インターネット上にはいくつもの転職サイトが存在していますが、それぞれの転職サイトによってサポートする内容が異なるということをご存知でしょうか。
例えば、「リクナビネクスト」と「リクルートエージェント」です。
両者の違いは一見分かりにくいため、よく混同されたりSNS上で話題になったりすることもあります。
リクナビネクストとリクルートエージェントってどういう関係にあるんだろうか。
— ひろせ30 (@hirose30) April 4, 2010
本記事では両者の求人数とサービス内容の違いや、それぞれにおすすめの人について解説します。
それぞれの詳細は公式サイトも合わせてご覧ください。
リクナビネクスト 公式サイト:
https://next.rikunabi.com/
リクルートエージェント 公式サイト:
https://www.r-agent.com/
リクナビネクストとリクルートエージェントの違い
リクナビネクストとリクルートエージェントの最も大きな違いは、サービス内容です。
リクナビネクストは「転職サイト」であるのに対し、リクルートエージェントは「転職エージェント」です。
「転職サイト」と「転職エージェント」は同じリクルートキャリアによって運営されているものの、実際に利用してみると、そのサービスの違いにとても驚いたのを覚えています。
では両者にはどんな違いがあるかを、紹介していきますね。
サービス内容
リクナビネクストは「転職サイト」です。
サイト内に掲載されている気になった求人情報をチェックしたり、実際に応募して面接の日程調整などを進めたりというように利用していました。
好きな求人情報をお気に入りに登録しておくと、情報が更新されたり似た条件の求人情報を知らせてくれたりするのでとても便利です。
一方リクルートエージェントは「転職エージェント」です。
転職活動の専門家が利用者の希望に沿った求人情報を集めたり、応募時に必要な書類や面接の日程を調整したりして、転職活動を全面的にサポートしてくれました。
履歴書や職務経歴書などの添削も頼めるので、文章の書き方が心配な人にとっては心強いでしょう。
同じ運営会社同士で情報を共有し合っているのか、リクナビネクストに登録して数日経過すると、エージェントであるキャリアアドバイザーからリクルートエージェントへ登録を勧めるメールが届いたり電話がかかってきたときはびっくりしました。
リクナビネクスト | リクルートエージェント | |
---|---|---|
始めやすさ | 自分のペースで活動できる | キャリアアドバイザーとこまめに連絡を取り合う必要がある |
求人数 | 約4万件(2020年6月現在)、他サイトに載っていない限定公開求人が多数 | 非公開求人が約20万件(2020年6月現在)と他サイトに比べ圧倒的に多い |
企業との調整 | 応募・面接日時・条件交渉などはすべて自分で調整 | 応募・面接日時・条件交渉などはすべてキャリアアドバイザーが調整 |
サポート | 転職成功ノウハウなどの情報を多数掲載しているが、その情報は自分で探してチェックする | 履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策など転職を有利に進めるためのアドバイスをもらえる |
転職成功率 | 転職サイト経由での応募者の人数は膨大であり、成功率は低い | キャリアアドバイザーが面接対策に加え企業へ推薦してくれることがあり、成功率は高い |
求人情報
リクナビネクストとリクルートエージェントは、保有する求人数にも違いがあります。
公式サイトによると、リクナビネクストは2020年8月現在で4万件の多様な職種・業種・勤務地の求人情報を有しています。
それだけでなく、新しい求人情報が毎週1,000件以上更新されています。
(出典:リクナビネクスト公式ページ)
また、企業から直接スカウトやオファーが届くサービスもあります。
このようなことから、新しい求人情報を常にチェックし続けるために、転職者全体の80%以上はリクナビネクストに登録しているそうです。
私もマイナビ転職と合わせて定期的にチェックしていました。
一方のリクルートエージェントは、公式サイトによると2020年8月現在の求人数はリクナビネクストの4万件をさらに上回る20万件以上とされています。
(出典:リクルートエージェント公式ページ)
利用していた時は、転職活動の専門家であるキャリアアドバイザーが多種多様な求人情報の中から、希望に合った求人情報を積極的に集めて紹介してくれました。
意外な企業の求人情報を紹介してくれるので、キャリアアドバイザーとはなるべくこまめに連絡を取るようにしていました。
非公開求人・限定求人
リクルートエージェントは、非公開求人と呼ばれる多くの求人情報をもっています。
非公開求人とは、急な採用や表に出したくない新規事業を始めるというような企業側の都合で、社名や求人内容を一般的な転職サイト上に掲載しない求人情報。
広く周知すると応募が殺到する、ライバル企業に悟られずに質の良い社員を確保したいなどの理由から、好条件の内容が多いのが特徴。
それに対しリクナビネクストは、「限定求人」が多いのが特徴です。
限定求人とは、リクナビネクストにしか公開されていない求人を指し、求人情報の全体の85%を占めている。
大手の転職サイトであるリクナビネクストに求人情報を掲載することで、多くの転職者の目に留まると考える企業の多さが求人数に表れている。
他の転職サイトと比較するとよく分かるのですが、リクナビネクストには掲載されていても、別のサイトには載っていない求人情報というパターンは確かに多かったです。
リクナビネクストとリクルートエージェントのどっちを利用すべき?
