派遣の中でも高時給と言われるSEですが、職種は幅広く、時給もピンキリです。
未経験でも時給は高いの?どんなスキルがあればいいの?など疑問はつきませんよね。
私はもともと正社員SEとして、いわゆる3K(きつい・帰れない・給料が安い)な働き方をしていました。
そして数年前に家庭と仕事の両立や将来のキャリアアップを考えて転職しました。
幸いにも転職はうまくいき、派遣SEになってからなんと正社員時代より少ない労働時間で高い年収を得てるんです。
今回は派遣SEの職種ごとの時給相場と高時給を狙う鉄則を解説します。
派遣SEの時給を左右する要因
リクルートジョブズリサーチセンターの調査によると、三大首都圏での「IT・技術系」の平均時給は2,116円(2019/12時点)。
全職種平均の1,630円より500円近くも高いことがわかります。
(参考:2019年12月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査)
ただ、時給の幅はかなり広く、職種によって平均1,700〜2500円程度となっています。
時給を左右する要因はどこにあるのでしょうか?
スキル・経験によってかなり幅がある
実は、SEと一口に言ってもその分類は様々。
派遣会社のサイトを見てみると、大きく分けて以下の4つに分類されることが多いです。
- システムの開発に携わるSE・プログラマ
- システムの運用管理・保守
- ユーザーサポート・ヘルプデスク
- テスト・評価
中でも最も時給が高い傾向があるのがSE・プログラマ。
システム開発をメインとする職種で、大手からベンチャーまで多くの求人があります。
どの職種においても求められるのはとにかくスキルと経験です。
誰でもできる仕事ではないからこそ、高い時給が提示されるんですね。
SEでも未経験可の案件もありますが、これは要注意です。
未経験可のSE案件は時給が低い・仕事内容がハード(逆に超単純作業)なものが多く、できるだけ避けることをおすすめします。
そして、スキルと経験を生かして高時給を狙うのであれば職種ごとにポイントがあります。
後ほど紹介しますね。
希望する時給にこだわるべきか
結論から言うと、こだわるべきです。
派遣先が決まるまでは、どうしても早く決まりたくて謙虚になりがちですが、特に派遣SEは時給と仕事内容が連動しやすいです。
つまり、時給が安いほど「誰にでもできる仕事」「スキルアップが見込めない仕事」になりがちですし
逆に高い時給なら「スキルがつく仕事」「将来のキャリアアップにつながる仕事」を見つけることが可能です。
私の場合、派遣でもキャリアアップできる仕事がしたいと考え、時給3,000円以上にこだわりました。
もちろん誰でもできる楽な仕事を求めて派遣になる人もいますし、その場合は時給のこだわりは必要ありません。
時給のこだわりを持つか?は、自分が重視するものが何なのか?によって決まります。
もし、派遣SEの経験を自分のスキルアップ・キャリアアップにつなげたいなら、時給という目安は重要な要素です。
【派遣SE】職種別の時給相場と注意点
それでは、先程の4つの職種ごとに時給の相場と注意点をおさえていきましょう。
リクルートジョブズリサーチセンターの派遣スタッフ募集時平均時給調査をもとに相場を出してみました。
SE・プログラマ
- 時給相場:2,400〜2,500円程度
4つの分類で一番時給相場が高いです。
大きく分けて上流SEと下流SE(プログラマ)があります。
上流SEは要件定義〜設計、プログラマは実装がメインになりますね。
案件としてはプログラマのほうが数が多い印象があります。
理由としては、大規模案件ではプログラマが大量に必要な場合が多いこと、
社員SEが管理して実装は派遣という場合が多いことが挙げられます。
私は上流SEなので、案件としては少なく職探しに苦労しました…。
他の職種にもあてはまりますが、注意点は自分のスキルと案件がマッチしているか?ということ。
派遣会社によっては、担当者が細かい条件の意味を把握していないことがあります。
(あってはならないことでしょうが、実際に経験したことがあります)
そのようなミスマッチを防ぐにはITに特化した派遣会社を選ぶのがおすすめです。
IT専門の派遣会社にいくつか登録しておくと、条件にマッチした案件を探しやすいです。
なお派遣会社や派遣SEのメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
運用管理・保守
- 時給相場:2,000〜2,200円程度
SEに続いて相場が高い職種です。
運用管理・保守と一言で言っても範囲は広く、求められるスキルや経験が異なります。
担当するシステムは汎用機なのか?クラウドサービスなのか?
