「調理師から転職したい」
あなたも一度くらいそう思ったことがあるのではないでしょうか。
私は、何度もあります。
では、なぜ転職したいと思うのでしょうか。
今回は調理師が転職したいと思うのはどんなときか、その主な理由を5つ挙げます。
あなたもその理由に当てはまっているか、チェックしてみてください。
またその理由に当てはまる時、どうすれば大好きな調理師を続けられるのでしょうか。
その対策についても合わせて解説します。
調理師が転職したいと思う理由5選
あなたが調理師から転職したい理由は一体何でしょうか?
せっかく苦労してなった調理師を辞めてまで転職するのですから、何か理由があるはずです。
まずは、自分の心の中を明確にする必要があります。
これから代表的な転職したい理由を挙げていきます。
この中に、あなたが転職したい理由はありますか?
人間関係や職場が肌に合わない
調理師に限らずどの職場でも必ずと言っていいほど上位に入ってくるであろう理由が職場での人間関係です。
特に調理師業界は、縦社会、体育会系で上司や先輩の言ったことは絶対に守らなくてはならないような雰囲気があります。
このような体育会系な職場は、調理師業界に非常に多く、特徴としては上下関係が明確であり、「挨拶に厳しい」、「気合が足りないから体調を崩すといった精神論がある」などなど。
特に新人には厳しく仕事を覚えさせるような風潮があるのです。
新人の頃はこの上からのプレッシャーが強く我慢が強い者でないと堪え切れず、たちまち辞めてしまうのです。
体育会系の気質が合わない人にとってはとても窮屈に感じられてしまいます。
私の転職の場合も人間関係によるところが多少なりともありました。
私は個人店のフレンチレストランに勤めていました。
お店の規模は小さく従業員もオーナーシェフとそのマダム、それと正社員の私とアルバイトが一人の合計4名の職場でした。
家内工業的な職場は、オーナーの家庭が前提としてあって、それに少なからず惑わされ翻弄されることがあったのです。
良く言えば、アットホームな職場ですが、肌に合わないと息がつまってしまいます。
こうした状況は個人店に多く注意が必要です。
長時間労働がきついから
調理師の仕事は、朝から晩まで、それも夜遅くまでと長時間になりがちです。
それも仕事中は基本立ちっぱなしで重い鍋を持ったり、フライパンを振ったりですから、体力的にも相当きついです。
帰宅してから次の日のまかないのメニューやお店の新メニューを考えるなどで自由な時間もあまりとれません。
1日に12時間以上働くこともざらです。
そのような理由からか、法定労働時間の8時間以内で働きたいと考える調理師も多いのです。
昨今でこそ”働き方改革”として長時間労働の解消が叫ばれていますが、調理師業界にはまだまだ大きな動きは見られません。
個人的な見解としましては、社会の背景に深刻な労働力不足があります。
調理師業界は特にこれが大きいです。
働き手を増やして労働生産性を向上したいところではありますが、調理師不足により現場での一人当たりの負荷はますます重くなっています。
そんな状態ですから、労働力は増加するどころか調理師を辞める人の数が多くなり、その結果調理師が減少してしまいます。
それに、少子高齢化の今、労働力の低下はより顕著に表れてくるでしょう。
よってこれからも調理師業界の労働時間は大きく変化することはないように感じます。
※調理師の仕事のきつさ大変さについては下記の記事にて詳細に解説してありますので合わせてご覧下さい。
給料が低いから
長時間労働のうえ、休みも少なく残業も多くある。
これだけ長く働いていれば給料も比例して良くてもよさそうなものですが、現実は厳しいです。
調理師の給料は待遇の割には決して多くはないのです。
こうした経済的な理由から自分の将来が不安になり辞めていく調理師も大勢います。
私の場合も低給料が大きな理由の一つでお店を他に移った経歴があります。
新人時代だったとはいえ、正社員だったにもかかわらず、アルバイトよりも安い賃金で働いていました。
低給料、長時間労働、休日が月に4日で残業代も付かなければ、社会保障も付かない。
そんな労働環境のもと、3年間は我慢してきたのですが、4年も5年もということを考えたら先行きが不安になってしまい辞めてしまいました。
やりがいを感じられないから
最初はどんな人でも料理が好きで、理想の調理師像などがありやる気に満ちていたはずです。
それが、どうしてやりがいを感じられなくなってしまったのでしょうか?
