おいしい料理を作り、お客様に笑顔と感動をもたらす調理師。
そんな調理師に憧れ、なりたいとあなたも思っているのではないでしょうか。
しかし、どうすればそのような理想の調理師になることができるのか。
今回の記事では、元調理師として働いていた私が、これから調理師を目指すあなたへ以下の内容を伝授します。
- 調理師として大切なこと
- 調理師になる上での心構えと覚悟
また調理師になる適性など、役立つ情報も交えてお話ししますので是非参考にされてください。
調理師として大切なこと3選
調理師になるには調理師免許の取得が必要になります。
それはなぜかと言いますと、調理師という資格は名称独占資格と言って、調理師免許を持たない者が「私は調理師です」と名乗ることが出来ないからです。
調理師と呼ばれる人は、みな例外なく調理師免許を所持しています。
調理師免許を所持していない人のことを調理師とは呼ばずに調理人と呼びます。
形式的なことは上記の通りですが、このパートでは、調理師になるにはどんな心構えが必要かについて解説します。
なお、下記の記事では調理師免許の取り方を詳しく解説していますので、合わせてお読みください。
求められる調理師になるには「ホウレンソウ」を徹底する
調理師業界だけでなく、どこの世界でも共通して言える大事なことを挙げます。
- あいさつをきちんとする
- 仕事の報告・連絡・相談、俗にいう「ホウレンソウ」ができる
まず、あいさつですが飲食業界では仕事上いろんな人と接します。
なかには、知らない人もいます。
例えば、仕入れ先の業者の方に「お疲れさまです」と言ったり、お店に来て下さったお客様には「いらっしゃいませ」や「ありがとうございます」などなど。
きちんと大きな声で言うことが大事です。
これが出来ないとどこの世界でも通用しませんし、特に飲食業界ではやっていくのが難しいでしょう。
次に、社会人なら一度は耳にしたことがある基本「報・連・相」です。
与えられている仕事が終われば、その都度報告すること。
これを怠ってはいけません。
特に、悪い報告ほど早めに言ってシェフや先輩などに相談しましょう。
早めに相談してくれれば、シェフも対策が練りやすくなります。
この「報・連・相」の徹底はどこの職場でも叫ばれています。
一見、当たり前の動作のようにも見えますが、それだけ重要な事であるのと同時に、できる人材が少ないのです。
逆に言えば、この「報・連・相」が的確にできれば、あなたの職場において一目置かれることでしょう。
調理見習い期に必要な心構え
- シェフや先輩に言われたことを確実にこなす
- 料理の研究努力を惜しまずにやり続ける
調理師見習いが見習いを卒業するために必要なことは、シェフや先輩たちに自分の実力を認められることです。
では、自分の実力を認めさせるにはどうしたらよいでしょう。
まず、最低限必要なことは、言われたことができることです。
しかし、調理師の作業はただ早くこなせばいいというものではありません。
実際に私がシェフに言われた言葉があります。
最初は遅くてもいいから、作業は丁寧に、そして確実にやりなさい
裏を返すとこの言葉は、作業スピードが速くても不正確さが残るようであれば意味がないということになります。
仕事の作業スピードは、毎日こなして慣れていくことによって、後からおのずとついてくるものです。
まずは、初心者であればあるほど、ゆっくりでもいいから正確に作業をこなすように心がけましょう。
そうして、ひとつひとつ正確に作業をこなしていき、実力が認められると、新しい作業が与えられるようになるのです。
仕事は、このひとつひとつの積み重ねが重要です。
いきなり料理を作らせてはくれない職場がほとんどですが、腐らずに今できることをひとつひとつ確実にこなしていきましょう。
料理の研究努力をする
そして、もう一つ料理の勉強も大事です。
休みの日に家で新しい料理を作るのもいいですが、せっかくの調理師なので職場を利用しない手はありません。
職場で作るまかないです。
まかないでどんどん新しいレシピに挑戦すれば、費用もかかりません。
毎日ひとつでも料理のレパートリーを増やして、アレンジなど工夫を凝らせば、シェフや先輩もあなたの料理の腕を認めてくれるようになる日が来るはずです。
また、休みの日を使って、他店の料理の味を研究するなどしましょう。
今、巷ではどんな料理が流行しているのか、そのお店のオリジナルの料理は何かなど調べることはとても自分の料理の腕を上げることにためになるでしょう。
調理師になるのに持つべき覚悟と夢
学生を卒業して調理師を目指す、あるいはサラリーマンなど異業種から調理師に転職しようと目指す、経緯は様々かと思います。
ここでは調理師になる上で持つべき覚悟と夢を解説します。
調理師の仕事はきつい
調理師の仕事は労働時間も長く、低給料で仕事自体もとてもきついことを覚悟してください。
