。
かごめかごめを幼稚園クラスでやっても、小学校高学年クラスからは、、冷めた同情の目。
トランプやウノ、ボードゲームなどを中心としたものに変える必要があります。
教え方も変わります。
例えばアルファベットの”a”
真面目なクラスではきちんと説明します。
- 上から数字のゼロを書いて
- まっすぐ線を下におろす
いつも騒がしいクラスでは
♫マルをかいたら、髪の毛チョロ♫ と歌いながら教えました。
1人1人子供は違いますが、クラス毎でも違います。
どんな教え方が適しているのかをきちんと判断するのが、大変なところです。
保護者との付き合い
率直に言って、保護者との付き合いは一番大変でした。
私は、毎回話す保護者を事前に決めていました。
もちろん、レッスンに関することで、話をしないといけない親もいます。
でも違うときは、順番をつけて話をするようにしていました。
世間話をすることもありましたが、一番大変なのは、保護者の愚痴を聞くことでした。
6,7割が学校や幼稚園の担任の先生への不満で、残りは自分の子供の様子をとにかく知りたい。
でもそれを伝えるには、レッスンをしながら生徒をちゃんと見る必要があります。
どの保護者から様子を聞かれてもいいように、教えるだけではなく、見ることも大切です。
ケンカをしたり、叱った生徒の保護者とは、必ずその日のうちに話します。
その場で話すことで、後々困ったことにはなりません。
体調管理
当時の私は、食欲旺盛。
「机に座ってレッスンしないから、体力勝負の仕事だよね。」
「でも常に動いてるからダイエットになるじゃん」
子供英会話講師の時に、友達と食事中、サラっと言われたことです。
違うから!
何でも食べていたのは、体調管理のため。
子供相手の仕事で、しかも塾。
学校との違いは、お金を払って通わせているので、多少の風邪では休まない生徒たち。
保護者も学校は休ませても、塾には連れてきます。
もちろん、学校と同じで水疱瘡、インフルエンザなどの場合は、お休みを約束としています。
でも来るんです!来たんです!
同僚の中には、水疱瘡やおたふくになった人も。
私も予防接種をしてもインフルエンザにかかっていました。
犯人はすぐわかりました。
帰り際、保護者がそっと耳打ちするんです。
“先生、うがい手洗いしてね。うちの子インフルエンザ。でも行くって言うから。”
子供相手の仕事は、いつ・どこで・何にかかるか、わかりません。
体調管理も大変です。
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子供英会話講師に向いてる人とは?
私が研修初日に言われたことは、「バカ」になりなさい。
耳を疑いますよね。
教える仕事を選んだのに、バカになれと??
今思えば、教え方や子供との接し方に固定概念を持つなということだと思います。
先生だからこそ、質問に答えられるように物知りでなければ、なりません。
でも先生だからこそ分からない時は、きちんと次回までに勉強してくるねと言えるように。
先生だからこそ、生徒から尊敬される存在を目指さなければいけません。
でも先生だからこそ、生徒の目線になって一緒に楽しむことも必要です。
子供にもきちんと人格があります。
こうでなくては、ならない!と思い込むのではなく、違う角度で物事を見れることが大切だと思います。
固定概念を持たずにいろんな価値観を大切にできる人こそがこの仕事に向いていると言えます。
あなたがそんな人なら、子供英会話講師の大変な仕事もこなしていけるでしょう。
子供英会話講師が大変な理由まとめ
子供と楽しんでいるだけに見られがちな職業ですが、裏ではいろいろ大変なんです。
常に試行錯誤です。
新人のうちは特に、大変さが身に染みるでしょう。
生徒の名前も性格も覚えないといけないですし。
私が勤務した塾は、教える教室の配置換えが基本ありませんでした。
おかげで、生徒の成長を見ることができました。
以下の箇条書きは、前半に子供英会話教講師の大変さ、後半はそれを前向きにとらえる考え方を記載しています。
- レッスンの準備は、子供を楽しませるため
- 行事は、世界のことも体験してもらうため
- 飽きさせない授業は、知識の引き出しを増やすため
- 保護者との付き合いは、あなたの成長のため
- 体調管理は、仕事を楽しむため
中には、保護者とうまく付き合えなくて、辞めると言い出す先生もいました。
そんな時は、担当教室の異動やトレーナーの先生がしばらくレッスンに来てくれました。
私もトレーナー時代は、保護者とうまくいかない新人先生のフォローに行きました。
大変ですが、子供と接するのが楽しくて、あっという間に10年以上経っていました。
なお、英会話講師が持っておきたい資格について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください☟