現代社会では女性の社会進出がめざましく、出産後も子育てをしながら仕事を続けたいと考える女性が増えています。
ですが、仕事と家庭を両立するのは想像以上に大変です。
女性が出産後に仕事を続けるためには「仕事と家庭の両立」という大きな課題を常に考えていかなければなりません。
出産の時、職場ではどのようにすればよいの?
子育てをしながらSEとして仕事はできる?
出産後、子育てをしながらSEを続けたいと考えている女性であれば知りたい事ですよね。
今回は、SEとして働く女性の出産や子育ては仕事と両立できるのかについて、SE歴25年の私の職場経験と女性SEからの話をもとに解説いたします。
SEの女性の出産準備は案件作業の引継ぎ
赤ちゃんは授かりものです。
「結婚しても赤ちゃんはまだまだ先の話です」と言っていたのに、数か月後には「赤ちゃんできました」という事もよくありますよね。
出産となると自分一人だけの身体ではなくなりますから、結婚以上に慎重に考えなくてはいけません。
女性SEの出産準備について、仕事と家庭で考えられる問題点と対策ポイントを挙げてみました。
担当しているSEの作業を引き継ぐ
赤ちゃんができたと判れば出産のために仕事から離れなくてはなりません。
職場では携わっている案件の作業を引き継ぐことになります。
会社・開発チームと相談しながら引き継ぎのスケジュールを立てましょう。
SEの仕事自体はデスクワークですから出産間近まで働くことは可能です。
また、職場によっては体の負担を考えてて通勤時間をずらすなどの対応をしてくれる場合もあります。
会社や職場とよく相談し、仕事にも身体にも支障がでないように引き継ぎをしましょう。
出産までの働く期間を家族と会社と相談して決める
体調に注意しながら仕事しなくてはなりませんから職場や家族の協力は必要です。
まずは、職場でSEの仕事の引継ぎ期間を踏まえていつまで働くのかを決めます。
通勤や勤務時の身体への負担は大丈夫か、体調が悪くなった時の対処など、家族や医者とよく相談しておくことも必要です。
中には通勤時間を遅くしてくれる、早めの帰宅をさせてくれるなどの対応をしてくれる会社もありますので相談してみましょう。
職場での出産準備は引継ぎです。引継ぎ期間は体調管理に十分気を付けながら勤務しましょう。
女性SEの出産後の職場復帰は2パターン
システムエンジニアという職業は男女の差がなくスキル重視される職業です。
ですから、女性SEは出産後でも職場復帰しやすい職業といえるのです。
職場に復帰する場合は産休・育休を確認する
同じ職場で出産後に仕事を続けるには、会社の産休・育休について確認しましよう。
厚生労働省は次のように決めています。
産休
出産予定の6週間前から出産の翌日から8週間休業できる
育休
子供が1歳になるまでの間で希望する期間、育児のために休業できる
企業や職場の状況によって産休・育休がとりにくい場合や子育ての様子を見てから復帰したいと考えている場合は、会社を一度退社しなければなりません。
会社は今後の仕事のスケジュールを立てなければなりませんから、職場復帰について速やかに報告しましょう。
出産後のSEに復帰する2つのパターン
出産後の職場復帰の2つのパターンについて以下にまとめました。
- 出産後も同じ会社に復帰する
- 会社に産休・育休の取得について相談します。
- 産休・育休期間は約1年ですが、企業によって異なる場合があるので確認が必要です。
- 約1年間休んだとしてもSEの仕事には影響はありません。
- 出産前と同じ開発現場に復帰できるかどうかは、自分の勤めている会社次第になります。
- 子育てと家庭の状況を見ながら時期を見計らってSEに復帰する
- いつ復帰するかわからないので、会社は辞めなくてはなりません。
会社に退社する旨を伝え、退社する時期を相談します。 - 仕事に復帰できる時期が来たら就職活動です。
SEを求めている会社が増えていますのでSEのスキルが活かして仕事に就くことができます。 - 職場復帰するまでの期間が長く不安な場合は会社と相談しましょう。
ブランクを考慮してもらえます。
どのようにしてSEに復帰するのかは家族とよく相談して決めましょう。
システム開発の仕事に復帰し女性SEとして続け、子育てと仕事を両立させるためにも準備は必要です。
