自分の好きな絵を描く事が仕事になった。
こんな幸せな人生はないです。
私は画家になる夢を捨てきれないまま、電電公社に入社したのが、18歳の時です。
NTTで出世しようとは思わず、「いつかは画家になってやる」との思いで、毎日絵を描いていました。
絵をガムシャラに描いて、うまくなれば、チャンスが来ると思っていました。
しかし、それは大きな間違いでした。
画家になる為のノウハウを勉強して、自分から動かなければ何も変わりません。
その後、チャンスはみずから掴みに行くものだと知りました。
NTTは早期退職して、今ではフリーランスの画家として、充実した毎日を送っています。
今回は、フリーランスの画家になって稼ぐためのノウハウからフリーランス画家のリアルな生活実態まで解説いたします。
フリーランスの画家を目指すあなたの指標となれば幸いです。
フリーランスの画家が稼ぐノウハウ
画家はどうやっていけば食べて行けるのでしょうか。
よく言われている事、私なりにやっている事、考えていることを稼ぐノウハウとしてお話しします。
あなたも貴方なりに考えてみて下さい。
賞を取って有名になればよい?
公募展で賞を取るという事は、誰でも考えそうな事です。
間違いではないが、最高賞、もしくはそれに近いものでなければ意味がないのです。
賞を取った事を自分でアピールしていかなければ、誰も振り向きません。
名前が売れたからと言って、画商が飛びついたり、スポンサーが現れるわけでもないのです。
最高賞をとっても、いつの間にか昔の事となり世間から忘れ去られます。
その次の事を色々と考えて、策を練らなければ食べていくことはできません。
自分から行動しよう
つまり自分から行動しないと何も生まれません。
個展を開いて多くの人と語り、仲間や理解者を増やしていくことも大事です。
自分と絵をアピールして、絵の注文制作を受けるなど、マネージメント能力が必要です。
画家は、絵の原画を売る事だけを考えては、フリーランスになれません。
自分が描いた絵は一枚しかないので、売るだけではもったいないと考えよう。
ましてや丹念に精密に描いた作品なら、なおさらのことです。
現代の複製画技術は目を見張るものがあります。
そこで原画と瓜二つの複製画を売る、という手があります。
複製画は荷が重い、という方は、絵葉書、カレンダー等にして販売してはどうでしょう。
自分の絵をアレンジして印刷した、マグカップ、Tシャツなどもアイデア次第で商品になります。
教室を開く
絵画教室を開いて、人(お客さま)を呼び込むという手もあります。
絵画教室については私の場合、少人数制をとっており、儲けるというよりは人材を育てようという目的の方が強いのですが。
素人の生徒さんを2年目で全国公募展に入賞させた時は、喜びもひとしおでした。
ネットを活用したマーケティング
ネットを活用すればマーケティング次第でさらなる収益化が可能です。
フリーランスなので、自分から仕事が入るような仕組みを作っていきましょう。
もうネットが無い世の中で生きていくことは考えられません。
HPでの宣伝、販売、ブログやSNS等、何でもやってみましょう。
絵のネット販売は、原画と見え方が違うので、買ってもらえないという人もいます。
確かにそれも一理あります。
しかしそのうえで売れるシステムを作る事が大事です。
またネットを通して自分の事をしっかり知ってもらい、活動内容等を知ってもらうことも大切な事です。
少しずつ収入が安定してきたらフリーランス活動を続けながらも、公募展で賞を狙える大作を制作するのが理想的な活動です。
「絵はネットで売るものではない」という人もいます。
でも、その人があなたを食わせてくれますか?
