情報化が進む現代社会において、ITの知識を有することは必須と言えるでしょう。
ITのことはIT職に任せておけば良いという時代ではなくなってきています。
あなたが学生でもビジネスパーソンでも、基本的なITの知識をもつことは大きなステータスの1つとなります。
そのステータスを客観的に証明できるのがITパスポートであり、基本情報技術者です。
どちらも国家資格であり、試験に合格することで、わたしは一定水準以上のITの知識を有していますと胸を張って言えるのです。
ITパスポートと基本情報技術者の資格は、あなたがどんな職種に就いていても、必ず役に立つ資格となります。
どっちを取得したらいいんだろう。。
この記事では、ITパスポートと基本情報技術者の違いを以下の観点から解説いたします。
- 習得する内容
- 難易度
- 取得する人物像
- 試験方法
あなたがどっちの資格を取得すべきか判断できるよう徹底解説します。
ITパスポートと基本情報技術者の違い
ITの知識を有していると胸を張るためには、情報処理技術者試験に合格して資格を取得する必要があります。
高校や大学の入試では、資格を有することで加点の対象としているところがあります。
企業では、胸を張れる人材を育成するために、昇進条件の1つとしているところもあります。
それぞれ、どのような資格なのでしょうか?
まず、ITパスポートと基本情報技術者の、それぞれの特徴をみていきましょう。
習得する内容
ITパスポートと基本情報技術者では、習得する内容に違いがあります。
習得する内容と目指すところの違いを以下にまとめます。
- ITパスポートは、IT全般に関する知識を習得し、IT初心者を目指す
- 基本情報技術者は、より専門的な知識を習得し、脱IT初心者を目指す
ITパスポートはすべての情報処理技術者試験の土台となる試験であり、その土台の上に基本情報技術者が位置しています。
基本情報技術者が習得する内容は、ITパスポートで習得する内容を包括しているといえます。
習得する内容に違いがあるということは、それぞれに目指すところが違うということです。
ITパスポート
- ストラテジ系
- マネジメント系
- テクノロジ系
詳しくは試験範囲を確認するのがよいですが、
例えば、AI、IOT、ビッグデータといった単語の意味についての知識を必要とします。
今、こんなの難しすぎる!と思ったあなたも、繰り返し勉強すればイメージできるようになります。
基本情報技術者
- プログラミング言語
- アルゴリズム
あなたがIT職であれば、おさえておきたい知識ばかりが問われますので、初心者ではないことを証明しましょう。
あなたが非IT職であっても、エクセルでマクロを作成するなど、簡単なプログラミングができるようになります。
難易度
情報処理技術者試験の国家資格は経済産業省が認定する資格で、初心者からITのプロフェッショナルまでレベルが分けられています。
基本情報技術者の試験はレベル2、ITパスポートの試験はレベル1に区分けされており、情報処理技術者試験では、レベル1が一番やさしく、レベル4が一番難しいと定義されています。
一般的には、基本情報技術者の方がITパスポートよりも難しいとされています。
私はシステムエンジニアとしてこの2つの資格を取得しました。
レベル順に沿い、ITパスポート試験の合格後に基本情報技術者試験に合格しました。
学習時間を難易度とするならば、私の場合はレベル順通り、基本情報技術者の方が難しく感じました。
仕事からの帰宅後や休日を利用して集中的に取り組んだ勉強時間を以下にまとめます。
- ITパスポート:約80時間(約1ヶ月)
- 基本情報技術者:約170時間(約2ヶ月)
基本情報技術者は午前と午後の2部構成なので、おおよそITパスポートの倍の時間を要したことになります。
この違いから、難易度の違いをイメージいただければと思います。
なおITパスポートを受験するときにおすすめの参考書を以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
取得する人物像
それぞれの資格取得を目指している人は、IT業界に限らず幅広いです。
それは、基本的なITの知識をもつことが、大きなステータスの1つとなるからです。
あなたが資格を取得する目的は以下のどちらでしょうか?
- ITの基本的な知識を習得したい
- IT職として、最前線で活躍できる知識を習得したい
ITパスポート
ITパスポートを取得するべきは以下のような人です。
- IT全般に関する知識を習得したい
- ITを経営にいかしたいと考えている
あなたはITパスポートを取得することで、私はIT全般に関する知識を有しています!と胸を張ることができます。
IT職でないあなたは、まずはITパスポートを取得することをオススメします。
ITパスポートは、すべての社会人が知っておくべき基礎知識ばかりです。
あなたの活躍の場を拡大させるきっかけになるでしょう。
IT職であるあなたは、プログラマでしょうか?システムエンジニアでしょうか?