仕事内容はマニュアルに沿った管理業務だけか?障害対応などイレギュラー対応もあるのか?
などしっかりスキルマッチを図ることが重要です。
また、運用保守系のお仕事はトラブル対応などで残業が多くなりがちなので、残業の有無についてもチェックしておきましょう。
ユーザーサポート・ヘルプデスク
- 時給相場:1,800円程度
高度なIT専門知識は求められませんが、ある程度のITリテラシーが必要とされる職種です。
さらにユーザーと接する仕事なのでコミュニケーション能力や、場合によっては語学力も必要です。
研修が充実しているため未経験可、という案件も多いですが、やはり経験が優遇されます。
難易度の低そうな案件で経験を積んで、いずれ高時給を狙うというのも一つの手ですね。
なお未経験からヘルプデスクで働く方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
テスト・評価
- 時給相場:1,800円程度
一昔前までテスターといえば素人でもできると言われていましたが、今やQA業務と呼ばれ開発に並ぶほどの重要な職種です。
用意されたテスト項目を消化する単純な仕事もありますが、案件によってはテスト計画やプロセス改善など難易度の高いスキルが求められることも。
このような案件は多くはありませんが、私が今まで見た中には時給3,000円以上の案件もありました。
QA担当でスキルに自身のある方はぜひ高時給を狙って案件を探してみてください。
派遣SEで高時給を狙う鉄則
これまで述べてきたように、高時給を狙うならとにかくスキルと経験が重要です。
はっきりいって未経験で高時給はかなり難しいです。
では、どんなスキル・経験があれば高時給が狙えるのでしょうか?
私の経験をもとにその鉄則を解説します。
需要があるのはWeb・スマホ系
SE案件の中でとにかく多いのがWeb・スマホアプリの開発です。
時代の流れからいって必然と言えますね。
いわゆるプログラマで高時給を目指す人は、ぜひWeb・スマホ系のエンジニアを目指してください。
正直なところWeb系と言ってもHTMLやCSSを扱うコーダーでは高時給を狙うのは難しいです。
もちろん仕事はたくさんありますが、学習難易度が低い=誰でもできる仕事だからです。
誰でもできる仕事に高い時給を払う企業はありません。
PHP、Ruby、JavaはWeb系案件に非常に多い言語です。
競争も激しいので安定した時給が期待できます。
言語のトレンドは変化が激しく、毎年のように新しい言語がトレンドランキングにでてきますが、この3つのどれかができれば当分は困ることはないでしょう。
なお、高時給よりも在宅で仕事ができるコーダーに魅力を感じるのであれば、以下の記事をどうぞご参考になさってください。
上流SEは高時給を狙う
こちらは私の経験を通してお話します。
私はここ数年、派遣の上流SEとして仕事をしています。
時給は3500円です。
一般的な派遣の相場の約2倍です。
驚かれることも多いですが上流SEは顧客との折衝やメンバーの管理など、高度なスキルが必要な職種です。
場合によっては、社員さんを部下につけて業務に当たることもあります。
そのため、派遣先企業からすると、この時給でも正社員よりずっとコストが安いんです。
上流SEはディレクションスキル・マネジメントスキル・コミュニケーションスキルなど様々なスキルが必要です。
しかし、資格のようにわかりやすい形でスキルを表せないので、やはり実務経験が重要になります。
プログラマ以上に経験が重要視されるので、いきなりここを目指すのは難しいでしょう。
一方で時代の流れに影響されにくいので、経験があればブランクなどがあっても高時給を狙いやすいです。
SEが派遣の時給に疑問を感じとき交渉すべき?
