ソムリエナイフといえば、ソムリエの必須アイテムです。
ソムリエナイフを巧みに使い、スマートにコルクを開ける姿はかっこいいですよね!
一口にソムリエナイフといえど、仕様は様々です。
ダブルアクション、シングルアクション、ナイフの形と長さ、ハンドルの素材や形状…
今回は現役ソムリエの私が、材質、形状、機能性、ブランドの観点からソムリエナイフのおすすめを完全解説します。
私が使っているソムリエナイフ
まずは私が使っているソムリエナイフをご紹介します。
「シャトーラギオール スタミナウッド」です。
もともと木素材が好きなので、木のハンドルで探しました。愛着がわくポイントを重視です。
ハンドルは太めの握りやすいものに絞りました。
シャトーラギオールはハンドルがカーブをかいてるので手に沿って持ちやすかったです。
私はキャップシールを切るのが苦手だったので、切れ味は譲れません。
シャトーラギオールのナイフは切れ味がよかったです。
もうひとつ、シャトーラギオールを選んだ理由は「憧れ」です。
世界的ソムリエも選ぶメーカーですし、見た目も優雅で高級感があります。
ソムリエナイフに恥じない仕事ができるように、と想いも込めて選びました。
私は左利きなので、左利き用のナイフの購入も考えました。
ですが、選択肢も少なく価格も高くなるため右利き用を購入しました。
もちろん抜栓も右手でやりますよ。
ソムリエナイフの各部名称
- ハンドル…握る部分
- ナイフ…キャップシールを切る部分
- スクリュー…コルクに刺す部分
- フック…ボトルのふちにひっかける部分
【ハンドルの材質や厚み】ソムリエナイフにおすすめのタイプ
金属やアルミ、木素材があります。
持ちやすさと見た目、重さがポイントになります。
ハンドルを握ったときに手に沿う形のもの、ハンドルに厚みがあるもの、ほどよい重みがあるものがおすすめです。
金属素材
- 見た目がスタイリッシュ
- ハンドルが薄いものが多いので、ポケットにいれてもかさばらない
- ハンドルが薄いものが多く、抜栓に力がいる
- 重みがある
薄手のものは握ったときに手が痛く、私には扱いきれませんでした…
木素材
- ハンドル部分は厚みのあるものが多い
- ハンドルに厚みがあるので、軽い力で抜栓できる
- 加工によるカラーバリエーションが多い
- 丸みのある形が多く、手に沿って持ちやすい
- 重みがある
元々、木素材の風合いが好みなので目をつけていました。
長く使うものなので愛着も大事です。
あとは、重みと手のフィット感が合いました。
アルミ、ステンレス素材
- 比較的軽い
- 丸みのある形が多く手に沿って持ちやすい
- 腐食耐性が強い
- ポップなデザインも多い
金属、木と比べて軽いです。
個人的には、少し重めの方が扱いやすかったのでアルミはやめました。
しかし、手に沿う感じはとても良かったです。
かわいいものも多く、コレクションしたくなります。
【ソムリエナイフ】ナイフ部分は長い方がおすすめ
ナイフの形状は好みが分かれるところですね。
私は、ほどよく先がカーブしたものが使いやすかったです。
長めの方が、少ない回数でキャップシールを切れるのでスマートです。
長めで、先端がゆるいカーブになってるもの
私のソムリエナイフは、このタイプです。
- ナイフ部分が長いとしっかり握れて切りやすい
- 先端のカーブがゆるいので、切ったキャップシールに引っ掛けたりするのに使いやすい
長めで、先端がまっすぐなもの
- ナイフ部分が長いとしっかり握れて切りやすい
- 先端がまっすぐなので、自分の指に刺さることもある
- 先端がまっすぐの方が扱いやすいという人もいる
私は指を切る方が多かったです…
短めで、先端がゆるいカーブになっているもの
- 小回りがきく
- 短い分、切る動きが多くなる場合もある
ひとくちに「これがいい!」とは言えませんが、オーソドックスなのは、ナイフが長めで先端がゆるいカーブのものです。
選択肢も多いですよ。
ソムリエナイフのスクリューは長めのものを推奨します
スクリューは長いものがおすすめです。
古いヴィンテージのワインはコルクが長いので、スクリューが長いと安定して抜くことができます。
スクリューは曲がっていませんか?
ソムリエナイフを購入するときに注意することがあります。
それはスクリューがまっすぐかどうか。
スクリューを自分に向けたときに、先端が螺旋のなかにおさまっていれば合格です。
先端がはみ出ているものは、抜栓のときにコルクを壊してしまう原因になります。
左利きの人はレフティ用を買おう
ソムリエナイフを買うときは、うっかり左利き用と右利き用をまちがえないように気を付けましょう!
スクリューの巻いてる向きがちがいます。
私は左利きで、初めてワインを開けたとき、左手で右利き用のソムリエナイフで開けてました。
スクリューが入っていかなくて苦労したのを覚えています…
持ち手を間違えると、使い物になりません!
左利き用のソムリエナイフは高いし種類が少ないので選びませんでした。
ソムリエナイフは右手でやるようにしています。
ソムリエナイフに慣れないうちはダブルアクションのフックがおすすめ
コルクにスクリューを刺し、フックを掛け、テコの原理でワインを開けます。
このフックには2種類あります。
シングルアクション
フックがひとつのタイプです。
このひとつのフックの角度を絶妙に変えながら、コルクを抜いていきます。
使いこなせればスマートでかっこいいですよ。
ダブルアクション
初心者や力の弱い人におすすめです。
シングルの位置とは別に、フックがハンドルに近いところにもうひとつ付いています。
これによって支点と作用点が近い位置に保てるので、軽い力でコルクが抜けます。
抜きにくい長いコルクも簡単に抜けますよ。
ソムリエナイフの機能性から見たおすすめ
機能性で考えると、栓抜きが付いているものがおすすめです。
ソムリエナイフ1本でビールの栓も開けられた方が機能的には優れています。
ハンドル部分に付いてるものや、ナイフに付いてるものもあります。
栓抜きが付いてないものもありますので、よく確認しましょう。
ソムリエナイフのおすすめブランドを紹介!
