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塾講師に学歴は必要か?生徒に尋ねられたら答えるべき?【小中高別】

「塾講師になるためには、どれくらいの学歴が必要?」
「自分はいわゆる高学歴ではないけれど、塾講師が務まるのだろうか?」

正社員やアルバイトで「塾講師の仕事をしたい」とお考えのあなたは、そんな疑問や不安をお持ちのことでしょう。

私は大学時代を含めて6年間、個別指導塾と集団授業塾で講師を勤めました。
塾講師にはどの程度の学歴が必要なのか、小中高別に実務経験を織り交ぜながら解説いたします。

また生徒や親御さんに学歴を尋ねられた場合、答えるべきかどうかについてもお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

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塾講師は高学歴でなくてもなれる


まず結論から申しますと、高学歴でなくても塾講師になることはできます
ここで言う「高学歴」とは私立大学では、関東地方でのGMARCH、関西地方での関関同立またはそれ以上をイメージしてください。

塾講師の正社員は、大卒以上の募集がほとんどです。
アルバイトの場合は、短大生か大学生であること、または大学を卒業していることが応募資格ですが、高学歴を条件とした求人はあまり見かけません。

確かに高学歴であることは、採用の時に有利になる可能性があります。
しかし高学歴の塾講師が生徒にとって、絶対に良い講師であるとは限らないのです。

実際、私の勤めていた塾にも高学歴の講師はいましたが、生徒の好みもあり、その人が一番人気の講師というわけではありませんでした。
高学歴でなくても、求人の条件を満たす学歴さえあれば、塾講師の仕事にチャレンジすることができます。

【小中高別】塾講師に必要な学歴


高学歴でなくても、塾講師の仕事は務まります。
とはいえ、教える生徒の年齢によって、求められる学歴が変わってくるのも事実です。

小学生を教える塾講師には、どの程度の学歴が必要なのでしょうか。
中学生・高校生だとどうでしょうか?

塾講師に必要な学歴を、小中高別に解説いたします。

【小学生向け塾講師】学歴より「戦略・イメージ力」


小学生向けの塾で講師をしたい場合、義務教育レベルの学歴水準があり、なおかつ求人の応募資格を満たしていれば問題ありません

中学受験を目指す塾の場合でも、出題内容の基本は小学校で習っている内容です。
中学受験のノウハウは、講師になってから学んでゆけば心配はいりません。

小学生向けの塾講師に必要なのは、学歴よりも「戦略」と「イメージ力」です。

ここで言う「戦略」とは、少ない道具で目標を達成させる計画を指します。
小学生を教える塾講師は、まだまだ少ない小学生の知識を、どのように使って解答に導いてゆくのかを考える必要があるのです。

<私のエピソード【小学生時代】>

私は小学校高学年の時、勉強でわからないところを親に質問しました。
親は一生懸命教えてくれたのですが、私はあまり理解できませんでした。

親が勉強を教える時に使った言葉が、小学生の私にはとても難しかったのです。
言葉の意味を質問しているうちに時間が過ぎ、肝心の勉強については結局わかりませんでした。

これに対して塾の先生は、小学生の子供でも知っている言葉で、簡単にわかりやすく説明してくれました。
おかげで勉強の理解もスムーズに進みました。

上記エピソードのように、小学生は長時間勉強に集中することが難しい上に、語彙力もまだまだです。
そのため短時間でポイントを押さえ、小学生の知識レベルにあわせて問題解説をする必要があります。

小さなピースを組み合わせて完成させる、ジグソーパズルを想像してください。
小さなピースが小学生の知識であり、パズルの完成が問題の解答です。

パズルのピースを組み立てる計画が「戦略」であり、パズル完成までの道筋を、小学生が納得できるよう説明するのに必要なのが「イメージ力」です。
塾講師が「戦略」と「イメージ力」を同時に使いこなして指導すれば、小学生は問題を解くことができるようになるのです。

小学生向けの塾講師に必要な学歴水準は義務教育レベルで十分ですが、「戦略」と「イメージ力」が必要です。

【中学生向け塾講師】最も学歴が必要な理由2つ


意外と思われるかもしれませんが、小中高の中で最も学歴水準の高さが求められるのが中学生向けの塾講師です。
これには理由が2つあります。

まず1つ目の理由は、中学での学習内容が、各科目広く浅いことです。

中学生を教える塾講師には、一科目でも多くの分野の知識が必要になります。
なぜなら中学生向けの塾では、1人の塾講師が複数の科目を担当することがほとんどだからです。

科目と担当する分野の例
  • 国語:現代文、古典、文法、ことわざや漢字
  • 数学:計算問題、図形、関数グラフ
  • 英語:単語、文法、長文
  • 社会:歴史、地理、公民
  • 理科:物理、地学、生物、化学

私の勤めていた塾では授業コマの関係から、先生1人につき国語・数学・英語から1つと、理科・社会から1つの科目を担当していました。
最近では、環境問題などの複合的な問題は理科と社会の両方で取り扱われるため、さらに多くの科目をカバーする必要があります。

2つ目の理由は、生徒の純粋な質問ほど回答が難しいこと。
これは私が実際に、中学生を教えていた時に実感したことです。

中学生から塾講師への質問の中には、授業内容そのものについてだけではなく、以下のような授業内容からさらに深く突っ込んだ質問も多くありました。

数学と理科の場合の質問例
  • 数学:なんで1+1は2なの?
  • 理科:宇宙の端っこまで行けてないのに、なんで宇宙が広がっているってわかるの?