さて、いざ派遣SEとして働き始めたとしても、給与と仕事内容のバランスに疑問を感じることは少なくありません。
派遣は入社前の面談があまりできないので、働き始めてから契約と違う仕事をさせられた!ということも。
契約外の仕事をさせる派遣先に注意
よくあるのがOA事務という名目で低時給で雇い、SE業務(システム開発)をさせるパターンです。
OA事務の仕事は、SE・エンジニア枠ではありませんがVBAを扱ったり、開発サポートが含まれることもあります。
OA事務ですが、accessのシステムらしきもの作ってるといったら、「それだとシステム開発者の契約にしないといけないんじゃ?」て、転職の面接で言われました…
— ゆきちゃん (@same_chan) March 19, 2019
こちらのTwitterのように、時給はOA事務のまま、いつの間にかSEの仕事をさせられていた・・・ということも少なくありません。
派遣先企業が人件費を抑えるために、あえてOA事務で募集をかけるという悪質な例もあります。
我が会社の部長は派遣SEの女性を
自分の秘書のごとく、使っている。部長は派遣SEに
「社員のように現場と交渉して事を進めて欲しい」
という人だからね。— 郡山のジュリーまにあ (@JulieKoriyama) January 8, 2020
このように明らかに契約外の業務をさせられる場合もあります。
SEに限りませんが、派遣先の社員が契約内容を理解していない場合もあります。
悪意なく依頼されてしまうこともあるので、流されず常に注意しておくことが肝心です。
できるだけ契約前に業務内容を細かく確認
「やっている仕事が契約と違う!」「時給に見合っていない!」というトラブルをなるべく減らすために必要なこと。
それは契約前にしっかり確認することです。
具体的には、派遣会社に希望を伝えるときに「契約内容をしっかり見ている」「時給にこだわっている」姿勢をみせるようにしてください。
受身の姿勢は禁物です。
このとき、もちろんこだわる分だけ成果が出せるスキル・経験を提示する必要があります。
スキルも経験もないけどこだわりはある!というのはただのワガママですからね。
実力に自身がない人は、時給は低めでも経験が積めるような仕事を選ぶのも手です。
その場合もやはり業務内容や応募資格、条件などをしっかり確認しておきましょう。
おかしいとおもったら派遣元に相談して
事前にいくら確認して契約に至っても、派遣先がブラックだったりして問題が発生することはあります。
その場合は、派遣元企業に相談することも大切なことです。
ただし、派遣の時給交渉は簡単ではありません。(SEに限りませんが)
派遣会社・派遣先企業との関係性や、交渉できるだけの実績・成果などを考慮して交渉に臨みましょう。
正直、契約期間満了後に、もっと高い時給の仕事を探すほうが手っ取り早いです。
嫌なら辞めやすい、次の仕事を選びやすいというのは派遣のメリットなので、こちらのほうがおすすめです。
スキルを上げる意味では対応するのも一つの手
職場環境や人間関係は良いけど、求められる仕事が高度すぎて時給に見合わない・・・
実務経験は身につくけど、時給はイマイチ・・・
このように、辞めるにはもったいないけど時給は不満というパターンもよくあります。
スキルや実務経験を得るために多少不満があっても続けるというのは一つの手です。
実際、私も今の時給を得られたのは、過去に得たスキルと実務経験があったからです。
給料も安く大変な仕事でしたが、それを乗り越えて得たものは私の財産になっています。
派遣SEの時給まとめ
派遣SEの時給を決める要因としてはスキルと経験が最重要なことをお話してきました。
- 派遣SEの時給を左右する要因はスキルと経験
- 職種ごとに相場が異なるので、あなたのスキルに合った案件を見極めよう
- 派遣SEで高時給を狙いやすいのは上流SE、プログラマならWeb・スマホ系
- 時給に疑問を感じたら、交渉するより別の高い時給の仕事を探すほうが早い
基本的にスキル・経験と時給は比例するので、自信がある人は時給にこだわるべきです。
逆に、自信がなければ時給よりもまずスキルを身につける・経験を積むことを重視しましょう。
なおSEの転職先について、以下の記事で詳しく解説しています。
女性SEに限らず男性SEも参考にしていただける内容になっています。
どうぞご覧になってください。