外野の言うことは気にせずに、できることは何でもしていかないと、フリーランスの画家としてやっていけません。
ネットでもリアルでも画家として大成するための足がかりを作っていくことが何より大事です。
鳥さんや、犬さんと生活していて、絵として残したいと考えている貴方の為に、そして自分の為に、ネットを立ち上げています。名付けて「リクエストペン画工房」です。
よろしければ、立ち寄ってみて下さい。https://t.co/m5w9r1sOjQ pic.twitter.com/dP7gjzeWPh— 外山 昇 (@BDr17BVeLedsQES) September 21, 2019
私が絵を売りたい時は、ネットを使います。
自分が好きな絵を好きなように描いて、ホームページから販売に結び付けようと努力しています。
また自分からモチーフ、テーマを探すのではなく、お客様からの要望による作品制作も行っています。
お客様のご要望に応えるため「リクエストペン画工房」を立ち上げたのが昭和の最後の月でした。
なお画家が収入を得るための更に具体的な方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
フリーランスの画家が描くべき絵
フリーランスの画家なら誰に媚びることもありません。
自分を信じて自分が描きたいものを描きたいように描いてみましょう。
自信を持って描いた絵が大勢の人に認められて売れていくのを想像してよいのです。
そんなことが自由にできるのがフリーランスの画家といえます。
またお客様の要望に沿った絵を描くにしても、ほかの画家にはない自分の個性を自分なりの技法や構成で描くのがフリーランスの画家です。
フリーランス画家の一日
フリーランスの画家は、不規則な生活になり、健康も損ないがちです。
いつの間にか、何をやったのかわからないまま一日が過ぎてしまいがちです。
フリーランスであるという事は、サラリーマンにはない「自由」という強みがあります。
その強みを最大限に発揮するには、自分なりの毎日のノルマを決める事です。
時間帯を決め、週間、月間、年間計画を立てましょう。
確実にルーティンをこなしていき、強い意志をもって毎朝を迎える事が大事です。
優良な参考例ではありませんが、フリーランス画家の私の一日の流れを恥ずかしながら公表いたします。
休日は日曜日、お盆は一日のみ、正月三が日と決めています。
- 6時 起床・愛犬の散歩・アトリエの清掃
- 8時 朝食・メールのチェック・仕事(絵の制作)準備
- 9時 絵の制作開始(30分おきに作品チェック・水分補給・リフレッシュ)
- 12時 制作終了・アトリエ清掃・食事休憩
- 13時 クラウドワーク等の補助活動
- 15時 マネージメント(ホームページ更新等、ネット関係チェック・行事準備・その他作業)
- 18時 家庭内雑用・愛犬散歩
- 19時 軽いストレッチ運動・風呂・食事
- 21時 メールチェック~21時45分
- 22時 消灯
そして、これだけは忘れないようにしている事があります。
家族、応援者、様々な人達の御蔭で、成しえる事ができるスケジュールだという事です。
フリーランス画家のメリット・デメリット
フリーランス画家のメリット・デメリットを簡単にまとめます。
まずはメリットから。
- 渾身の力を振り絞って描いた絵が売れる感動を肌で感じられる
- 絵を見た人の賞賛の言葉を直接聞ける
- 自分が好きなようにすべての行動計画を自由にたてられる
次にデメリットです。
- 大金が入る月もあれば一カ月間収入ゼロということもあり収入に大きな波がある
- 自分で営業しマネージメントをしないといけない
- 生活のリズムを崩しやすい為、心身の健康管理に気を遣う
フリーランスの画家は好きなように生きられる代わりに生活のリズムを崩しやすく、自分が何をやっているのかわからなくなることがあります。
しっかりと日々の生活設計を立てて、強い意志をもって計画通り実行していく事が大事です。
絵が売れる喜びを肌で味わうことができますが、収入は不安定になりがちですので、有名になるまでは生活の不安を伴います。
不安に耐えられる強い意志が必要です。
フリーランスの画家のみで生活できるか?