産休・育休を利用し、SE復帰に向けた準備をしましょう。
SEに復帰するのは子育てが落ち着いてからでも良い
出産で一度SEの仕事を辞めていても、SEとしての知識と経験があれば再開することは可能です。
子供がいる女性SEの職場復帰について、考えられる問題点と対策ポイントを挙げてみました。
SEのスキルがあれば職場復帰はしやすい
会社を退社せずに産休を取って出産した場合、会社に復帰する日程を話し合うだけでスムーズに職場復帰できます。
一度退社した女性でも、SEのスキルを活かして再就職することは可能です。
また、多少のブランクがあってもシステムエンジニアは技術職ですから、女性でも復帰はしやすいと言えるでしょう。
SEの仕事と子育ての両立の環境を自ら作る
まだ子供が小さければ残業せずに帰宅して育児をやりたいというのが一般的です。
仕事で帰宅時間が遅い日が続けば育児・家庭への影響はあるでしょう。
子供の急な発熱や学業のイベント参加など家庭の事情でやむを得ず仕事を休むこともあります。
システム開発の仕事の過渡期にあたれば職場を休めない状況もあります。
SEで働きながら子育てを両立するには、家族がSEの仕事を理解し協力しくれる状況を作る事が大切です。
会社と残業時間や育児での急な対応などのサポート体制についても相談していきましょう。
SEの仕事は子育てが落ち着いてからでも復帰できる
家族の協力を得てSEの仕事に復帰することができたとしても、体力面と精神面の負担が考えられます。
何時間も残業して自宅に帰ってから育児・家事する生活は、体を休める時間が少なく体力面の負担があります。
家族と触れ合う時間やプライベートの時間が少なくなり、精神的な負担にもまります。
精神的にも体力的にも余裕がなくなれば仕事にも家庭にも支障をきたす可能性が高くなります。
実際に出産してSEに復帰した知人女性の話です。
家族の協力を得て出産1年後に職場復帰したのですが、残業して帰ってから育児と家事に追われる毎日でした。
思っていたよりも体力的に厳しく精神的にも辛くなり、SE復帰してから1年程で職場を辞めました。
その後は家庭と仕事の両立を考えて、残業の少ない一般事務職で働くことにしたのです。
7年後、家族の協力を得てSEに復帰することができました。
ブランクがあったのと小学生の子供がいる事を会社に相談し、比較的残業が少ない職場に配属してもらう事が出来ました。
やはり、まだ小さい子供がいる家庭とSEの仕事との両立は、体力的にも精神的にも厳しかったようです。
子育てや家庭を考え、ある程度子供が大きくなるまでは残業がなく子育てをしやすい仕事に就くことも視野に入れましょう。
SEは技術職ですので、多少のブランクがあっても女性が再就職しやすい職業です。
SEの復帰は子育てが落ち着いてからでも良いのです。
システムエンジニアという職業は女性でも再就職しやすい職業です。
女性SEであれば多少のブランクがあっても復帰することができます。
ですが、子育てを考えてSEの仕事はしばらく休業する覚悟も必要ですね。
「女性SEの出産や子育ては仕事と両立できるのか」まとめ
SEという職業は専門職であり技術職ですから、子育てをしながらSEの仕事を続けることはできます。
ここで、これまでに解説したSEとして働く女性の出産や子育ては仕事と両立できるのかについて内容をまとめてみました。
女性SEの仕事と出産
- 職場では担当している仕事の引継ぎ
- 出産後の職場復帰は2パターンある
女性SEの仕事と子育て
- 女性SEは職場復帰しやすい
- 家庭と会社に子育ての両立の理解と協力を働きかける
- 子育てが落ち着いてからSE復帰するのもよい
出産、子育てというライフステージの変化は女性の仕事に大きく影響し、仕事と家庭の両立が不安である事から仕事を辞める方も多くいます。
今、IT業界の多くの企業で女性SEは求められています。
そして、仕事と出産や子育ての両立という働き方をサポートしてくれる企業も増えてきています。
出産後も女性SEとして仕事を続けるには、会社や家族にサポートしてもらうよう自ら働きかけて環境を作ることがとても大切なのです。
なお女性SEの職場復帰の方法については、以下の記事を参考にして下さい。