街中や路上、ショッピングモールをはじめとする施設などいたる所で警備員の姿を目にしますよね。
実を言いますと仕事はつらい事が多く、離職率が高い業種でもあるのです。
警備員の仕事は1号業務(施設警備)・2号業務(交通誘導・雑踏警備)・3号業務(運搬警備)・4号業務(身辺警備)に分かれており依頼に応じて警備を提供します。
ここでは警備員歴12年の私が、警備員の仕事がつらい理由について解説いたします。
警備員の仕事がつらい理由
警備員の仕事は実際にどんなところがつらいのか?
辞めたくなるほどの理由は何なのか?
あなたが今警備員の仕事を考えている、もしくは警備員に興味をお持ちなのであれば、これからご紹介する内容で警備員の現実を知り、今後の参考にしてください。
なお警備員の仕事は、以下の4つに分類されています
- 1号業務はショッピングモールや遊園地、駐車場の出入管理をはじめ依頼された施設内での警備
- 2号業務は道路をはじめ工事の現場で通行人や行き交う車の安全を確保するため旗や誘導灯で整理を行ったり、多数の人が参集するコンサート会場やイベント会場などで円滑な人の流れをもたらすための誘導
- 3号業務は貴重品や現金、核燃料などを依頼された場所まで安全に運搬する業務
- 4号業務は要人や依頼を受けた方のボディーガードをイメージしていただくと分かりやすいです。
肉体的につらい
警備員の仕事はとにかく体力勝負!
特に警備員として働き始めたばかりの頃は慣れない業務で全身に疲れが溜まったようになり、一晩寝ても疲れがとれず翌日に持ち越してしまう事もあります。
1号業務(施設警備)
拘束時間が長くなる事が多く、例えば夕方5時に勤務がスタートして終了が翌日の9時という形を2回、つまり3日勤務して1日休みなど忙しく動くことは少ないのですが不規則な生活を余儀なくされます。
私の場合施設警備を半年ほど続けた結果体重が15キロ落ちてしまいました。
また、業務に当たる施設によっては仮眠をとる事ができ私の場合も仮眠時間はあったのですが、その仮眠中に用件が立て込んだりすると起こされる事もあり、体がお休みモードになっている状況でこれが結構つらかったです。
2号業務(交通誘導・雑踏警備)
屋外の勤務になりますので天候に関係なく立ち続けなければならず夏は炎天下で熱中症の危険にさらされ、冬は極寒の中風邪やインフルエンザにかからぬよう神経をとがらせます。
施設警備に比べると労働時間は長くありませんが、慣れないうちは足や腰に疲れがたまり仕事終わりの疲労感は相当なものです。
私が交通誘導に携わったある現場では土砂を積んだダンプが頻繁に出入りしており、そのたびにカラーコーンを設置したり外したりの繰り返しで業務終了時には疲労から足がつってしまい歩くことすらままならなかった事があります。
先述したように夏は熱中症、冬は風邪やインフルエンザの危険が常に隣り合わせの勤務ですから実際に毎年それらにまつわる話はよく耳にしますし、私自身もある夏に水分をあまり準備せず猛暑の中警備を続けていて手のしびれと足に痙攣が起こってしまい非常に焦ったことがあります。
幸いにもちょうど昼休憩に入るところでしたから急いでコンビニに走りスポーツドリンクと氷を購入し頸動脈や腋の下を冷やしつつ水分摂取して何とか事なきを得ましたが。
また冬は気をつけていても風邪をひいたりインフルエンザにかかってしまったりする事があるのですが、警備員は基本日給月給の者が殆どですから少々体調が悪くても病院に行かず無理をして出勤したため肺炎になってしまい、結果長期離脱の憂き目にあうなどという事も結構あるのです。
3号業務(運搬警備)
代表的なものでは現金輸送車による輸送業務ですが、依頼される輸送品は現金ばかりではなく貴金属や重要書類など様々で中にはかなりの重量物もあり、しかも依頼された輸送先が遠方になれば長距離を走る事になりますから体力的にも相当きついです。
4号業務(身辺警備)
経験者の知人によれば、依頼される内容によっては長時間にわたり警護をする上に食事を摂る時間もなく、トイレも自由に行けるわけではないので、その点がつらいとのことでした。
精神的につらい
警備員は肉体的なものだけではなく、対応した相手からクレームを言われてへこんだり、はたまた社内での人間関係に疲れてしまったりと精神的にもつらい事は多いのです。
特にクレームに関してはあまりにも例が多いためここでは内容を絞り込んでご紹介します。
1号業務(施設警備)
駐車場で警備を行っている場合はドライバーからのクレームでなかなか駐車スペースが空かないいら立ちや、スムーズに案内できない事に対する不満をぶつけられる事があり、駐車してから目的地までの距離が遠い事に対する文句を言われるなどという事もあります。
商業施設内では、お客様から財布やスマホなどの紛失(盗難された場合もあり)の相談や、「トイレがどこも一杯でなかなか順番が回ってこない」、「店員の態度が悪い」といった我々にはどうしようもないようなクレームを受けたりもします。