数あるソムリエナイフ、どのブランドを選べばいいか悩みますよね。
シャトーラギオールやライヨールは、類似品や並行品があるので要注意です。
ソムリエナイフのおすすめブランドを紹介します!
シャトーラギオール
プロが多く使っているブランドで、ミツバチのマークが特徴です。
作業行程の80%を人が行っているので、ひとつひとつ風合いがちがうのも良いところです。
使い始めは、ナイフとスクリューをたてる時が固いので、馴染むまで時間がかかります。
ケース付や名前入れができるものもありますよ。
- ハンドル
手に沿う形状。水牛、天然木など風合いのあるデザイン。 - ナイフ
刃物生産で有名な村で作られる。切れ味は抜群。
長めでゆるいカーブになっている。 - スクリュー
長めで古酒にも対応。 - フック
シングルアクション。栓抜き付。
ライヨール
ラギオールと綴りが同じですが別物です。
こちらはハンドルに鋲で十字架がうってあるのが特徴です。
- ハンドル
中央部分が膨らんでいる。
この厚みが好きな人もいる。 - ナイフ
ボトルの口に沿った丸みを帯びた形状。
切れ味は良い。
栓抜き付。 - スクリュー
長めの設計。
コルクに入りやすいように溝をいれて摩擦を軽減している。 - フック
シングルアクション。
引っかける部分が浅くできている。
ラギオール・アン・オブラック
こちらもナイフの街ラギオール発祥のソムリエナイフです。
牛のマークが特徴です。
- ハンドル
水牛や天然木などの素材が多い。
手に沿うカーブをえがいたタイプと、中央に膨らみがあるタイプとある。 - ナイフ
短めで、ワイン口に沿うように作られている。
栓抜き付。 - スクリュー
長めで古酒にも対応。 - フック
瓶口に引っかける部分が浅い。
慣れないうちはやりにくい場合もある。
ドファン
シャトーラギオールと同じ製造元SCIP社が手掛けるセカンドラインです。
ケース付もあり、価格も上記のものより安価です。
- ハンドル
ナイフからフックにかけてゆるやかに膨らんでいくデザイン。
アルミ素材から木素材まで素材の選択肢がひろい。 - ナイフ
切れ味のよい、長めでゆるやかなタイプ。 - スクリュー
長めで古酒にも対応。 - フック
シングルアクション。栓抜き付。
PCブラック
こちらもSCIP社の製品です。SCIP社のなかでは一番買いやすい値段です。
家庭や酒販店で使う分には申し分ありません。
- ハンドル
ソフトラバー。細めの設計で軽い。 - ナイフ
長めでまっすぐ伸びている。
切っ先が少し危ない。 - スクリュー
少し短め。古酒の抜栓はコツがいる。 - フック
ダブルアクション。栓抜き付。
アスロ
日本製で、岐阜県で製作されています。
人間工学に基づいたデザインで、開けやすさと見た目の美しさを兼ね備えています。
- ハンドル
アルミ、真鍮、黒檀など安価で長持ちする素材が多い。
細身な作りではあるが、手に馴染むカーブ設計。 - ナイフ
ものによっては「ダマスカス技法」による美しい装飾がある。
長めで先端がゆるやかなタイプ。
栓抜き付。
※アルミ製だけは栓抜きが付いていません。 - スクリュー
長めで古酒に対応。 - フック
シングルアクション。
プルテックス
このなかで最も安価なブランドです。
オウムのような見た目がかわいく、デザインも遊び心あるものが多くあります。
- ハンドル
スチール素材が多い。
直線形なので手のフィット感は少ない。
スワロフスキーがちりばめられたものやポップなからーのものもある。 - ナイフ
短めでゆるやかなカーブになっている。
小回りがきいて開けやすい仕様。 - スクリュー
長めで、古酒にも対応。 - フック
ダブルアクション。
ハンドルとの距離も長いので、テコの原理が最も働きやすく開けやすい。
ソムリエナイフのおすすめまとめ
多種多様なソムリエナイフがあることは、お分かりいただけたでしょうか?
物理的な使いやすさ、機能性、ファッション性をみて、自分らしいソムリエナイフが選べるといいですね!
おすすめのソムリエナイフをまとめます。
- ハンドル
手に沿う形状で、厚みがあり、程よい重みのあるものがおすすめ。 - ナイフ
先端が丸くなっていて、長めの緩やかなカーブをえがいたものがおすすめ。 - スクリュー
長い設計のものがおすすめ。
古酒やボルドーの長いコルクに対応できる。 - フック
慣れないうちは、ダブルアクションがおすすめ。
【購入時の注意点!】
- 利き手用を買う
右利き用と左利き用があるのでよく確認すること - 正規品を買う
高いブランドのものは、類似品や並行品も出回ってるので注意すること
ソムリエナイフもネットで安く買えることが多いですが、実物をさわって選ぶ方が良いです。
ですから、ネットで買うにしてもできたら実店舗や関係者の方のソムリエナイフを確認しておくことをおすすめします。
デパートやワインショップに出向いて、ぜひお気に入りのソムリエナイフを見つけてみてくださいね。
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またソムリエの職場の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひあわせてご覧になってください。