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【女性SEの将来】キャリアプラン実現のプロセスと共に解説!

IT業界の市場規模は年々拡大してきており、ITは今や社会を支える重要な技術です。
そして、IT業界に限らずほかの業界でもITが使われるようになり、ITを扱える人材を求める声が高くなっています。

それに伴い、今後さらに需要が高くなるSEの仕事ですが、女性の仕事としてどんな将来を見通せるのか気になるところです。
今回は女性SE歴25年の私が数々の経験をもとに、女性SEの将来について、キャリアプラン実現のプロセスと共に解説します

IT分野の将来は女性SEの増加が加速する

「エンジニアは女性に向いていない」といわれていましたが、IT分野の飛躍的な発展に伴い女性エンジニアの需要が高まっているため、将来、女性SEの増加が加速すると思われます。

事実、女性エンジニアへの転職率は9.5倍と増えており、女性SEを受け入れている企業が多くなっているのです。(参考:リクルートキャリア 転職市場情報「日進月報」2019年3月より)

この背景には、「女性活躍推進法(厚生労働省 平成28年4月施行)」をはじめ、「新・ダイバーシティー経営企業100選(経済産業省)」を平成27年より実施するなど、女性の働き方改革により女性が働きやすい環境を整える企業が増えていることがあげられます。

では、どのようなIT分野で女性SEが活躍できるのか分野別に見てみましょう。

SEの需要が最も高いのはSIer(エスアイヤー)系SE

SIerとは「システムを構築する会社」の事で、非IT企業や官公庁・銀行等のシステム開発事業を一括で請け負っており、IT業界の7割を占めます。

SIer企業は大きく分けて4つの分野に分けられます。

SIerのプロジェクトは多岐にわたります。
一例をあげると、日本年金機構の年金システムなどの官公庁のシステム開発、銀行系では合併等によるシステム統合やネットバンキングなどのシステム開発、医療系は電子カルテや医療画像処理などがありす。

女性SIerSEの働き方の特徴

ユーザーは大手企業であり、エンジニアは客先に常駐して働くのが基本スタイルです。
開発の工程に従って順番に作業を行い、成果物を明確にし納品するという作業になります。

SIer企業はSEの経験と技術を特に重要視しています。
仕事で男女の区別をされたくない、スキルを評価してほしいという女性SEには適しています。

SEとしての経験を積み、スペシャリストを目指す女性SEであればSIerSEをお薦めします

納期厳守の仕事になりますからシステム開発の過渡期には残業・休日出勤を強いられることもあります。
女性の出産・育児といったライフステージによっては厳しい働き方になることもあるでしょう。

女性SEのスペシャリストを目指すときには、ライフプランと合わせて考える必要があります。

SIer企業の女性に向けたサポート体制を見極める

SIer企業のプロジェクトは国内のIT市場で最も大きな割合を占めており、システムエンジニアの需要が最も高い分野です。

大手企業が多く、働き方改革が進んでおり、女性SEの採用の強化、女性のライフステージに沿ったサポートが整いつつあります。
SIerSEは、多くの女性SEの活躍を期待しているIT分野なのです。

ですが、まだ女性SEの働き方推進が始まったばかりです。
企業によってはサポートが行き届いていない場合もあります。

働く女性SEのライフステージに合わせたサポート体制がどこまであるのか、SIer企業に対して見極めることが必要です。

社内SEは女性SEを歓迎する企業が多い

社内SEとは、社内の情報システム部で働くSEのことを指します。

社内SEの仕事は、基幹システムやサーバーの運用保守、社内ネットワークの管理、各種アカウントやライセンス管理、社員に対するサポート管理など幅広くあり、業務内容は企業によって異なります。

社内SEの働き方の特徴

社内SEは自社に出勤し、主に自社内のシステム及びインフラの構築・管理を行います。
ユーザーが自社の社員になり、ユーザーの声をより近い場所で聞き対応していくことができる環境でもあります。

そして、社内SEのマネージャークラスともなると、社内システムにていかに効率を上げることができるかなど経営の視点から考えることも必要となります。

社内システムの管理・運用という継続的な作業になりますのでルーチン的な作業が多くなりがちです。
自社内のビジネス戦略の把握がITスキルよりも優先されますから、その企業独自のノウハウを蓄積しやすく腰を据えてじっくり取り組めるというメリットがあります