有名になればフリーランスの画家のみで生活する事は可能でしょう。
多くの人が「ああ、あの人ね、知ってる知ってる」と言われるようになれば、しめたものです。
そうすれば、絵のみで生活できます。
ですが有名になれても、すぐに忘れられないようにする努力が大切です。
それはもちろん、容易な事ではありません。
ただフリーランス画家のほとんどは、そのような有名人ではありません。
ですからフリーランス画家としてだけで生活するのは困難です。
今の時代は大企業に勤めている方でさえ副業をしています。
現代に生きるフリーランスの画家も見栄を張らず、生活が苦しかったら絵には関係ない副業もするべきです。
そして、何年でも一本立ちのチャンスを待つのです。
画家の年齢は「七掛け人生」だと、今は亡き国際現代美術家協会会長の松田ヨシオ先生が言っておられました。
30歳の人の画家年齢は21歳、40歳の人の画家年齢は28歳、といったぐあいです。
画家として生きる寿命は長いのですから、焦る必要はありません。
フリーランスの画家が「好きで好きで絵を描いている」という気持ちを持続には、ほかにも収入を得るべきです。
なお、描いた絵を納品して代金が売掛けとなった場合、その日まで生活が大変になることもあります。
そんなときのためにフリーランス向けサービス「フリーナンス」に登録しておくと良いです。
フリーナンスには、売掛金を買い取って、顧客に代わってあなたの口座に即日払いしてくれるサービスがあります。
詳しくは以下の記事をご覧になってください。
フリーランスの画家は試行錯誤の繰り返し
私には、武蔵野美術短期大学や日本デザイナー学院時代、そして現在所属の美術団体を通して多くの絵描き仲間がいます。
才能がありながら画家を諦めて、時々趣味で絵を描くようになった「消えた天才」を沢山知っています。
フリーランスの画家は収入が不安定なので、ふいに不安でたまらなくなる時があります。
絵描き仲間と居酒屋で、絵に関する将来を語り明かした日々が沢山あります。
夢を多く語りましたが、不安、悩みも語りました。
そんなことをいくつかまとめてみました。
- 絵を仕事にしたくて毎日絵を描いているが先が見えなくて不安
- 自分の絵に自信が持てなくなったまま年月だけが過ぎていく
- 個展をしたら知人は多く来るが絵は売れず、会場費等の経費だけが重んでいつも赤字
- 宣伝する方法、集客方法が分からず、自分だけ取り残されていく気がする
こんな不安や悩みを解決するには自分で問題を解決できるスキルを持つことです。
スキルを持つには試行錯誤を繰り返して最適解を探すしかありません。
画材をかえてみたり、描き方をかえてみたり、テーマをかえてみたり、試行錯誤してみましょう。
個展をしても赤字ばかりならば、宣伝方法や展示する絵を売れるサイズにしてみるなど考えみてください。
お客様に売れた絵の傾向を調べて、どんな絵だったら買ってもらえるのか考えるのです。
宣伝する方法、集客方法が分からなければ、売れてる作家の真似をしたり、ネット等で売れる方法を調べてみましょう。
私の場合は個展の宣伝を新聞広告に掲載してもらったり、地方の宣伝ネットサイトに掲載してもらったりしています。
これまでの個展の中で、芳名帳に記載して頂いたお客様には全てダイレクトメールで、次回の個展の案内をさせて頂いています。
貴方が本気なら「自分の人生はフリーランスの画家しかない」という覚悟をもって、将来にわたり貫き通す事です。
そうすれば結果はどうであれ、悔いのない人生だったと言いきれるのではないでしょうか。
フリーランス画家の完全ガイドまとめ
画家は、誰かの紹介や、推薦でなれる職業ではありません。
自分から「絶対にやりとげる」と決意しなければ成功しません。
フリーランスの画家ともなれば、さらに強い意志が必要です。
そのうえで何度でも言いますが、親、妻、家族、親戚、仲間達からの応援、支援があればこそ成せるのです。
- フリーランスの画家が稼ぐにはネットの利用は必須
- 自分にしかできない個性的な作品を描き自分の売りとしてアピールする
- 自分なりの生活リズムを作り、崩さないように生活する
- フリーランスの画家は自分が思うような生活ができる反面、収入は不安定
- 有名になって一本立ちするまでは副業をするのが望ましい
- 稼ぐには試行錯誤を繰り返し決して希望を捨てない
現在、自分が絵筆を持ち続けているだけでも幸せであり、誇りでもあります。
「絵が好きで好きで、毎日描いていないと気がすまない」との思いで生活していかなければ成功しません。
気が入り過ぎて、乱筆乱文になった事お許しください。
あなたも頑張ってください。
ご成功お祈りいたします。
今、心身とも健全でキャンバスに向かっている自分がいる。
こんな幸せな事はありません。
なお画家とイラストレーターの違いについて、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。