鍼灸師として働く時、どのような働き方があるのでしょう。
結論としては、就職か開業のどちらかになります。
ここで気になるのはどんな就職先があり、どう開業すればいいのか。
そして、それぞれの働き方にはどのような違いや特徴があるのか。
そんな鍼灸師の就職や開業またはフリーランス、それぞれの就業場所での働き方について、学生の進路指導を行ってきた私が解説します。
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鍼灸師の働き方とは
鍼灸師も基本的には他の仕事と同じように就職して働きます。
しかし、医療の仕事の中では数少ない開業が可能な職種なのです。
このため、個人で開業して活動する鍼灸師も多いです。
学校を卒業した学生の多くはまずは就職し技術を身に着けます。
開業はいつでも可能なので、まずは就職しその後開業というのが多いです。
鍼灸師が働く就職先5選
では、鍼灸師の就職先にはどんなところがあるのでしょうか。
治療院
卒業した学生が一番多く選択するのが治療院です。
鍼灸師は鍼灸院または鍼灸整骨院に就職します。
地域によりますが求人は比較的多いです。
また、卒業生が就職した治療院が継続的に学校へ求人を出してくれることもあります。
治療院への就職は卒業後一番多いルートですが、最初は修行のような形になります。
ただし、中には社会保険を完備していない治療院もまだまだあります。
求人票を見る時には、社会保険がしっかりあるかどうか確認しましょう。
病院
病院への就職も選択肢のひとつです。
ただし、病院での鍼灸治療は少々複雑です。
病院では原則として「公的保険を用いた治療」を行っています。
ですが、鍼灸は公的保険の対象ではないため、組み合わせて行うことができません。
また、病院は保険治療の患者さんと鍼灸の患者さんの出入り口を別にする必要もあります。
このため、病院へ就職しても実際には附属治療院での就業となる場合が多いです。
病院内で行う場合でもリハビリテーションのひとつとして行うこともあります。
その場合、理学療法士がメインになるのでサポート役の鍼灸師の給料は低くなります。
学校
学校へは教員として就職します。教員は給料も安定しているので人気です。
ただし、教員になるには条件があります。
教員には卒業後すぐになれるわけではありません。
教員の資格は大学院または教員養成課程を修了することが条件になります。
教員はいろいろな科目を教えますが、同時に雑務も多いです。
このことから辞める人が多く、毎年求人が出ています。
研究機関
研究したい人は研究機関への就職がおすすめです。
鍼灸に特化したところもあります。
ただし、一般的な研究機関は大学院修了が条件になっているところがほとんどです。
卒業後すぐに就職できるのは鍼灸に特化した機関ですが、最初の2年はほぼ修行になります。
企業
最近はストレスなどの解消を目的に企業内で鍼灸を行っているところもあります。
他にも、スポーツチームのトレーナーとして求人を出している企業もあります。
鍼灸師の企業への就職ではスポーツチームへの就職が多くなります。
鍼灸は副作用もなくドーピングの問題もないので、野球やサッカーなどで需要が多いです。
以前に澤村投手への治療で話題にもなりましたが、プロ野球チームにも鍼灸師がいます。
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なお鍼灸師に転職する方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。
【鍼灸師の働き方】独立開業する
鍼灸師は医師と同じで開業が認められている数少ない医療職です。
これを活かして、就職せずに自分で開業するという選択肢もあります。
なお、開業するときは保健所への届け出が必要です。
(参考:京都府健康福祉部医療課 施術所開設の手引き)
治療院を開く
ひとつは自分で物件を探し、治療院を開業する方法です。
ただし、保健所への届け出だけでなく監査を受ける必要があります。
自治体によって届け出の様式は異なりますが、鍼灸師の免許証と一緒に持参します。
開業する際に注意しないといけないのは治療費の設定です。
学校では教えられませんが、周囲の治療院の平均と違いすぎると反感を買うのです。
そして時々保健所に「何か違反をしているんじゃないか」と告げ口をされることがあります。
治療費の金額は法律上制約はないですが、周囲の平均から外れないように設定しましょう。
出張専門でフリーランスとして働く
治療院を開く時、物件の家賃や設備投資の費用などかなりお金がかかります。
そこで、治療院を持たずに出張のみで仕事をするという選択肢もあります。
出張して治療する場合も保健所への届け出が必要です。
また、出張のみの場合「○○治療院」という名称は保健所には届け出ません。
治療院の名前は広告するときのみ名乗ることになります。
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登録しておくと、仕事の依頼が来る可能性があるので、こんなところにもアンテナを張っておくと良いでしょう。
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なお鍼灸師がフリーランスで働くための基礎知識を以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひあわせてご覧になってください。
鍼灸師の働き方まとめ
今回、鍼灸師の就業場所ごとに働き方の違いを見てきました。
働き方を簡潔にまとめると以下のようになります。
- 就職
- 治療院や病院、学校、企業など選択肢は多い。
- 一部は大学院卒というような条件がある場合も。
- 開業(フリーランス)
- 治療院を開くか出張専門で開業。
- ココナラ ※無料で出品できる。自分のスキルを販売して収入を得るサイト
- どちらも保健所への届け出が必要。
このようにいろいろな働き方を選べるのが鍼灸師の特徴です。
就職と開業、どちらの働き方を選ぶのか。
あなたが鍼灸師として何をしたいのかを考えてから選ぶといいでしょう。
なおそもそも鍼灸師になる方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
どうぞご参考になさってください。