ハンパな気持ちで調理師を目指しても途中で辞めてしまうのがオチです。
ですから、しっかりとしたビジョンを持って、頑張れると言える人だけが目指すべきなのです。
詳しくは下記の記事で解説していますのでご覧ください。
今までのキャリアは使えない
あなたが異業種から転職して調理師を目指すときに覚悟すべきことは、今までのキャリアはほとんど役に立たないということです。
前職が食品会社関係などに勤めていた人などは例外ですが、ほとんどの人が料理とは無関係の会社に勤めている人たちであると思います。
もう一度ゼロからスタートすることはできますが、今まで積み重ねてきたキャリアを棒に振ることにもなりかねないのです。
再度、自分の今の気持ちと向き合い、本当に調理師を目指すのか冷静に判断しましょう。
そして、転職から調理師を目指すあなたへもう一点注意事項があります。
それは、自分のプライドを捨てることができるかということです。
一度調理場へ入れば、そこは年齢は関係ありません。
例え、自分よりも年下でも先に働いていればその人が先輩にあたります。
年下の人間に命令され、毎日大量の仕込み作業をこなさなければならないのです。
そのことに、自分は本当に耐えられるのか、実際には思っているよりもきついことなので真剣に検討してみてください。
夢を持とう
せっかく調理師として働こうと意思が固まったのであれば目標を立ててください。
将来独立して自分のお店を持つ夢を追いかけても良いですし、シェフ(料理長)になってお店を自由に作っていくことでも良いです。
何でもいいので、自分の夢を持つことが大事になります。
というのも、調理師業界は、他の業界に比べても離職率がとても高いからです。
毎日職場との往復の繰り返しで嫌になったり、シェフや先輩たちにガミガミ言われ続けて耐えられなくなったりと挫折していく理由もいろいろですが、やめていく人が多いのです。
そうならないように、自分の明確な目標を立てて毎日を過ごすことが重要です。
1年後にはどうしていて、3年後にはこうなっているなど、具体的な目標があると苦しくてもすぐに辞めずに続けていくことができるでしょう。
調理師になるのに向いている人
どんな仕事にも適性があるように調理師にも向き不向きがあります。
では、調理師になるのに向いている人はどんな人でしょうか。
調理師に適性がある人
第一に、料理が好きであることが挙げられます。
日頃から趣味で食べ歩きに行ったり、家でも料理を作る人が最もふさわしい人と言えます。
逆に、料理が好きな気持ちが弱い人だと、悪条件下にさらされた時に耐えきれなくてすぐに辞めてしまう恐れが強いでしょう。
料理が好きだからこそ、嫌なことがあっても我慢して頑張れるものなのです。
- 味覚がしっかりしている
- 体力がある
- 手先が器用
- 向上心がある
調理師に適性がない人
調理師の適性の一つに「向上心がある」ことをあげました。
確かに言われたことをしっかりやることは大事なことです。
しかし、言われたことだけやるようでは調理師としての成長が見込めません。
言われた最低限の仕事をこなし、それに加えて自分で今必要なことを考えて判断し、自らの技術面の改善を図ったり、料理の研究をしたりすることが必要になります。
よって、時間内でやることだけやって、さっさと帰宅してしまうような向上心のない人だと、いつまでたっても調理師としての成長はできないのです。
- 時間を守らない
- 性格がおおざっぱな人
- 打たれ弱い性格な人
- 待遇面でこだわりがある人
「調理師として大切なこと」まとめ
ここまで、調理師になるにはどうしたらよいのか、あなたが持つべき心構えと覚悟、調理師の適性を解説してきました。
以下、記事をまとめましたのでご覧ください。
- 調理師になるにはどうすればよいのか
- 調理師になるのに注意すること
- 調理師に向いている人
調理師免許を取得すること、そして毎日向上心を持って仕事をすることが良い調理師に慣れる近道である
調理師の仕事はきつく、今までのキャリアは役に立たない
料理好きであることが前提条件、向上心がないと苦労することに
調理師になるには調理師免許が必要であること、そして求められる調理師になるための心構えや、見事調理師になってから必要なことを中心に述べてきました。
調理師になることは確かに素晴らしいことですが、せっかく苦労してなった調理師を2、3年で辞めてしまってはもったいありません。
あくまでも、調理師になってからが本当のスタートです。
夢や目標を掲げ、自分を見失わず、一日一日を大切に成長して仕事をするんだという気持ちがあれば、大丈夫でしょう。
なお、調理師の転職活動について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞ合わせてご覧になってください☟