転職サイトであるリクナビネクストと転職エージェントであるリクルートエージェントは、サービスの方向性が違うため人によっては向き不向きが分かれる傾向にあります。
あなたはどちらの利用が向いているのか、条件をもとに紹介していきますね。
リクナビネクストがおすすめの人
以下のような条件に当てはまる人は、リクナビネクストの利用をおすすめします。
- 自分のペースで転職活動を進めたい人
- とりあえず転職活動に関する情報収集をしたい人
- 時間をかけてもよいので求人の条件にこだわりたい人
転職活動を経験していて要領が分かっている人や、主業務と両立させながら情報収集を進めていきたい人なども向いています。
求人情報だけでなく転職活動にまつわるコラムも充実していますので、隙間時間に読むことで効率よく転職活動を進めることができました。
情報収集として利用するだけでも便利ですので、転職活動を始める際はとりあえず新規登録をしておくと良いでしょう。
リクナビネクストは転職にまつわる多くの情報を公開しているものの、活用できるかどうかは自分の行動力次第です。登録者数が多い分ライバルも多いので、転職活動を進めるためには積極的に行動することが必要です。
リクルートエージェントがおすすめの人
以下のような条件に当てはまる場合は、リクルートエージェントの利用がおすすめです。
- 自分のキャリア設計に不安がある人
- 一人で転職活動を進めていくのが不安な人
- 手っ取り早く転職活動を終わらせたい人
- 非公開求人を紹介してほしい人
- 転職活動のためにまとまった時間を割くことができない人
リクルートエージェントでは、転職の専門家であるキャリアアドバイザーがキャリア設計や希望に合う求人情報の紹介、履歴書・職務経歴書の添削など様々な場面であなたの転職活動をサポートしてくれます。
私が転職活動を始めたばかりの頃は、どのような書類が必要か・どのように履歴書や職務経歴書を書いたらよいのかといった不安が多かったことを覚えています。
そのような不安をキャリアアドバイザーに相談しながら一つずつ解決していくことで、書類選考や面接に臨むことができました。
職歴のブランクをできるだけ減らしたい人や、早く次の職を得て収入を確保したい人にもおすすめです。
リクナビネクストの場合は登録している転職者数が多いため、とにかくライバルが多く選考を通る確率はかなり低いです。
しかし、リクルートエージェントでは転職を終えたい希望時期を伝えておくことで、それに合う求人を紹介してくれたり選考にかかる日程を計算してスケジュールを立てたりしてくれます。
一般公募の求人に比べて、ライバルの少ない非公開求人を紹介してほしい場合もおすすめです。
ただし、非公開求人は企業の条件と転職者の条件(特に職歴)がマッチしているときに紹介してもらえることが多いようです。
リクルートエージェントに登録したら、非公開求人が期待以上に出てきて、面接にこぎつけなくても、今まで知らなかった会社に出会えたり、名の知れた企業の人事労務課題が求人票から読み取れてとても興味深い。
— 労務のおしごと (@sr_saeko) May 25, 2018
希望日時や条件をあらかじめ伝えておくことで、あらゆる企業との調整を一手に引き受けてくれるため、企業とのやり取りに時間を割く必要が無いことも、大きなメリットです。
平日は夜遅くまで主業務に追われており、転職活動に割く時間がほとんど無かった当時の私にとってはありがたいサポートでした。
キャリアアドバイザーが自分の希望の求人情報を紹介してくれない・書類の添削内容に不満があるなど、キャリアアドバイザーとの相性が問題になることがあります。
また面接の希望日時の調整をはじめ、様々な場面でキャリアアドバイザーとのやり取りが多くなりますので、連絡をまめに取る必要があります。
なお、リクルートエージェントの評判について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさって下さい。
実際に利用してわかった両者の違い
実際に両サービスを利用してみて、「自分のペースで活動する」か「キャリアアドバイザーと活動するか」という点は大切だったと感じます。
転職活動の根幹の部分になりますので、合わない場合はそれなりのストレスを抱えながら転職活動をすることになります。
リクナビネクストを使用していた際は、もともと行動派でマイペースな性格であることに加え、企業と直接コミュニケーションを取ることで企業の雰囲気を感じ取りたいと考えていた私にとって、「必要な時に欲しい情報が手に入る」という便利さは魅力的でした。
