システムエンジニアという言葉をきいたことがありますか?
「よく耳にするけど、なにをする職業かわからない・・・」
「IT系の仕事?興味はあるけどなんだか難しそう・・・」
一般的にそんな印象を持たれているのも事実です。
この記事では、システムエンジニアを知りたいあなたのために、システムエンジニアとはどんなことをしている人たちかを解説します。
具体的なイメージがつかみやすいよう、家づくりに例えてわかりやすく解説していきますので、システムエンジニアを理解するのにお役立てください。
システムエンジニアとは?わかりやすく解説!
システムエンジニアとは、何をしている人たちなのでしょうか?
ここではシステムエンジニアについて、わかりやすく解説します。
「システム」を作るのがシステムエンジニア
「システムエンジニア」が「システムを作っている人」であるということは、なんとなくイメージがつくのではないかと思います。
そもそも「システム」とはなんなのでしょう?
簡単に言うと、コンピュータやネットワークを使って、業務をやりやすくするための仕組みのことです。
「業務をやりやすく」するとはどいうことか、具体的にいうと、
- 業務を自動化する
- 大量のデータを一元管理する
上記の二点があります。
具体例を挙げてご説明します。
例えば、多くの人が利用しているネット通販。
ネット通販会社は、大量の商品データや顧客データを管理しています。
それらのデータはノートや帳簿に書いて管理しているわけではなく、データ管理用のシステムを使って、一元管理しています。
システムを使うことで、データを簡単に編集したり、調べたりすることができます。
また、お客様が商品を注文するときも、インターネット上のシステムを使います。
パソコンやスマートフォンから簡単に注文ができるのは、システムによって買い物の手続きが自動化されているおかげなんです。
もしネット通販を、システムの力を借りずに人の手だけで行うとしたら・・・?
データをいちいち手書きで紙に書くので、時間がかかるしミスも多くなってしまいます。
また、注文を電話や窓口で対応する場合、相当な人数のスタッフがいなければなりません。
このように、大量のデータをまとめて管理し、業務を自動化することが、システムの役割であり、システム化することのメリットなんです。
ここで登場するのが、システムエンジニアです。
「業務をシステム化したい!」と思っている企業の依頼を受けて、その企業の業務がやりやすくなるようにシステムを作り上げるのが、システムエンジニアの仕事というわけです。
システムエンジニアの仕事を家づくりに例えて解説
次に、システムエンジニアの仕事を家づくりに例えてわかりやすく解説します。
システムを作ることを「開発」、その流れを「工程」といいます。
システムの規模やタイプにもよりますが、多くの場合は以下の流れになります。
- 要件定義
- 外部設計
- 内部設計
- 開発
- テスト
- 保守・運用
この「開発工程」、実は家づくりの工程とそっくりなんです。
あなたが夢のマイホームを建てることになったと考えてください。
要件定義
まずは「どんな家に住みたいか?」という要望を、ハウスプランナーに伝えますね。
これが要件定義です。
家づくりでは、営業職が担当します。
システムエンジニアは顧客にヒアリングを行い、どのような業務をシステム化したいのか、要件を聞き出します。
外部設計
次に、要望をもとに家のデザインやおおまかな設計、建設の費用やスケジュールを決めます。
これが外部設計です。
家づくりでは、建築士が担当します。
どのようなコンピュータ・ネットワークでシステムを構築するのか、また、システム開発の費用や期間も、外部設計の段階で決定されます。
内部設計
家のデザインが決まったら、より詳細な設計図を作成し、大工さんに依頼できる形にします。
これが内部設計です。
家づくりでは、インテリアコーディネーターが担当します。
システムをひとつひとつの細かいパーツ(プログラム)に分け、設計書を見ながら開発者がパーツづくり(プログラミング)をできるようにしていきます。
開発