こういった難易度の高い、子供からの純粋な質問を受けた時は、中学校の指導要領の範疇を超えていても回答します。
中学生が理解できるような表現にかみ砕き、高校・大学レベルの知識も含めた説明をするためには、塾講師にそれなりの学歴がないと難しいです。

広く浅い学習内容に対応し、時にはより専門的な知識が必要となるため、中学生向けの塾講師には、小学生・高校生向けの塾講師より高い水準の学歴が望まれます

【高校生向け塾講師】偏差値50前後の大学合格


年度や学部にもよりますが、偏差値50前後の大学に合格していれば、高校生向け大学進学塾の講師に必要な学歴は概ねクリアしていると言えます。
なぜなら偏差値50前後の大学は倍率が1倍以上であるため、少なからず努力をし、高校の指導要領を理解していなければ合格できないレベルだからです。

さらに付け加えると、もしあなたの学歴(偏差値)が生徒が受験する大学より低かったとしても、塾講師は務まります
高校生向け塾講師の仕事は、生徒が解答にたどりつけるように道しるべを立てることであって、塾講師が自力で大学受験問題をすべて解くことではないからです。

<私のエピソード【大学進学塾の講師】>

私は塾講師として大学を受験する高校生を担当した時、最初は参考書も見ずに、自力で過去問題を解いていました。
そして生徒に対し、自分の解いたやり方を1から10まで教えていました。

しかしある時、大学進学塾に求められている塾講師の役割を間違えていることに気づいたのです。

塾講師が生徒と同じ立場で問題を解いて、解説する必要はありませんでした。
むしろ生徒が既に持っている基本知識を大学受験本番にどのように使うのか、知識の使い方を教える必要があったのです。

例えば問題を解答するまでの過程を1から10とすると、
「3までは自力で行けるよね。
これと問題文のここに注目すると7まで解けるよね」
といった風に、10まで一緒に解くのではなく、注目すべき点を指摘する。

そのことに気づいてからの私は、教科書や参考書に書いてある基本知識を組み立てれば解答となるよう、生徒にヒントを出しながら教えるようになりました。

どんな大学の入試問題でも、学習指導要領から逸脱した内容は出てきません。
学習指導要領とは、高校で習う勉強内容の基礎にあたります。

大学によって難易度の差が生じるのは、基礎問題の組み合わせ方が異なるからです。
問題中でどんな基礎力を問われているのか、複数の基礎の組み合わせが何であるのかがわかれば、簡単に問題を解くことができるようになります。

多くの生徒がつまずいてしまう理由は、その問題がどのような基礎の組み合わせで解けるかがわかっていないところにあります。
塾講師は問題の構成を整理して、生徒が基礎の組み合わせに気付けるように授業を行えばよいのです。

ですので大学受験を目的とした高校生向けの塾講師には、大学入試問題のベースとなる基礎学力、高校の指導要領レベルの学歴があればよいのです。

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生徒や親御さんに塾講師の学歴を伝える必要はない


塾講師の仕事をする中で、塾の生徒や親御さんに学歴を聞かれたらどう対応すればよいのでしょうか?

基本的には、塾講師の学歴を伝える必要はありません
理由は、生徒や親御さんからの信頼を失ってしまう可能性があるからです。

親御さんの学歴より塾講師の学歴が低かった場合、親御さんは「自分より学歴が低い塾講師に子供を預けられない!」と思うかもしれません。
学歴と指導力は別物ですが、中には混同して考える方もいらっしゃいましたので、伝えない方が得策です。

私が働いていた塾では、生徒に塾講師のプライベート情報を伝えることをよしとしていませんでした。
ですので私が学歴を聞かれた場合は、「塾を卒業したら教えてあげるよ」とやんわり断っていました

生徒が塾を卒業した後であれば、学歴を伝えても塾の方針からは逸脱しません。
ただ、塾を卒業した後で、わざわざ学歴を聞いてくる生徒は1人もいませんでした。

ちなみに例外として、学歴を伝えても良いケースがあります。
あなたの学歴が、生徒の進学モデルケースになっている場合です。

同じ塾で働いていた同期の塾講師は、学芸大学附属高校→東京大学→東京大学大学院と進学しており、その学歴が塾の進学モデルとして適切だったため、公表していました。
生徒が憧れ、塾が目指す進学のモデルケースに相応しい学歴であれば、公表する場合もあります

塾講師に必要な学歴まとめ


「塾講師の仕事をしたい」とお考えのあなたに、塾講師に必要な学歴について解説いたしました。

塾講師に必要な学歴まとめ
  • 高学歴じゃなくても塾講師になれる
  • 小学生向け塾講師に必要なのは、学歴より「戦略」「イメージ力」
  • 学習内容が広く浅い中学生向け塾講師には、より高い水準の学歴とが必要
  • 高校生向け塾講師には、偏差値50前後の大学合格・高校指導要領レベルの学歴が必要
  • 塾の生徒や親御さんに塾講師の学歴を伝える必要はない

高学歴でなくても生徒に頼られ、慕われる塾講師は沢山います。
本当に求められるのは、学ぶ楽しさを教えられる先生です。

勉強が嫌いになりかけている生徒さんに、一日も早くあなたが寄り添ってあげてください!
そうすれば、あなたは休み時間中も生徒に囲まれるような人気の先生になることでしょう。

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ABOUT ME
nagahara
理系女子。現在、メーカ技術職として勤務しています。みなさまに様々な情報をお届けできるようにがんばります。
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