少し例を挙げてみます、主に以下のような理由でやりがいを感じなくなってしまうのではないでしょうか。
- 毎日、家と仕事場との往復の繰り返しで何のために生きているのか分からない
- 毎日、上司や先輩たちからの罵声でストレスが溜まる
- 調理師なのに料理を作らせてもらえない
- 実は、調理師の仕事が向いていない
- 仕事のマンネリ化
これらの症状は程度の差こそあれ、放っておくとあまり精神的にも良くありません。
誰かに相談するなど早めの対策が必要です。
理想と現実のギャップに苦しむ場合もある
最初は、誰もが憧れてなる調理師ですが、実際に働いてみると理想と現実にはギャップがあるものです。
例えば、調理場として入社したにもかかわらず、最初は何でもこなせるようにということでホール係を任せられ、そのうち2年も3年もホール係しかやらせてもらえなかったりです。
給食施設などの大量調理の現場でありがちなのが、時間内に料理を作ることを優先され、本来の料理を作るうえでの楽しみや工夫などがあまりなく単調な作業に終始してしまう。
こうした理想と現実のギャップは始めの理想が高いほど絶望感も大きくなります。
そうして、退職または転職を考えるようになるというパターンです。
大好きな調理師を続ける対策【転職先を選ぶ】
これまで一般的な調理師が抱く転職理由を挙げてきましたが、業種を変えずに転職することはできないものでしょうか?
私の経験から言うと、料理をすることが苦痛になったのでなければ、まだ可能性は残されています。
では、どのような職場ならあなたの転職が成功するのか、考えてみたいと思います。
あなたの性格に合った規模感の職場を選ぶ
先程も述べましたが、私も少なからず人間関係が理由で職場を移った経験があります。
あまりにもアットホームな職場だったので肌に合わず、ずっと一人で悩んでいました。
私はオーナー所帯と一定の距離感を保てるほうが性に合っているんです。
家内工業的な職場では移ってもまた嫌になることが目に見えていたので、職場を決める判断として前の職場よりも従業員の数がもう少し多いところ、かつオーナーとそのパートナーが一緒に職場で働いていないところを調べて探しました。
調べたら、個人店でもこういう条件下の職場は少なからずあって、私はその甲斐もあってか以前よりも規模が一回り大きい個人店に就職することができました。
そこでは、従業員も以前より多くいたので、ちょっとした相談もしやすく快適に働くことができました。
オーナーとそのパートナーが一緒に働いているところだと、どうしてもそこの家庭が職場に持ちこまれてしまうのですが、オーナーが一人だとそんなことも無く逆に気を遣わずに接することができたことが大きいと思います。
勘違いしないでいただきたいのですが、家内工業的な職場が悪いと言っているわけではありません。
性格によっては、そういうこじんまりとした職場の方があっている方も多くいると思います。
大きな職場だといろんな人に気を使わなければならないので、そういうのが苦手な人にとっては小さな職場の方が肌に合うというわけです。
あなたはどちらのほうが性に合っていますか?
職場にはそれぞれ特徴があってそれぞれ良い悪いがあります。
以上から自分の性格を鑑みて職場の規模感で選ぶのも良いですよ。
長時間労働がない職場
調理師の職場はどこも長時間労働になりがちだとは言いましたが、諦めるのは早いです。
調理師の仕事でも1日12時間も13時間も働かなくても大丈夫な職場はあるのです。
- 学校給食・保育所
- 社員食堂
- 病院・高齢者施設
- 大手チェーン店
上に挙げた職場はどれも決められた時間で仕事をすることが多く、完全週休二日制のところが多いのが特徴です。
長時間労働の上、休みも少ないから調理師なんて辞めてやるという前にこのような職場を一度検討してみてはいかがでしょうか。
給料や福利厚生に納得できる職場
給料が低いのが問題なら個人店よりもホテルや企業に勤めた方が有利な場合が多いです。
また、給料だけではなく、福利厚生に関しても個人店は厳しい条件のところが多いでしょう。
私が職場を変えた理由も一番は給料の低かったからです。
当時はアルバイトよりも安い給料で働いていました。
移った先のオーナーに給料が16万円で長時間労働だったことを告げると、「それは、いいように使われたね」とあっさり言われてしまいました。
加えて「東京で一人暮らしするなら最低でも20万円くらいはないと厳しいでしょ」とも言っておられました。
このことで、オーナーによってもいろいろな人がいるんだと学びました。
個人店が一概に駄目なわけじゃなくて、そこのオーナーの考え方で待遇もずいぶん変わってくるものです。
この点からも個人店に就職する場合、良いオーナーさんとの出会いが鍵となります。
調理師が転職したいと思う理由まとめ
ここまで、調理師の主な転職理由と異業種に転職しなくても改善できることもあることを紹介してきました。
- 調理師から転職したい理由とは?
- 人間関係や職場が肌に合わない
- 長時間労働
- 給料が安い
- やりがいが感じられない
- 理想と現実のギャップに悩む
- 大好きな調理師を続ける対策【転職先を選ぶ】
- 規模感が性に合う職場
- 長時間労働がない職場
- 給料や福利厚生に納得できる職場
今回は調理師からの転職を成功させるために大事なことを紹介しました。
まずは、自分がなぜ調理師から転職したいのかその理由をはっきりとさせること。
また、異業種への転職ばかりではなく、調理師として職場を移して活躍し続けるという選択肢も視野に入れましょう。
あなたの条件や状況次第では、まだまだ改善の余地がある可能性があるのです。
あなたの転職あるいは調理師としての活躍を期待しております。
なお、調理師の転職活動について、以下の記事で詳しく解説しています。
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