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社内SEに本当に必要なスキルとは?【ヒント:情シス不要論】

転職して社内SEになりたいけど、求められるスキルはどの程度なんだろう?
社内インフラの設計スキルなどかな。。

そんな疑問にお答えします。
本記事では、主に以下の内容を解説いたします。

  1. 今現在、社内SEに求められているスキル
  2. 社内SEに求められる人物像
  3. 社内SEに必要なスキルの本質

昨今「情シス不要」が囁かれる中、社内SEに本当に必要なスキルとはいったい何なのでしょうか。

社内SEとして16年働いてきた私が、これからの時代に通用する社内SEのスキルについてお伝えしますのでご参考になさってください。

社内SEに求められるスキル

社内SEに求められるスキルというと、あなたは何をイメージしますか?
以下のような専門スキルでしょうか?

  • ネットワーク設計・構築スキル
  • インフラ設計・構築スキル
  • セキュリティマネジメントスキル
  • データベース設計・運用管理スキル
  • システム設計・開発スキル

どれもすべて正しいです。
しかし、1人で全てのスキルを習得するのは無理があります。

上記の専門スキルが必要とされていたのは、自社内のネットワークにサーバを構築するのが主流だった5~10年ぐらい前の話になります。

今でも、どれか必ず1つ専門スキルを軸足として得意分野を持っていた方が良いですが、全ての専門分野について精通している必要はありません。

「餅は餅屋で」というように、専門スキルは専門家に任せるという考え方を持つようにして、それぞれの専門家が何を話しているのかわかる、というレベルであれば問題ありません。

では、専門スキルを求められなくなった社内SEは、今現在何を求められているのでしょうか?

現在のトレンドやニーズとして、お答えします。
目の前の問題だけでなく、それを取り巻く全体をも俯瞰して根本から解決する能力が求められています。

すなわち、社内SEとして大事なスキルは「課題解決力」と言い表すことができます。

【社内SE】求められる人物像とは?

では、社内SEにとっての「課題解決力」とは何でしょうか?
これを説明する前に、昨今の社内SEを取り巻く環境についてお話します。

現在、システムのクラウド化が進んで”所有から利用へ”という流れが主流になりました。

クラウドサービスの台頭により、情報システム部門を介さなくても、人事部や総務部が自分達でクラウドサービスを選んで導入できるようになっています。

こんな状況になり、5年ぐらい前から「情シス不要論」(参考:日立IoTプラットフォームマガジン)というキーワードも出てきまして、従来型の社内SEを続けているような人達は日増しに肩身が狭くなってきているのが現状です。

ですので、具体的なITの専門スキルの人材確保が必須要件でなくなってきております。

もちろんITに精通しているに越したことはないのですが、設計・構築をする専門家である必要はないというイメージになります。

目の前のヘルプデスクやトラブルシューティング、設計や構築など専門的な作業は極力アウトソーシング化してしまって、もっと”本質的なテーマ”に取り組むことが社内SEには期待されています。

今「社内SE」に求められている人物像というのは、社内ITの全体最適化・戦略立案ができる「コンサルタント」「プロデューサー」「アドバイザー」なのです。

このような背景もあり、現在、社内SEに求められている人物は「社内ITの全体のコンサルスキル」を持ち合わせいる人と言えます。

社内SEに必要なスキル「課題解決力」の本質

社内SEに必要なスキルは「課題解決力」だ!と言われてもあまりピンと来ないでしょうから、本質を分かり易く説明します。

「課題解決力」は、漠然とした問題や悩みを抱えている相手(ユーザー・経営者)に対して、以下の流れで取り組みます。

  1. 問題・悩みの本質的な課題を洗い出す
  2. 課題の解決方法を自ら具体的に考える
  3. その解決方法が良い理由を説明する

端的にいうと、課題を見える化して、自ら解決に取り組むスキルです。自主性・主体性・積極性が求められるスキルになります。

社内SEになると、最初はユーザーから要望や指摘を受けたり、上司や経営者からの課題や期待に一所懸命応えようと努力することでしょう。
この姿勢は間違っておりませんし、最初は誰でもここからスタートです。

しかし、どこかの時点で、”指示待ち型”の姿勢ではなく、自ら課題を見つけ、その課題にITを活用して自ら解決する”意思決定型”へとシフトする必要があります。

意思決定は多くの情報と判断力が必要ですので、”指示待ち型”でいる方が気が楽じゃないの?と思うかもしれません。

しかし、上述のクラウドサービスの例のように、自社にサーバを用意する必要もなく、情報システム部門を介さずにソリューションを導入できてしまう時代になってしまいましたので、情報システム部門は何のためにあるのか?が問われてきています。

あなた自身の社内SEとしての重要性を周りにアピールし、理解してもらわなければ、自分の存在価値・存在意義がなくなってしまいます。
私自身は会社の情報システム部門は必要だと考えています。

会社全体のITについて、全体最適化を考えられるのは情報システム部門だけだからです。
各部所がそれぞれに意思決定して導入したシステムは部分最適化に留まってしまいやすいです。
各部所は「木を見て森を見ない」傾向があります。木も森も両方見ているのは情報システム部門だけです。

このためにも、”意思決定型”の社内SEへ早くシフトし、「課題解決力」というスキルをもっと磨いていきましょう。

”意思決定型”へのシフトを習慣づけるアプローチとして、「どうしましょうか?」という質問ではなく、「このようにしたいのですが、よいでしょうか?」と確認・了解をもとめるようにすると良いかもしれません。

課題解決策を考えるのは大変で一苦労ですが、1つの課題を突き詰め、追い求めていくと、ある日突然、どこかでフッと解決の糸口が見えてきたりするものです。

精神論にはなりますが、「逃げない」「投げ出さない」「諦めない」といったマインドもスキルと共に必要です。

社内SEに本当に必要なスキルまとめ

社内SEとしての「課題解決力」は今後益々、重要さが増してくると考えられます。
記事の内容をまとめます。

まとめ
  1. 今現在、社内SEに必要なスキルは「課題解決力」
  2. 社内SEに求められている人物は「社内IT全体のコンサルスキル」を持ち合わせいる人
  3. 社内SEの「課題解決力」の本質とは、社内ITにおける漠然とした問題に対し課題を見える化して主体的に問題解決に取り組む姿勢

IT業界の技術進化の早さは”ドッグイヤー”として、犬の成長が人と比べて速いことに例えられますが、技術がどんなに進歩しても、悩みや課題を解決してほしいという需要はなくなりません。

機械的なスキルだけでなく、悩みの本質を分析して主体的に解決できるスキルがあれば社内SEとしての存在価値があるというものです。

なお社内SEになる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。

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こばちゃん
理系(工学系)の大学院卒。 都内の民間企業の情報システム部門に所属。現役の社内SE。 情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験合格 食べ歩きが好きな食いしん坊です。
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