画家の収入ほど、あいまいなものはないです。
絵の値段は、ハガキサイズが何円、この絵は何円とかの法律も規約もありません。
作家、もしくは画商が思うような値段を設定できます。
絵が全く売れないこともあれば、ひょんなきっかけで、思わぬ大金が入ることもあります。
画家の収入は個展のみというのが理想だと思います。
ところがそうはいかず、様々な事をして収入を得ていかなければならないのが現実です。
画家は収入を得るために何をどう頑張っているのでしょうか?
今回は画家はどのような方法でどの位の収入を得ているのかを、ペン画家として活動している私の経験を含め実例をあげてご紹介します。
画家が収入を得る方法
誰もが知っていそうな有名画家は、よい作品を描く事だけに頑張っていればいいのです。
ところが我々無名画家はそうはいきません。
画家が仕事として収入を得る方法としてはまず個展が挙げられます。
次にはイベントですが、個人でやるのとグループ、もしくは画商等からの企画があります。
ネットショップも時代に合った仕事として多くの画家が開設して収入を得ています。
同じくネットを利用した仕事として、クラウドワークス等のクラウドソーシングサイトの利用が挙げられます。
収入は多くなりませんが、ないよりは良いという程度です。
その他探せばいくらでもあります。
但しどれも画家の仕事として収入の保証は当然ながらありません。
ではそれぞれの画家の仕事の収入方法について説明しましょう。
画家の一番の収入源は個展
画家が収入を得る王道は、やはり個展です。
個展をするためにまず会場探しをしますが、人気のある画廊は2年先3年先でないと予約が取れなかったりします。
収入を考えるのであれば、どこでもいいという訳ではありませんから、待ったりします。
会場費も人気のある画廊だと1週間で10万円以上かかります。
私が2年前に借りた銀座のAでは1日8万円位しましたが、割引してもらいました。
個展をするとなると、かなり経費がかかります。
会場費はもちろんの事、作者が会場常駐となれば交通費、遠距離であれば宿代もかかります。
宣伝広告費もばかにはなりません。
収支を考えれば、絵を高く売りたいところですが、高すぎると売れない。低すぎると、収入が少ない。
しかもたいていの画廊では売り上げの2割から3割位、画廊側に取られます。
1枚の絵の値段の付け方は、自由ゆえに悩むところです。
個展は経費がかかり赤字になることも多いですが、ファンをつくり収入を得るためには避けては通れない道です。
画家仲間とイベントを出展する
画家が収入を得る為の方法で一番いいのは、百貨店のイベントを利用して個展を開くことです。
私事ですが、個展として某百貨店のイベントで8年程お世話になった事があります。
百貨店のイベントですから宣伝広告から販売、売上伝票起票まで百貨店側が全てしてくれました。
その代わり売り上げの3割は百貨店に支払わなければなりません。
ノルマとして50万円以上の売り上げ目標を言われましたが、それなりの収入を得る事が出来ました。
仲間と一緒に百貨店や屋外等でイベントをする事もありますが、個展と比べれば収入を頭数で割るのではいまひとつですが。
イベントをするなら普段から親しい画家仲間を大勢つくっておくといいです。
企画力と行動力のある仲間がいれば心強いです。
その場合は自分だけで運営するわけではありませんから、仲間意識を大切にしてください。
個展のように一人でお膳立てを考える事を考えれば、宣伝、会場設置は楽ですし、費用も安くできます。
ネットショップを開設する
画家も現代だからこそネットショップを使って収入を得る事ができます。
無料で開設できるサイトもあるし、パソコンのスキルがある者なら自分でサイトを構築できます。
ネットで自分の絵を売る事もできるし自分の絵が入ったグッズも売れます。
私もネットショップを開設していますが、正直言ってなかなか売れません。
はっきり言って知名度は低いし信頼もない、ましてやオリジナル商品は難しいです。
とはいうものの、無料、もしくは安価で開設した後はパソコン相手のみ。
随時更新が必要だが画家と言えども挑戦してみるべきです。
以下に代表的なネットショップを挙げておきます。
簡単に作れますので、登録してみて下さい。
クラウドソーシングを利用する
画家は絵を描いて収入を得るわけですが、クラウドソーシングサイトを利用して、絵のスキルを活かして収入を得る方法があります。
似顔絵、チラシ、ロゴなどの依頼など絵のスキルを活かして収入の足しにする事ができます。
私が登録しているサイトは「クラウドワークス」で、イラスト、漫画、デザイン等のカテゴリーで登録しています。
画家やデザイナー、漫画家など多くの登録者がいるので、ライバルとの激戦になり難易度は高いです。
これから画家やデザイナー等の芸術家を目指すなら挑戦して売り込んでみたらいいです。
私が登録しているサイトに「ラクスル」があります。
自分の絵をカレンダーやマグカップや手提げ袋などにプリント受注して商品を自分の通販ネットで販売したりしています。
受注生産で販売する事ができるので、在庫を少なくして販売する事ができます。
これらのサイトの登録は無料なので登録しておいて、画家の仕事の合間の副収入にしたらいいです。
私が画家の記事を書いてネットで取り上げてもらおうと努力しているのも収入を上げる為の宣伝としての一環です。
ライター記事作成そのものの報酬は独り立ちできるまで殆どありませんが、これからの画家の為の記事ライターとして頑張っていきます。
最近は商品だけでなく、あなたのスキルを売ることができるサイトもありますよ。
あなたも画家の収入の一環として、どれか利用して試してみてください。
以下に、代表的なクラウドソーシングサイトとスキル売買サイトをまとめました。
あなたも活用して収入を伸ばしてください。
以下のサイトでは、画家のスキルを売ることができます。
ココナラは老舗であり、日本最大のスキルマーケットです。
会員登録をして、どんなスキルが売買されているか、覗いてみると大変勉強になりますよ。
今なら無料会員登録で「300円割引クーポン」がもらえます。
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画家が収入を得るにはSNS発信をすべき
絵の事を何も知らない、描いた画家の名前も聞いた事がない、そのような何も知らない人達に自分の絵を売ろうというのだから難しいのは当たり前です。
ましてや絵画を買うという事は、生活必需品でもないし贅沢感があるから、財布の紐はとても硬いです。
だからこそ、まず作品を知ってもらう、自分という画家を知ってもらう為のアピールが必要なのです。
現代では紙面による宣伝アピールより時代にあったネットの利用の方が効果的です。
代表的なものに、皆さんよくご存じのフェイスブック、ツイッターなどがあります。
そしてこれらを使いこなし、連動させた宣伝を行うスキルを身に着ければ収入につながる可能性が高くなります。
私はフェイスブックやツイッターで「リクエストペン画工房」を宣伝しています。
同時に私の絵や絵を印刷した商品をも宣伝しています。
多少の宣伝費はかかりますが収入を得る為には多少目をつぶります。
しかしながら、なかなか収入には結びつきません。
収入を得るためには、まだまだSNSのスキルが足りないと痛感しています。
有名画家になって高収入を得よう
画家は有名にならなければ高収入は難しいです。
有名有名と言うけど何をもって有名というのか?