私が夜間の診療や救急対応の受付をしていた病院では、患者様やそのご家族からなかなか診察の順番が回ってこない事や先生の対応の悪さに対する不満をお受けする事があります。
また診察中に緊急搬送があるとどうしてもそちらの患者様が優先になってしまうので、外来として来られた患者様が放置されたような形になり、お怒りを被ることもありました。
2号業務(交通誘導・雑踏警備)
交通誘導では通行止めなどの際に迂回をお願いすると歩行者や自転車に乗った方から「聞いてない・知らない」や「なんで自分が遠回りしなきゃならないんだ!」などの文句を頂戴します。
片側交互通行を行った時のドライバーからは「いつまで待たせるんだ」や、中には言葉のクレームではなく停止合図を無視して突っ込んでくるという危ない表現をされる方もいらっしゃいました。
雑踏警備では花火大会の来場客誘導を行いました。
こちらは将棋倒しや群衆なだれなど最悪の事態が起きないようにと急がず落ち着いて歩行するよう案内・誘導をしています。
ですが「さっさと進ませろ!」と悪態をつかれたり、「お前が邪魔で花火が見えん!」などと罵倒される事もありました。
群衆なだれとは・・・
人がたくさん集まる場所で発生する事故で、超過密状態の中多数の人が折り重なるように倒れてしまう事を言います
3号業務(運搬警備)
この業務で私が経験したつらい事は、クレームではなく重要書類や小切手などの貴重品を夜間に100kmほど離れた目的地まで運んだことでした。
運転手と私の二人で輸送したのですが、ひょっとしたら誰かにつけて来られているかもしれないという緊張感を目的地に到着するまで維持し続けていたため、帰路では 張りつめていたものが一気にほどけた様な疲労感で強い眠気が襲ってくるのです。
ただ職務中でもあり、また業務の特殊性から一休みして帰るなどという事も許されずひたすら睡魔と闘いながらの道中は本当につらいものでした。
4号業務(身辺警備)
前出の知人によれば依頼を受けた警護対象者に付き添う形で行動しますから、その間はずっと神経を張り詰めた状態が続く事となり疲労感は相当のものとの事です。
経済的につらい
警備員にとって経済的につらいと言えば、やはり「給与面」です。
警備員の給与は正社員や契約社員でない限り基本的に日給か時給の場合がほとんどで、地域によって差はありますが時給で大体900円~1100円前後、日給ですと7000円~11000円ぐらいで東京や大阪などの大都市圏ではもう少し高めになります。
これを月収にすると大体18万円から夜勤を含む連続勤務があった場合は30万円くらいといったところになります。
また日給や時給で勤務している大多数の警備員の場合、ボーナスはまれに「寸志」のような形で出ることはありますが、私の周りでは出ない事がほとんどです。
一見すると独身者が普通に生活する、もしくは家族がいても共働きであればそんなにつらい額ではないようにも思えますが、実は警備員の仕事で最もポピュラーな2号業務(交通誘導・雑踏警備)などでは天候や仕事の閑散期に左右され、仕事が無くなってしまう事があるのです。
仕事が無ければ当然給与は発生しませんからその日の収入は「ゼロ」。このようないわゆる「自宅待機状態」が月に何日も発生すると、月収はかなりの打撃を被ってしまいます。
私の場合は1号業務・2号業務・3号業務の2級資格を持っていますので、幸いにも仕事にあぶれる事はほとんどありませんが。
この事についてある警備員(男性)のお話しをしますと、その警備員は独身者で借金があり月々の返済があるため月間に25日働いたとしても返済分を除くと生活をしていくためには結構ギリギリの状態になってしまっていました。
そんな中、先ほど述べた様な「自宅待機」が数日発生する月が不幸にも二か月続いたため、日用品や食事はおろか各種料金の支払いもままならず、ついには電気と携帯電話が止められてしまい車中生活を余儀なくされてしまったのです。
その後最悪の事態にある彼の事情を知った会社の計らいで当面の生活必要費が貸し出され、他業務での仕事の手配や夜勤を何日か融通してもらい翌月には何とか自宅(アパート住まいですが)での生活を回復する事ができました。
また、私が所属している会社では数年前まで前借り制度があったのですが、簡単に前借りをして給料日に前借りした分を引かれ生活が苦しくなりまた前借りを繰り返すという「負のスパイラル」に陥る者が何名か出てしまったため、現在この制度は廃止になっています。
警備員には1号・2号・3号の業務別に1級と2級の検定資格があり、現場や任務の種類によって有資格者を配置しなければならないという規定があります。
ちなみに私が所持している資格は、施設警備2級・交通誘導2級・雑踏警備1級と2級・貴重品運搬警備2級です。
その他のつらいこと
これまで警備員の肉体的・精神的・経済的につらいところをお伝えしてきましたが、これら以外にもつらいところはあるのです。
話が違うのがつらい