ITパスポートは、特定の分野だけではなく、IT全般の知識を身につけることができます。
他の分野の知識を身につけることで、コミュニケーションの幅を広げることができます。
コミュニケーションの幅が広がると、より効率よく仕事をすることができるはずです。
ところで普段よく会話する仲間であれば、あなたがITの知識を持っていることを理解してくれます。
しかし、入学志望先の面接官、就職志望先の面接官、初めて訪問する取引先の担当者は、あなたのことを知りません。
ITパスポートの資格をもっていると伝えれば、あなたがITの知識を持っていることを認識してもらうことができます。
ですからITパスポートは、IT全般の知識を持っていることを客観的に証明できる資格なのです。
またITパスポートは法務も含め、経営全般の知識を習得することができます。
ITを経営にいかしたいがどう活用すればよいか悩んでいるのであれば、ITパスポートの勉強をオススメします。
基本情報技術者
基本情報技術者を取得するべきは以下のような人です。
- ITパスポートより専門的な知識を習得したい
- ITエンジニアとして成長したい
あなたは基本情報技術者を取得することで、私はIT初心者以上の知識を有しています!と胸を張ることができます。
IT職でないあなたは、「ITの基礎知識があれば十分だ」と思うかもしれません。
しかし、IT職の方と一緒に仕事をする機会が将来あるかもしれません。
その時、あなたの意見を具体的に伝えられると仕事は効率よく進むでしょう。
また職場内外からITに詳しいとして頼りにされることもありましょう。
IT職であるあなたは、エンジニアとしてさらに成長することができます。
そして、資格を取得することでIT職として大きくキャリアアップすることができます。
プログラミングが主体のあなたは、工程管理能力の基本を身につけることができます。
システムエンジニアでプログラムをあまり組まないあなたは、アルゴリズムの知識を身につけて、仕様書作りにいかすことができます。
基本情報技術者では、ITパスポートでは補いきれない実践的な活用能力を身につけます。
この実践的な活用能力を身に付けるかどうかが、ITパスポートを取得する人物との大きな違いとなります。
ITパスポートと基本情報技術者の試験方法の違い
ITパスポート試験と基本情報技術者試験の大きな違いは、試験方法にあります。
試験方法の違いを以下にまとめます。
- ITパスポート試験はCBT方式で行う
- 基本情報技術者試験は午前と午後がある
ITパスポート試験は情報処理技術者試験の中ではレベル1とされていますが、試験方法が特有です。
基本情報技術者試験は午前の試験が終わると、お昼休憩を挟んで、午後の試験が始まります。
どちらの試験も、どのような試験方法なのかをしっかりと理解しておくことが重要です。
試験当日に、知らなかった!と悔しい思いをしないようにしましょう。
ITパスポート
各会場のコンピュータを利用して受験し、終了後にその場で採点されます。
その場で即座に合否が分かるのが、CBT方式の魅力の1つです。
CBT方式は事前に模擬受験をして慣れておくことをオススメします。
私もCBT方式で受験しましたので、その時のイメージを簡単にお伝えします。
私が受験した場所は、とあるコンピュータスクールの一室でした。
長机にパソコンが並んでおり、それぞれに間仕切りがしてあります。
その中の指定された席に座り、目の前のコンピュータを利用して受験します。
試験会場と操作する端末以外は、模擬受験での予行演習とほぼ同じです。
私の受験時の状況があなたのイメージとなれば幸いです。
- CBT方式での試験方法にしっかりと慣れることが大切
基本情報技術者
試験の構成は、午前の部が150分、お昼休憩を挟んで午後の部が150分あります。
ITパスポートと違い、試験結果は約1ヶ月後に分かります。
基本情報技術者の試験は、実質300分と長丁場です。
特に午後は長文を読み解く必要があるので、エネルギーを使う試験となります。
私はなんとか試験に合格したからよかったのですが、お昼ご飯をしっかりと食べ過ぎたせいか、午後の試験の途中で睡魔に襲われました。
満腹感から、長文読解の途中で集中力が切れてしまっていました。
あなたは当日このようなことにならないよう、私を反面教師としてください。
お昼休憩の時間をどう過ごすかは、事前に計画しておくことをオススメします。
- 午前は四肢択一式で実施される
- 午後は多肢選択式で実施される
ITパスポートと基本情報技術者の違いのまとめ
本記事にてあなたがどっちの資格を取得すべきか判断できましたでしょうか?
ITパスポートは、IT全般に関する基本的な知識を習得できます。
基本情報技術者は、ITパスポートの知識に加えて、より専門的な知識を習得できます。
最後に、ITパスポートと基本情報技術者の違いを以下にまとめます。
- 習得する内容は基本情報技術者の方が多い
- ITパスポートで、IT全般に関する知識を習得する
- 基本情報技術者で、より専門的な知識を習得する
- 難易度は基本情報技術者の方が高い
- 基本情報技術者はITパスポートより倍以上の勉強が必要
- ITパスポート
- IT全般に関する知識を習得したい人
- ITを経営にいかしたいと考えている人
- 基本情報技術者
- ITパスポートより専門的な知識を習得したい人
- ITエンジニアとして成長したい人
- 試験方法
- ITパスポート試験はCBT方式で行う
- 基本情報技術者試験は午前と午後がある
ここ数年で、社会の情報化は急激に進んでいます。
今後もさらに進むと思われます。
10年後、今の基本情報技術者の知識はレベル1に区分けされるかもしれません。
ITパスポートと基本情報技術者の違いはなくなり、同じレベルとなるかもしれません。
しかし、間違いなく言えることは、あなたが勉強することは決して無駄になりません。
ITパスポート、基本情報技術者の資格を取得して、更に高レベルの資格に挑戦しましょう。
なおさらにSE初心者が取るべき資格については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。