「なんとなく知名度がでててきたかなあ」自分がそう感じればいいと思います。
そうなるように頑張って頑張って頑張ることが肝心で限度はありません。
若い頃は大きな美術公募展で大きな賞をとればすぐ有名になれると信じていました。
それなりに大きな賞を幾つか頂いたつもりですが、さほど有名にはなれませんでした。
現在海外の賞を目指していますが、有名になれるかどうかは別にして挑戦し続けることが肝心です。
肩書も多く持って威張りましょうという訳ではありませんが、自分からネット等で大げさに宣伝しましょう。
私は「パリSNBA正会員」「国際現代美術家協会代表理事」「文部科学大臣選考委員」「広島支部長」です。
こういうと「すごい!」という人もおられますが、プロならこれぐらいの肩書は誰でも持っています。
画家の収入には肩書、賞歴がなぜ役に立つのか考えてみましょう。
絵に関して何の知識ももっていないお客様がブラリと個展等に舞い込んでこられたとします。
画家の肩書、賞歴を掲げているとお客様は「ホー、そうなのか、これ買っちゃおうかな」と肩書や賞歴に左右されやすいからです。
さあ、貴方も有名画家目指して、とりあえず頑張りましょう!
私が定期購読している新聞に有名画家の絵の値段が以下のように掲載されていましたが、羨ましい限りでございます。
作家名 区分 価格 作品名 1位 千住 博 日本画 17,500,0000 朝の龍 15号 2位 樂 吉左衛門 工芸 10,800,000 焼貫黒茶碗 3位 手塚 雄二 日本画 10,533,000 良兆 15号 4位 島村 伸之 洋画 10,000,000 奏 15号 5位 中島 千波 日本画 8,008,000 爛漫三春の龍桜 30号 (出典:新美術新聞 2019年6月21日発行 美術年鑑社 3ページ 「創と造2019」落札結果発表(東京美術娯楽部)
五都美術商連合会「創と造2019」落札価格ベスト10より抜粋)
画家の収入はピンからゼロまで
私が知り合いの個展会場で見た限りの平均の話をいたします。
平均5万円前後の作品の絵が10枚程度売れたとします。
売り上げは50万円ですが、ここから経費を差し引いて計算しなければいけません。
会場費(一週間10万円)宣伝広告費(5万円) ギャラリー側に支払う代金(売上の2割として10万円)とします。
ざっと計算して差し引き経費は25万円なのですが、交通費宿泊費があればもっとかかります。
故に手元に入るお金は多くても25万円以下となります。
すると月一回個展をすれば独身であれば食べていけるかもしれません。
しかしそれは甘い!
いつも売れるとは限りません。収入が0円に近い時もあるのです。
時には、1枚の大作が50万円で売れたりとかありますが、そうそうあるもんではありません。
だから多くの普通の画家は、いっぱしの画家になるまで副業をして生活しています。
絵を描く事そのものを楽しみ、絵が大金で売れたら喜ぶ。
我々無名画家の収入は曖昧ですが、いつか大金が入るのを待とうではありませんか。
そう思ってやっていかないとやってられませんよ。
なお、副業で描いた絵を納品して、お客様から代金を支払ってもらうまでに日にちがあるとお金に困ることがあり得ます。
そんなとき、あなたが発行したお客様への請求書を買い取って、即振り込んでくれる「フリーナンス」のサービスを利用すると良いです。
詳しくは、フリーナンスとは?サービスや料金、利用する際の注意点まで完全解説!の記事をご覧になってください。
またフードデリバリーの副業は、体を動かして健康的に稼ぐことができるので最近始める方が多いようです。
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画家が収入を得る方法まとめ
画家が収入を得続けていく事は大変な事です。
フリーランスで生きていくのはどの世界でも共通ですが。
でも好きな道だからこそ、その道で収入を得ようと頑張っているのです。
この記事では画家の収入の実態や、収入を得るための方法についてご紹介しました。
されど画家の目的は大金を得る事ではないのです。
とはいえ、収入は得ていかないと生きていけませんから絶対必要条件です。
そして、何の為に画家になったのかという本質を忘れてはいけません。
それを考えながら収入を得る為に頑張ってください。
私が尊敬している画家の一人、日展の樋口洋先生はこうおっしゃっていました。
「死ぬまでに一枚でいいから後世に名を残す作品を描きたい」
なおフリーランス画家のすべての実態について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。