またSIerSEのような過酷な残業や休日出勤を強いられることは少ないでしょう。

社内SEは女性SEを求めている

製造業、建設業などの一般企業でもシステム部門を取り入れている企業は急速に増え、システムエンジニアの需要は年々高くなっています。
特に女性ならではのコミュニケーション力を求める企業が多く、社内SEに女性SEを求める声は高いのです。

そして、女性SEの受入れ体制を整える企業も増加しています。
SIer企業同様に女性SEに対する企業のサポート体制の見極めが必要ですが、社内SEは女性SEのライフステージに合わせやすい働き方ともいえるのです

なお女性SEの職場・労働環境については、以下の記事をご覧になって下さい。

SEを目指す女性が気になる労働環境3選|現役女性SEの私が解説近年、様々な分野でITを活用する事業分野が拡大し、システムエンジニアの需要が高まっています。 そして、「システムエンジニアを目指したい...

在宅ワークは女性SEのライフステージの強い味方

ITの拡大に伴い、最近ではエンジニアの在宅ワークという働き方も普及し始めてきました。
SEの在宅ワークはまだまだ発展途上の働き方ではありますが、コミュニケーションツールの普及に伴い増えてきています。

SEの在宅ワークでは仕事に制限があり、周囲の人とは綿密なコミュニケーションが必要とされず要求された成果物の提出が重視されるものになります。

在宅でできるエンジニアの仕事は、SEというよりもプログラマに近い仕事です。

在宅ワークSEの働き方の特徴

「場所を問わず在宅で仕事ができる」「好きな時間に仕事ができる」ことが在宅ワークの大きな特徴です。
しかし、SEの在宅ワークは客先との定例会で週に1度出勤をすることが求められることもあります。

最近では、以下のようなツールを使ってコミュニケーションを取ることも増えてきました。

コミュニケーションツール

  • Skype Googlハンズアウト 等のテレビ電話
  • チャットワーク、Slackなどのチャットツール

企業が提示している仕事の条件を確認し、自分の働き方に合った在宅ワークを選ぶ事になります。

在宅ワークは女性SEを続ける手段の一つと考える

女性SEが出産でSEを一度辞めて育児が落ち着いてから復帰を考えたとき、ブランクから復帰に対して不安が出てきてしまいます。
ですが、在宅ワークで育児をしながらエンジニアの仕事から離れないようにする事で、ブランに対する不安も軽減されSE復帰がしやすくなるのです。

在宅ワークは仕事内容に制限があるため、女性SEとして仕事の満足度は低いかもしれません。

ですが、場所・時間を問わず仕事ができる点は女性SEが出産・育児というライフステージを向かえてもエンジニアの仕事を続ける事ができる働き方の一つといえます

プチ・アドバイス

IT分野はIT業界にとどまらず一般企業にも拡大しており、女性SEを求めています。
そして、企業の女性SEのライフステージサポート体制も進んでいます。

ITの各分野では女性SEの活躍が求められているのです。

【女性SE】キャリアプラン実現のプロセス

女性SEとして仕事をしていく上で、まずは「スキルを身につける」事からスタートします。
そして「管理職を目指したい」「高収入が得たい」「結婚・出産しても続けたい」とそれぞれ将来のキャリアプランがあると思います。

女性SEとしてキャリアプランを実現するためのプロセスを解説します。

まずはSEのスキルをしっかり身につける

システムエンジニアという職業は技術職ですので男女の区別なく評価されます。
そして、今やIT業界だけでなく一般企業においても求められる需要の高いスキルになります。

SEになる為には下積み時代があり、男性で早くて3年、女性であれは5年~8年かかるでしょう。

SEの技術が一番身に付くのは「SIerSE」です
大手企業の開発プロジェクトですので、開発工程のやり方や新しい技術を学ぶ事ができます。

「社内SE」では新しい技術や開発の工程などのスキルを身につける事は難しいですが、その企業独自のエンジニアとして活躍することはできます。

女性SEとして幅広く活躍したいと考えててる方は「SIerSE」でスキルをしっかり身につける事をお薦めします。

管理職よりもプロジェクトリーダーを目指す

日本の企業における管理職の女性の割合は10%以下(医療・福祉を除く)が現状です。
システムエンジニアは技術職ですので、直接管理職に結び付くとは言い切れません。

しかし、開発のプロジェクトリーダーはSEの実績・経験で抜擢されますので女性SEでも目指す事ができるポジションです

「SIerSE」のプロジェクトリーダーには、各開発工程の経験だけでなくコミュニケーション力が必要です。
クライアントイアントや会社にリーダーとして勤められることを積極的にアピールしましょう。