設計図ができたら、いよいよ大工さんや各工事会社が家づくりを開始します。
これが開発です。
いわゆる「プログラミング」をする工程です。
内部設計で作成された設計書をもとに、プログラムを組んでいきます。
システム開発のうち、この「プログラミング」だけを担当する人のことを「プログラマー」とも呼びます。
テスト
家ができたら、電気や水道、それぞれの部屋の機能に問題がないかを各工事会社がチェックします。
これがテストです。
テスト工程では以下のように様々なレベルでテストを行い、問題があった箇所を修正していきます。
- 単体テスト
- 連結テスト
- 総合テスト
- 性能テスト
⇒ひとつひとつのプログラムが問題なく動くか確認する
⇒複数のプログラムが連動して正しく動くか確認する
⇒実際の業務を想定したデータや環境で行う
⇒大量のデータ処理にも耐えられるか確認する
運用・保守
なにも問題がないことが確認できたら、いよいよお客様に家を納品します。
お客様が家に住み始めてからも、必要に応じてハウスメーカーがアフターサポートやメンテナンスを行います。
これが運用・保守です。
システムのトラブルへの対処や、要望によって新しい機能の追加などを行います。
電気がつかない!天井から雨漏りが・・・といったトラブルに対応したり、二世帯住宅に改築したい!といった要望に対応したりするのと同じですね。
システムエンジニアには専門分野がある
システムを作り上げるには、家を建てるように様々な工程があることをご説明しました。
この開発工程のうち、要件定義~外部設計を「上流工程」、内部設計~運用・保守を「下流工程」と呼ぶことがあります。
上流工程と下流工程のシステムエンジニア
開発の全工程をひとつの会社だけで行うことは多くありません。
専門性の異なる複数の会社が協力して開発する場合が多いのも、家づくりと似ています。
多くの場合、顧客から直接案件を受注する会社(直請け、一次請け)が上流工程を担当し、下流工程はいくつかの会社(下請け、二次請け)に割り振ってプロジェクトを進めます。
大手ハウスメーカーがデザイン・設計を担当し、下請けの工務店の大工さんたちが家を作る・・・
といったイメージです。これも家づくりの現場と似ていますね。
どのような会社で働くかによって、システムエンジニアの専門も変わります。
上流工程を担当する会社で働くならコンサルティングやシステム設計が専門です。
家づくりでは、営業職や建築士やインテリアコーディネーターがその役割を担います。
下流工程を担当する会社なら開発が得意なシステムエンジニアがその工程の役割を担います。
家づくりでは、大工さん、内装工、外装工、設備工事屋さんなどが担当します。
専門分野を持つシステムエンジニア
また、ひとつのシステムは様々な要素で構成されています。
パソコンなどのハードウェアや、ネットワーク、データベースなどの要素があり、それぞれの専門知識やスキルをもったシステムエンジニアがいます。
家づくりでは、設備工事屋さんでも、電気工事屋さん、水道屋さん、空調工事屋さん、通信設備屋さんなど専門分野の会社が各工事を担当します。
システムエンジニアもそれと同じように専門があるということです。
上流工程でも下流工程でもさらに細分化して分類されます。
ひとことでシステムエンジニアといっても、十人十色の個性があるんです。
「システムエンジニアとは」まとめ
システムエンジニアとはどのようなものか、ポイントをまとめてみます。
- システムとは、業務をやりやすくするための仕組みのこと
- システム開発の工程は家づくりの流れと似ている
- 様々な専門を持ったシステムエンジニアがいる
システムは社会のあらゆるところで活用されており、私たちの生活にも身近な存在です。
システム開発の現場では、様々な個性・強みをもったエンジニアが活躍していて、一軒の家を建てるように、チームでプロジェクトを進めています。
この記事を読んで、システムエンジニアに対して「意外と身近な職業で、一人一人が個性を発揮できる仕事なんだ!」と感じていただければ幸いです。
なおシステムエンジニアに向いてる人はどんな人か、気になるあなたは以下の記事をご覧になってください。