求人に出されていた勤務地や条件を見てこれならやってみたいと思い入社した、または入社時に説明を受けてこの現場で働きたいと期待していたところ会社側の都合で実際に配属された場所が全く違う所でしかも日当が安い。
これは精神的にも経済的にもつらいです。
勤務地がかなり遠いのがつらい
現場が遠方になると車で片道2時間ぐらいかかってしまうなどという事もあり、長期間に及ぶ場合には現地でアパートを借りてくれることもありますが、そうすると家庭のある警備員の場合は二重生活になってしまい肉体的にも経済的にもかえって負担が大きくなってしまいます。
警備員を見る世の中の目がつらい
全てがそうではありませんが、警備員と聞くと「会社をリタイヤした人が制服を着て立っているだけ」のようなイメージがあるからか、あまり良い印象を持ってもらえない事があります。
「職業に貴賤なし」とは言われますが、残念ながら警備員と聞いて「警備員かぁ」「警備員ねぇ」とさげすむような反応を見せる人もいますし実際警備員の中でも、
「自分が警備員である事を友人や知人にはあまり知られたくない」「所詮自分は警備員だから」などとネガティブに考えてしまっている人もいるくらいですから。
警備員同士や会社との人間関係がつらい
警備員の仕事は単独で行う場合もありますが、二人一組やチームで行うケースが多いです。
そうなるとそこで警備員同士の摩擦や衝突が発生しやすくなります。
ついには「あいつとは一緒に仕事ができない!」「あいつがいるなら自分を他へ回してくれ!」などという結果を招いてしまいます。
それでも希望した配置転換が認めてもらえない場合は我慢するしかありません。
また、会社との関係では指示のあった現場へ行くのは当然ですが時として手配ミスで先方から「今日は頼んでないから」と断られてしまうことがあります。
逆に依頼されていたのを会社側が見落としていて急きょ現場へ走ったものの、相手からひどく怒られてしまうなどという理不尽な思いをする事もあります。
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警備員の仕事がつらい時の辞め方
様々な思いで日々現場に出て自分の職務を全うすべく頑張っていても、時としてどうにも辛抱できない状況に追い込まれてしまう事は必ずと言っていいほどどの警備員にもあるものです。
ではそのような時どうするのかですが、これはもう「何とか現状に耐えて勤務し続ける」か「辞める」かのいずれかしかありません。
勤務し続けるために会社に訴えて現場を変えてもらったり、人が原因の場合はコンビやチームを変えてもらうなどして解決している警備員も結構います。
警備業界全体が人材不足の中、会社としても警備員に辞められる事は避けたいのでよほどのわがままでない限り警備員からの要望には応えてくれる場合が多いのです。
何とか頑張ってはみたものの、やはり辞めるという結論に至った場合気をつけておかなければならない事があります。
これは警備員に限ったことではありませんが、黙って辞めてしまういわゆる「ドロンする」事だけは絶対にしないでください。必ず退職する旨を会社に伝え、しかるべき手続きをしなければなりません。
多少の引き留めはあるかもしれませんが、辞める意志が固いと悟れば会社側もそれ以上の事はせず退職を認めてくれます。その際には制服をはじめ笛や誘導灯など貸与品ももれなく返却してください。
もしも同業他社へ就職したいと考えているのであれば、辞め方は非常に大切です。なぜなら新しい就職先(警備会社)からこれまで勤務してきた会社へ「聞き合わせ」が行われる場合があるからです。
難しく考える必要はありません、人として常識ある行動をすれば良いのです。
警備員の仕事がつらい理由まとめ
私の経験を中心に警備員の仕事のどこがつらいのかを詳しくお伝えしてきました。
以下はこれまでのまとめになります。
- 警備員の仕事は1号業務・2号業務・3号業務・4号業務の4つに分類される
- 警備員の仕事は体力勝負だから肉体的につらい
- 警備員の仕事はクレームが多くて精神的につらい
- 警備員の仕事は給与が安定しない事があり経済的につらい
- その他にもまだある警備員のつらいところ
- 警備員の仕事がつらい時の辞め方 ~人として常識ある行動を
警備員のつらいところを様々な角度でお伝えしてきましたが、これは決してあなたに対し「警備員の仕事はつらいから止めておいた方が良い」というようなネガティブな事を言いたいわけではありません。
あらかじめ警備員の仕事にはつらいところがある現実を具体的に知ってもらい、入社後あなたがそのようなつらい事に遭遇した際の対処の仕方やつらい目に合わないように備えをしておく参考にしていただきたいのです。
ここまで読んでいただいたあなたが「それでも警備員としてやっていきたい」との気持ちをお持ちなのでしたら、十分に警備員として勤めていけます。
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