「社内SE」では会社の業務把握、社内システムからみた効率などの経営的な視点、各部署とのコミュニケーション力がプロジェクトリーダーに求められます。

SEの経験と職歴で高い収入を得る

システムエンジニアの収入は高いと言われています。
日本の女性の平均年収は258万に対し女性SEの平均年収は420万となり、一般事務職に比べ1.8倍です。
(参考:2019年厚労省資料「賃金構造基本統計調査」・国税庁「民間給与実態統計調査」より)

しかし、SEになっていきなり高い収入が得られる訳ではありません。
実際に女性SEの収入が高くなるのは30代からで約420万、50代が約600万でピークとなっています。

SEの経験をしっかりと積み仕事を続けていくことで女性でも高い収入が得られるようになるのです。

SEの中でも高い収入を得ることができるのは「SIerSE」です。
SIer企業はSEというスキルに対する評価が高く、それが高収入に結び付いています。

「社内SE」でも一般の事務職に比べれば収入は高くなりますが、あくまでも一般企業のシステム部門担当というポストになるため、SEとしての職務手当が付く程度と考えていた方が良いです。

企業のサポート体制で長期的に安定して働ける

女性が結婚・出産・育児を迎えても仕事を続けるためには「家庭と仕事の両立」が問題になります。
システム開発の仕事は女性のライフステージに合わず結婚・出産を機に辞める女性が多くいました。

しかし、SEの人材不足から女性SEの受入れを政府が中心となって推進しており、女性SEが長期的に安定して働ける環境が整いつつあるのです。

「SIerSE」はSIer企業が既に女性の受入れ体制を進めています。
しかし、どこまで体制が整っているのか、自分のライフスタイルにどこまで合っているか、長く続けるにはサポート体制の見極めが必要です。

「社内SE」は主に保守管理の仕事なので納期や残業がもともとない事が多く、女性が長く仕事がしやすい環境でもあります。

ライフステージが変わってもSEの仕事を無理なく続けたいのであれば、「社内SE」をお薦めします。

プチ・アドバイス

女性SEとしての将来のキャリアプランを描きましょう。
そして、自分のライフステージがキャリアプランにどのように影響するのか考える必要があります。

女性に対する企業のサポート体制が女性SEのキャリアプランに対して重要なポイントになるのです

なお子育てと仕事の両立について、詳しくは以下の記事を参考にして下さい。

SEとして働く女性の出産や子育ては仕事と両立できるのか?現代社会では女性の社会進出がめざましく、出産後も子育てをしながら仕事を続けたいと考える女性が増えています。 ですが、仕事と家庭を両立す...

女性SEの将来まとめ

IT業界は市場が拡大する中、人材不足の深刻化が続いています。
システムエンジニアは引く手多数で、女性SEとしての将来のキャリアプランが実現しやすい環境になってきました。

ここで、これまでに解説した内容をまとめてみました。

女性SEの将来まとめ
  1. IT業界・企業では女性SEが活躍できる場へと進化している
    • SIerSEは企業のサポート体制の見極めが必要
    • 社内SEは女性SEを求めている
    • 在宅ワークはSEを続ける手段の一つ
  2. 女性SEのキャリアプランには企業のサポートが重要
    • SEのスキルをしっかり身につけるにはSIerSE
    • SIerSE・社内SEでプロジェクトリーダーを目指すことができる
    • 高収入を得ることができるのはSIerSE
    • ライフステージの変化に合わせて働きやすいのは社内SE

IT分野におけるエンジニアの需要は今後も高くなり、女性SEが活躍しやすい分野へと進化しています。
女性SEの更なる活躍を期待しています。
なお女性SEの転職方法については、以下の記事を参考にして下さい。

女性SEの失敗しない転職方法&どんなとき転職を検討すべきかを解説SEとして仕事を続けている中で、一度は「転職」を考えたことありませんか? そして、このように悩みますよね。 どんなとき転職すべき...
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