またコラムが充実しているので、履歴書や職務経歴書の書き方や面接の服装・回答例など転職に役立つ情報はきちんとゲットできます。
何より自分のペースで転職活動を進められるという部分が、私には合っていました。
リクルートエージェントは、転職者がアクションを起こさなくてもキャリアアドバイザーが日程調整や企業紹介などある程度のサポートをしてくれます。
また、当時は多様な業種に応募していたため様々な職務経歴書を用意しなければならず、
「この業種の場合は○○をアピールしたほうが良い」「経歴を裏付けたり人柄を伝わりやすくしたりするためには、このように表現すると説得力が出る」というように、専門家ならではの視点で書類選考を有利に進めるための具体的なアドバイスをもらうことができたのはありがたかったです。
ただしリクルートエージェントで応募を増やすと、「〇月〇日までに返事を下さい。」というような電話やメールの催促が頻繁に来るようになります。
自分のスケジュールをきちんと管理し、キャリアアドバイザーと密に連絡を取り合うことが必要ですので気を付けてくださいね。
リクナビネクストとリクルートエージェントを併用する
転職活動を効率よく進めるためには、両者を併用することをおすすめします。
- 両サイトの求人情報に応募できる
- リクルートエージェントで転職活動の基本を学べる
リクナビネクストでは毎週1,000件以上の求人情報が新しく掲載されるだけでなく、独自のAI があなたの好みの求人情報を多面的に分析し、膨大な量のデータベースの中から興味をもちそうな求人を選んで紹介してくれます。
リクルートエージェントの紹介案件を参考にしながらリクナビネクストの新着情報をチェックするだけでも、好みの求人情報に出会う可能性を広げることができます。
またリクルートエージェントでは、リクナビネクストを含めた多くの転職サイト経由の応募に関しても相談に乗ってくれます。
リクルートエージェントのキャリアアドバイザーをとおして、リクナビネクストだけでは集めきれない各業界で好まれる職務経歴書の言葉選びや面接時の服装など、具体的な情報収集をすることもできます。
私もリクナビネクストとリクルートエージェントの両方で求人情報を集めつつ、面接対策や書類の書き方などについて、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーに積極的にアドバイスをもらいました。
その結果、効率よく内定にたどり着くことができたのです。
ですので、あなたの転職活動を少しでも成功に近づけるためには、どちらも併用して利用していくのがおすすめです。
リクナビネクストとリクルートエージェントの違いのまとめ
リクナビネクストとリクルートエージェントのそれぞれの特徴を以下にまとめます。
両者の違いを今一度ご確認ください。
- リクナビネクストの特徴
- 転職サイトのため、情報を自分で調べて活用することが必要
- 約4万件の他サイトに載っていない限定公開求人を掲載
- 応募・面接日時・条件交渉などはすべて自分で調整
- 転職成功ノウハウなどの情報を多数掲載している
- ライバルとなる応募者がとても多く、転職成功率は低い
- 自分のペースで転職活動を進めたい・時間をかけて情報収集をしたい人に向いている
- リクルートエージェントの特徴
- 転職エージェントのため、キャリアアドバイザーが転職活動をサポートしてくれる
- 好条件の内容である非公開求人を約20万件もち、求人情報が圧倒的に多い
- 応募・面接日時・条件交渉などはすべてキャリアアドバイザーが調整
- 履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策など転職を有利に進めるためのサポートがある
- キャリアアドバイザーが企業へ推薦してくれることがあり、転職成功率は高い
- 一人で転職活動を進めていくのが不安・転職活動に時間をかけられない人に向いている
どちらのサービスも人によっては合う・合わないがあるものの、転職活動を成功させるために転職者を支えてくれるツールである点に違いはありません。
ただどちらのサービスを利用するにしても、あなた自身が積極的に行動を起こすことが最も重要です。
両者の特徴をきちんと理解し、あなたの転職活動に活かしてくださいね。
リクナビネクスト 公式サイト:
https://next.rikunabi.com/
リクルートエージェント 公式サイト:
https://www.r-agent.com/